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2019-08-31

名古屋第二赤十字病院 part1

全国の赤十字病院の中から、愛知県の名古屋第二赤十字病院にお伺いしました。研修のプログラム、1日のスケジュールなど、現場の声が聞けるインタビューです。

名古屋第二赤十字病院第二総合内科部長兼臨床研修部長/指導医 / 指導医 横江正道先生 /名古屋第二赤十字病院 / 初期研修医1年目 勢納由華先生 / 竹内里沙先生 / 竹内ひらり先生 /  橋場奈月先生 /

横江正道先生 略歴

愛知県名古屋市出身
1996年
岐阜大学を卒業後、名古屋第二赤十字病院で初期臨床研修医となる。
1998年
名古屋第二赤十字病院救急部に勤務
1999年
名古屋市立大学第二内科で臨床研究医となる。名古屋第二赤十字病院消化器科に勤務
2002年
名古屋市立東市民病院第三内科(消化器)に勤務
2004年
名古屋第二赤十字病院救急部に勤務
2006年
同院総合内科に勤務
2008年
同院総合内科副部長に就任
2013年
同院第二総合内科部長に就任し、臨床研修部長を兼任
2017年
同院国際医療救援部副部長を兼任
2018年
同院教育研修推進室長を兼任

加盟学会・専門分野など

日本内科学会専門医・認定医・指導医
日本消化器病学会専門医
日本消化器内視鏡学会専門医
日本救急医学会専門医
日本プライマリケア連合学会認定医
日本腹部救急医学会評議員

横江先生に聞く名古屋第二赤十字の現在

長年にわたっての研修医教育! 症例数が豊富!
幅広い疾患と分野を学べます!
病院の特徴は?
三次救急の救命センターを擁し、800床を超える規模があります。大きくて、非常に忙しい病院です。何よりも強調したいのは長年にわたって研修医教育を行っていることですね。私自身も当院で研修した一人で、教育に関してはかなり熱意のある病院です。お蔭様で、多くの医学生に選んでいただいています。
人気の秘密は?
とにかく症例数が豊富なので、非常に幅広い疾患と分野を学べることです。それから興味がある人とない人がいるかもしれませんが、国際救援も特徴です。三次救急の病院の中でも強いリーダーシップを取っていますので、色々な意味でチャンスが落ちている病院だと思います。年間1万台以上の救急車も来ます。

現在までの横江先生

江正道 先生

名古屋第二赤十字病院第二総合内科部長兼臨床研修部長/指導医
「どんな患者さんが来ても、何かができるようになりたい」という気持ちから
先生ご自身はどうしてこちらの病院を選ばれたのですか?
何でも診られる医師になりたくて、最初の2年間はとにかく救急だと思ったからです。どんな患者さんが来ても、何かができるようになりたいという気持ちで入職しました。
先生は救急から総合内科に変わられたのですよね。
人事異動の関係もありましたが、当時はまだ総合内科という分野があまり確立されておらず、幅広く患者さんを診たいという思いがあったので、救急科に一度、足を踏み入れて専門医を取りました。救急科にいたときに麻酔もして、集中治療もして、全身を診られるようになりたいと希望していたのですが、その中で麻酔科に行こうか、集中治療をしようかと考えていた時期もあったんです。でも将来は外科系よりも内科系に行きたかったんですね。そんなときに、ある部長から「ICUの中でお腹が痛いと言われても、麻酔科医は何もできない」と言われた一言がきっかけで、消化器内科に行くことにしました。消化器内科で内視鏡や専門性のある領域の勉強を始めたところ、教授から「総合内科やるか」と言われたので、総合内科に来ました。
当時の総合内科は早い方ですよね。
当時は総合内科ができては潰れ、できては潰れみたいな病院が多くある中で、どうせ作るなら10年もつ総合内科を作りましょうという話になったんです。それで今の形になって、ようやく12年経ったところです。当時はホスピタリストという考え方もなく、いかにうまく入院患者さんを診ていくかということを誰も教えてくれない時代でした。それぞれの科で専門性を持って指導していたのですが、「患者さんをきちんと診られるって、どういうことか」となったときに、そういうことを私たちがきちんと教えていける総合内科でありたいと思い、教育できる総合内科を目指してきました。
臨床研修も長く担当されています。
2004年に今の臨床研修制度が始まりましたが、名古屋地区は意外にも大きな影響を受けなかったんです。以前から当院では研修医教育は大事だと言われてきましたが、さらに力を入れていこうということになりました。当時は研修医のお兄さん役をやれと言われたんです。副院長などは研修医の情報をなかなか集められないから、私がお兄さん役として何でも聞いてやってくれということだったんですね。でも、私も今はおじさんになってしまいました(笑)。
臨床研修部長として、いかがですか?
若い人たちの意見を常に肌で感じられるので、自分が若々しくいられますね。研修医と接するのは楽しいし、教えることも多くあります。自分が教えることで、その研修医が育つのは大きな楽しみがあるので、継続して担当しています。

初期研修医&横江先生 座談会

名古屋第二赤十字病院を選んだ理由

名古屋第二赤十字病院を選んだ理由は?

