専門研修インタビュー

2024-02-01

大阪市立総合医療センター(大阪府) 専攻医 金城(きんじょう) あやか先生(外科(消化器外科)) (2024年)

大阪市立総合医療センター(大阪府) の専攻医、金城(きんじょう) あやか先生(外科(消化器外科))に、病院の特徴や研修プログラムについてなど、様々なエピソードをお伺いしました。この内容は2024年に収録したものです。

大阪市立総合医療センター

〒534-0021
大阪府大阪市都島区都島本通2-13-22
TEL:06-6929-1221
FAX:06-6929-1090
病院URL:https://www.osakacity-hp.or.jp/ocgh/

金城先生の近影

名前 金城(きんじょう) あやか 専攻医
出身地・出身大学 / 医師免許取得年度 沖縄県那覇市・熊本大学 / 2020年
初期研修施設 大阪警察病院
専攻医研修 外科(消化器外科)

医師を目指したきっかけをお聞かせください。

 ありきたりではあるのですが、父が外科医として働いているので、父の仕事に興味を持ち、私も医師になれたらいいなと幼心に思ったことがきっかけです。それから強く医師を目指したきっかけとなったのは祖父が胆のうがんになり、亡くなったことです。祖父の姿を見たことで、外科医になり、がんを治したいという気持ちが強くなりました。

学生生活はいかがでしたか。

 勉学の思い出ではないのが申し訳ないのですが(笑)、学生生活の前半は部活動に打ち込んでいました。ボート部に入ったのですが、入った頃は1回も決勝に進んだことがないぐらいの弱小の部だったんです。それで私たちの代でコーチに来ていただいたり、色々と頑張って、西医体で2連覇することができたのが思い出に残っています。

初期研修先を大阪警察病院に決めたのはなぜですか。

 もともと大阪の人や土地柄が好きで、就職では一度、大阪で働いてみたいと思い、大阪の臨床研修病院を探していたんです。私が初期研修で学びたかったことの一つは救急だったので、救急の教育体制が充実している大阪警察病院に惹かれました。大阪警察病院の救急は先輩から教わりながら学べる屋根瓦式ですし、初期研修医数も救急の患者さんの受け入れ人数も多かったことが良かったです。もちろん、志していた外科の手術件数も多く、大阪警察病院であれば、救急医療と目指していた外科の両方をバランス良く学べそうだと考え。選びました。

初期研修を振り返って、いかがですか。

 自分が志望していない診療科でも回ってみると面白くて、色々なことが勉強できた初期研修でした。

専門を消化器外科に決められたのはいつですか。

 最終的に決めたのは初期研修2年目の春です。消化器内科と少し迷った時期もあるのですが、結局、最初に志した消化器外科に決めました。

専攻医研修先を大阪市立総合医療センターに決められたのはどうしてですか。

 医局に入るかどうかを悩んでいたところ、大阪市立総合医療センターは病院オリジナルの専門研修プログラムを持っていて、このプログラムに乗れば外科専門医が取れることがまず良かったです。またハイボリュームセンターならではの規模で、上部消化管、下部消化管、肝胆膵に分野が分かれていて、それぞれの分野にスペシャリティを持った先生方が揃い、最先端の技術を用いて手術をされているのを見て、そういったことを学べることも魅力でした。さらに緊急手術も多いことや教育的な指導医の先生方がいらっしゃることもあり、大阪市立総合医療センターであれば専攻医として成長できると思い、こちらを選びました。

金城先生の写真

専攻医1年目の現在はどのような専攻医研修をなさっているのですか。

 指導医の先生方が私をよく見てくださり、私のレベルに合わせ、「今度は少し難しいものにしてみようか」などと、執刀できる手術を徐々に増やしてくださっています。先生方が専攻医の成長のために何が必要なのかを考えてくださっているので、楽しく勉強できていますし、成長していることを実感しています。

専攻医研修で特に勉強になっていることを教えてください。

 学術的な先生方が多く、「海外ではこうしている」「日本の別の病院ではこうしている」などの施設間の違いや研究の仕方、考え方まで教えてくださるので、手術はもちろんですが、そのような考え方が勉強になっています。また、当院は図書館がとても充実していて、学術的な論文やコンテンツにすぐに触れることができることも有り難いです。

専攻医研修で遣り甲斐を感じるのはどのようなときですか。

 完璧ではないのですが、自分ができる手術が少しずつ増えていくと、手術が終わったあとに自分の成長を感じられて、遣り甲斐があるなと思います。それで患者さんが良くなっていくのを見ると、とても嬉しい気持ちになりますね。

専攻医研修で辛いことはどのようなことですか。

 手術をしたものの、手術後に合併症で苦しんでしまう患者さんを見ていると、手術したことが本当に良かったことなのかどうかを悩むことがあり、そういうときは辛いです。

当直の体制をお聞かせください。

 月に平均3回です。基本的には専攻医が病院に泊まり、スタッフの先生がオンコールで自宅に待機されています。専攻医が悩んだり、緊急手術になったり、患者さんが入院したりというときにはオンコールの先生に相談できる体制になっています。

当直で勉強になっているのはどのようなことですか。

 この患者さんに対して、緊急手術をするのがいいのかどうかという判断が難しいことが頻繁にありますが、色々な情報を総合的に見て、手術をすることがこの患者さんにとって、本当に利益になるのかどうかを考えることは卒後3年目の私にはまだ難しいです。それにはやはり経験も必要ですので、少しずつ教えていただいています。こうした考え方が勉強になっています。

指導医の先生方のご指導はいかがですか。

 皆さんから丁寧にご指導いただいています。指導医の先生もほかの先生方も「分からないことがあったら、すぐに聞いてね」と言ってくださるし、質問しても1を聞いたら10教えてくださるような先生方ばかりなので、とても充実しています。

金城先生の写真

カンファレンスはいかがですか。

 色々な種類のカンファレンスがあり、規模もそれぞれ違うのですが、専攻医がどのような質問をしても、先生方がきちんと答えてくださるので、発言しやすいです。

初期研修医の指導はどのようにしていらっしゃいますか。

 専攻医には初期研修医がつかないので、指導する機会はほとんどないのですが、外科には初期研修医ができそうなことは多くあるので、できるだけ積極的にさせてみて、多くの経験をさせたいなと思っています。

病院に改善を望みたいことはありますか。

 アメニティに関してはドライヤーが欲しいです(笑)。それからWi-Fiが病棟にはあるのですが、医局にはないので、改善してほしいなと思っています。

コメディカルのスタッフとのコミュニケーションはいかがですか。

 ほかの病院をいくつも知っているわけではないのですが、病棟の看護師さんはとても優しいですし、手術室の看護師さんも理不尽なことを言われることもなく、皆さんが協力的なので、良好なコミュニケーションが取れていると思います。

専攻医同士のコミュニケーションはいかがですか。

 誰かが辛そうだったら、誰かが声をかけて手伝うし、皆で仲良く、助け合っています。

今後のご予定をお聞かせください。

 まだ決まっていません。当院での3年間の専攻医研修を終え、外科の専門医を取得したら、どこかの大学に入局して大学院に進学するか、地元の沖縄に戻るかという二択のどちらかになりそうです。

専門医制度についてのご意見をお願いします。

 この制度のもとで、ほかの外科がしていることを見ることができることは、その科に行かなかったとしても経験になり、勉強になります。同じことをするにしても、ほかの外科では考え方や進め方が全く違ったりするので、そういった違いを見られることがこの制度の意義だと感じています。

【動画】金城先生

動画を掲載します

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