急性呼吸窮迫症候群は、敗血症や外傷などにより好中球が活性化されて肺血管外へ遊走し、エラスターゼなどが分泌され、肺胞上皮が障害されることで透過性が亢進し肺水腫に至る疾患である。
a 肺胞での換気ができなくなるため、ガス交換が行われない肺死腔については減少するよりもむしろ増加する。よってaは×となる。
b 肺内シャントは肺胞内のガスと毛細血管を流れる静脈血が接触せず、ガス交換が行われないまま心臓へと還流している状態を示す。ARDSにおいて肺内シャントは増加する。よってbは×である。
c 肺血管透過性亢進は、まさにARDSの病態の本丸である。肺血管透過性亢進により非心原性の肺水腫が生ずる。好中球が放出したエラスターゼや酵素により、肺胞壁が障害され炎症による透過性の亢進が生じ、肺胞内へと水分が漏出する。よってcが○である。
d ARDSにおいては、肺胞壁の障害により肺サーファクタントを分泌するⅡ型肺胞上皮もダメージを受けるため、肺サーファクタントの分泌は低下する。肺サーファクタントは肺胞の表面張力を低下させることで肺胞の虚脱を防いでいるため、肺胞がつぶれ無気肺となりやすくなる。よってdは×である。
e 肺コンプライアンスとは肺の膨らみやすさを表す指標である。ARDSにおいては、非心原生肺水腫や肺胞虚脱により肺コンプライアンスは低下する。よってeは×である。
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