@橋場 奈月 Hashiba Natsuki
私は何でも診られる医師になりたいと思っていたので、救急が多く、研修医が救急をさせてくれる病院だということが選んだ理由の一つです。それから国際救援にも興味があるので、いつか行けたらいいなというのもありました。
@竹内ひらり Hirari Takeuchi
私は大学時代に二次救急だけで、三次救急を経験していなかったので、三次救急がある当院が良かったです。3年目以降は専門に進むので、初期研修の2年間は不安は少しありましたが、救急をしっかり経験することで、自分の成長が得られたらと思いました。また、小児科に興味があるので、小児科が充実している病院ということも理由です。初期研修では小児科プログラムを選択しています。

小児科プログラムのある病院を探したのですか。

@竹内ひらり Hirari Takeuchi
いえ、小児科が割と大きくて、周産期に強みがある病院をメインで探していました。
@竹内里沙 Risa Takeuchi
私は産婦人科志望なので、周産期が強いところが良かったです。それと初期研修は色々な診療科が揃っているところでしたいと思っていました。当院が良かったのはやはり救急ですね。初期研修医ができる範囲が広いんです。私は当院が実習先でした。最初は考えていなかった病院なんですが、クジで外れたんですよ(笑)。それで来てみたら、救急外来で研修医の先生が自分主体で診療なさっているのが、私がそれまで見てきた病院とは全く違っていました。自分で何をしようと考えて、最後までしっかり診ていらっしゃるのがすごいと思いましたし、私も当院で2年間、救急をしっかりやりたいと思いました

先生は産婦人科プログラムですか。

@竹内里沙 Risa Takeuchi
プログラムは違いますが、志望科は産婦人科です。
@勢納 由華 Yuka Seno
私は総合内科志望ですが、総合内科のある病院で、三次救急もある病院はなかなかない中で、当院は内科も外科もしっかりしていて、しかも総合内科の先生もいらっしゃるので、ここしかないと思い、第一志望にしていました。救急科の研修は1年目から主体的に診ることができて、研修をするうえで身につくことが多いです。研修医ができることが多くあって、自分の成長に繋がっていると実感しています

見学に来たのはいつ?

見学に来たのはいつ?

@勢納 由華 Yuka Seno
5年生の秋から病院見学に行き始めたんですが、最初に当院に来たんです。第一志望を最初に見るという、なかなか肝の座ったことをしてしまいました。セオリーでは色々なところを見学しながら、慣れてきたところで第一志望に行くみたいなのですが、セオリーを知らなかったんです。行きたいところに行くものだと思っていました(笑)。
@竹内里沙 Risa Takeuchi
私は見学も考えていなかったんです(笑)。6年生の救急科のポリクリでも別の病院を希望していたのですが、たまたま来たら、すごく良くて、そこから見学も行ってという感じです。巡り合わせですね。
@竹内ひらり Hirari Takeuchi
私は5年生の冬だった気がします。実家が岐阜なので、夏休みは部活動の繋がりがあったり、知っている方が研修している岐阜の病院に見学に行っていました。そこから考え始めて、普通とは逆のコースのようですが、冬休みに当院に来ました。救急などを案内してもらったときに、研修医の皆さんが私の2つ上、3つ上とは思えないぐらい、活躍していらっしゃったのを見たんです。その裏にはハードなこともあるんだろうなと想像しつつ、そこを耐えたら、自分で立ち上がれそうだと思って、そのまま志望し続けました。
@橋場 奈月 Hashiba Natsuki
私は4年生と5年生の間の春休みに来ました。ポリクリも始まっていないので、全てがすごく見えました(笑)。その頃は滋賀からは出たかったけど、名古屋に帰ってくる気持ちも全くなく、色々なところを見ようと思っていました。5年生は休みがないと知っていたし、部活動の大会もあるので、時間がある4年生の春休みを使って、南は沖縄まで行きました。当院も見学していた中の一つという感じです。その後、たまたま研修病院の説明会で、大学の先輩に「あ、滋賀医、こっち」と言われて、当院のブースに連れていかれたんです。それで救急がいいなという印象を受けました。4年生の時点で見てもあまり分からなかったので、何回か見学したのですが、何も知らない状態での第一印象でいくつかピックアップした病院をその後も見学して、そこから選んだ病院です。

イメージ通りの研修ができていますか?

