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国試過去問解説 2025-05-01

国試過去問解説 適切な返答 国試(111F19)

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111F19
56歳の男性。健康診断で高血圧を指摘されて来院した。これまでの健康診断では異常を指摘されたことはなかった。喫煙は 15 本/日を 35 年間。初診時の血圧は162/102 mmHg。精密検査の結果、本態性高血圧症と診断された。担当医は患者に選択できる治療法とそれぞれの利益と不利益とについて説明した後、降圧薬による治療が望ましいと説明した。患者は担当医の説明を十分に理解したようであったが、「先生の言われたことは理解できましたし、薬による治療が必要であることについてもよく分かりました。しかし、現時点で薬を飲むことには抵抗があり、今すぐ決めることは難しいです」と述べた。医師は「そうですか、決めるのは難しいのですね」と患者の考えを受けとめた。
それに続く医師の言葉として最も適切なのはどれか。

答え
不正解

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a Ⅱ度高血圧で降圧薬を使用しないことは、その後の患者の健康に対して大きなリスクを伴うことが考えられるため、患者が服薬への抵抗があったとしても医師の方から安易に服薬中止を判断して伝えることは望ましくない。よってaは×。

b 患者は医師の言葉を理解して、薬による降圧が必要であることも認めている。それでもなお降圧薬を服用することに抵抗があるのであるから、その理由を教えてもらうことで、よりよい判断につながりやすいと考えられる。よってbは○である。

c もちろん患者自身に患者の治療についての自己決定権があるわけである。ただ現実的には疾患への対処やアプローチにおいては、専門家である医師からの情報提供を受け、自らの価値観、判断とすり合わせたうえで決定していくことが望ましい。よってcは×である。

d 患者のこれからの診療について不適切な圧力をかけており、医師の態度としてふさわしくない。患者の発言が自らの考えと相違があってもコミュニケーションを継続し治療につなげていくことが医療者のあり方である。よってdは×。

e 高血圧のリスクについては、医師の説明により患者は理解していると述べている。その部分に関しては患者の言葉を受け入れて信頼するべきである。患者の発言を信用していないという意味が含まれるような発言は慎重に行うべきである。よってeは×である。

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