イメージ通りの研修ができていますか。

@橋場 奈月 Hashiba Natsuki
率直に言うと、私の態度もあるのかもしれませんが、当院は救急重視の分、どうしても内科系が手薄になるんです。救急に入って、当直明けで内科管理というのは厳しいですね。三次救急で、しかもスタッフも大勢いる病院を選ぶと、規模が小さい病院の研修医のように内科の入院管理を全部していくことは難しいのだということに、働き始めてから気づきました。でも、内科系は3年目以降にできるはずなので、救急に関してはイメージ通りです。
@横江 正道 Masamichi Yokoe
学ぶ順番としてはこれでいいと思うよ。
@竹内ひらり Hirari Takeuchi
私も橋場に同感です。ほかの病院で研修している友達と話すと、それが分かります。ここまで救急をしている病院は少ないですが、ほかの病院の研修医はその分、病棟管理をしっかりしていて、受け持ちの患者さんの入院から退院までを上の先生についていただきながらも主体的に診て、アセスメントをきちんと取って、治療薬まで考えています。そういう話を聞くと、一長一短あるし、両方を兼ね備えるのは時間的にも厳しいと思います。
@竹内里沙 Risa Takeuchi
私は初期研修では救急をしっかりやりたいと思って当院に来たので、その意味ではイメージ通りです。見学のときに見た先生方のようにできているのかは分からないですが。スタッフが多い病院と少ない病院とではそれぞれのメリット、デメリットがありますし、当院も融通が利きづらかったり、人付き合いなどの難しいところもありますが、仕事内容に関しては思い描いたように楽しくできています。
@勢納 由華 Yuka Seno
私がこの中では一番、イメージ通りではなかったです。想像以上でした。大学時代と比べると、積極的だったり、勉強熱心な人が多く、刺激的な研修です。救急に関してはできるようになりたいこと、できなければいけないことが多くあります。内科系のことは後回しになっているかもしれませんが、自分が身につけていくもののスピードとしてはこれが精一杯なので、色々なことを順番に身につけていきたいです。刺激を受けられる環境なので、同期の皆に追いつくために頑張っていかないといけないと思っています。

研修医室はどんな感じですか?

同期は何人ですか。

@竹内里沙 Risa Takeuchi
23人です。名古屋市立大学からのたすきがけの研修医と歯科の研修医を含めると26人です。

皆さん、仲良くしていますか。

@竹内ひらり Hirari Takeuchi
とても仲良いです。
@橋場 奈月 Hashiba Natsuki
個性が強いよね。色々な人がいる。
@竹内里沙 Risa Takeuchi
私は同期とこんなに仲良くなれると思っていなかった。もっとドライな関係かと想像していたので、そこが楽しい。

23人中女性は何人ですか。

@竹内里沙 Risa Takeuchi
11人です。LINEのグループがあります。女性だけのグループもありますし、全員のもあります。
@横江 正道 Masamichi Yokoe
私も入れてもらっているグループがあります(笑)。
@竹内里沙 Risa Takeuchi
来年は歯科の方とたすきがけの方が抜けるので、9人になります。

研修医だけの部屋はありますか。

@橋場 奈月 Hashiba Natsuki
あります。1年目、2年目の初期研修医のほか、たまに3年目の先生も使っています。
@竹内里沙 Risa Takeuchi
机やパソコンがあり、過ごしやすいです。
@橋場 奈月 Hashiba Natsuki
研修医室がないとね。私は研修医室がある病院というのも選ぶポイントでした。研修医室がないと、辛いと思います。
@横江 正道 Masamichi Yokoe
上級医のはけ口でもあります(笑)。
@橋場 奈月 Hashiba Natsuki
先生も経験されましたよね。
@横江 正道 Masamichi Yokoe
当たり前じゃない。あの部屋はストレスを発散する場だからね。私もときどき行きます。空気が変わるかなと思って行くのですが、私が行っても何も変わらないですね。言いたい放題の中に入っていくみたいな感じです(笑)。当院は研修医が皆、仲がいいんですよ。上下も仲がいいので、研修医室に行くと盛り上がります。私たちの時代からその雰囲気が代々続いていますね。

良い雰囲気なんですね。

@横江 正道 Masamichi Yokoe
上級医がいると言いたいことも言えないですが、研修医同士だと言えるので、わざとその空間を作っているんです。机が足りないので、3年目もちらほらいます。
@橋場 奈月 Hashiba Natsuki
救急外来の当直の反省会もあります。2年目の先生がちらっと教えてくださったりしますね。
@竹内里沙 Risa Takeuchi
質問されて、嫌がるような先生には出会ったことがないですね。皆さん、熱心に教えてくださいます。

女性の常勤の先生方を見て、いかがですか。

@橋場 奈月 Hashiba Natsuki
良い先生だなと思える先生は男女の隔てなくいらっしゃいますので、あまり女性だからということで考えていないです。

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