全国で活躍する女性医師

2023-05-31

鳥取赤十字病院

全国の赤十字病院の中から、鳥取県の鳥取赤十字病院にお伺いしました。勤務内容や1日のスケジュール、家庭と仕事の両立など、女性医師ならではの声が聞けるインタビューです。

  • profile

    足立佐千子先生

    足立 佐千子(さちこ)先生

    初期研修医

    • 鳥取県米子市出身
    • 1996年

      鳥取県米子市で生まれる

    • 2022年

      鳥取大学を卒業

    •  

      鳥取赤十字病院で初期研修

目次|contents

医師を目指したきっかけと
研修病院選び・専門選び

足立先生

足立先生

医師を目指したきっかけをお聞かせください。

足立高校生物で人体について勉強した時に面白いと感じました。人間の体の中が構造がどのようになっているのか、どういう仕組みで生命が維持されているのかをもっと学習したいと思いました。当時の高校の生物の先生にどの学科の大学に行けばいいだろうかと相談したところ、医学部医学科でしょうと言われたのがきっかけです。

学生時代に思い出に残っていることはどのようなことですか。

足立大学というところは勉強に終始するところだというイメージを持っていて、とにかく勉強するんだろうなと思っていたのですが、高校時代よりも自分で使えるお金や時間が増えたので、友人と遊んだり、部活動に打ち込んだりすることができました。部活動では水泳部に入っていました。小さい頃から水泳をしていたので、その延長です。西医体にも出場しましたし、楽しく過ごしていました。

病院の特徴はどのようなものでしょうか。

足立1915年に創立された、歴史のある病院です。鳥取県庁やとりぎん文化会館(鳥取県民文化会館)に近く、鳥取市内の中心部にあります。内視鏡センター、頭頸部外科センター、リウマチセンター、口腔ケアセンターなどが揃っており、地域の方々から信頼されている病院です。

初期研修で鳥取赤十字病院を選ばれたのはどうしてですか。

足立コモンディジーズを診る機会が多いところに惹かれたからです。初期研修ではよくある疾患を多く経験したいと思っていたので、鳥取赤十字病院を選びました。

見学での印象はいかがでしたか。

足立大学6年生になる直前の春休みに1回目の見学に来たので、遅い時期ですね(笑)。そのときに先生方が診療科の垣根を超えて会話をされている風景を拝見して、いいなと思ったことも当院を選んだ理由の一つです。

鳥取赤十字病院での初期研修はイメージ通りですか。

足立イメージ通りで、研修しやすいです。救急車当番が月に3回程度あるのですが、当番の日は救急車のファーストタッチをして各科へコンサルトします。コンサル後にその科でどのように治療が進んだか、ファーストタッチの時に他に考えておくべきことがあったかなどのフィードバックを聞きに行きやすい雰囲気で、大変勉強になります。

初期研修のプログラムについてはいかがですか。

足立1年目では必修科を回っていきます。その必修科を回る順番は自分たちで決めてよく、1年目の研修医同士で話し合いながら研修を組んでいくのですが、希望が被ったらじゃんけんになります(笑)。そのため、かちっと決まったプログラムではなく、希望通りのプログラムを組むことができ、研修したいことをさせていただくという雰囲気がある一方で、1年目は必修科がほとんどなので、1年の間に基本的なことができるようになることが特徴です。

プログラムの自由度は高いですか。

足立高いと思います。回らないといけない期間が4週間などと決まっている診療科はその期間を必ず回らないといけないのですが、必修ではない診療科だと2週間や3週間といった期間でお願いすることも可能です。また、内科は必修科ですが、内科の中での組み合わせに関しては途中で変えていただくこともできました。

コメディカルの方々とのコミュニケーションはいかがですか。

足立1年目の春先はどなたに話しかけていいのか分からない状態だったのですが、看護師さんが積極的にコミュニケーションを取ってくださったので、少しずつ会話ができるようになりました。今ではコメディカルの方々と仕事の話はもちろんですが少し手が空いている時(エレベーターの中など(笑))に仕事以外の話もしたりして、楽しく働けています。そういうときに少しお話ししておくことで、必要なときに治療などの真面目な話ができたり、質問しやすくなるように感じます。薬で分からないことがあって、薬剤師さんに電話しようか、どうしようかというときでも、薬剤師さんと話したことがあれば電話も怖くないし、質問してみようという気になります。一方で、私自身も怖い人だと思われないように、とにかく元気に挨拶することを心がけています(笑)。当院のコメディカルの方々は本当にいい方ばかりで、いつも助けてくださるので、研修医が動きやすく、働きやすい病院です。これは見学に来る医学生の皆さんにいつも推していることでもあります。

鳥取赤十字病院でのキャリア

足立先生と研修医の皆様

足立先生と研修医の皆様

今後はどちらの科に進まれる予定ですか。

足立病理診断科です。大学2年生のときに病理学の基礎的な授業があり、初めて病理学に触れたのですが、そのときからいいなと思い始めました。その後、学年を経るごとに教わる内容が深まっていき、ずっと興味が尽きなかったので、在学中の基礎医学教室への配属でも病理学に希望を出しました。また6年生でのポリクリは自由に選択することができたので、病理診断科に行きました。最終的には6年生の最後に病理診断科に進むことに決めました。

では病理診断科に進むことを前提にした初期研修をされているのですね。

足立そうですね。3年目以降病理診断科に進むと患者さんと接する機会も減りそうです。そのため、初期研修では臨床で経験できることをできるだけ多く経験しておきたいと考えたことも市中病院である当院を選んだ理由です。

病理学や病理診断科の魅力はどんなところですか。

足立病気や臓器が目で見えるところです。臨床でも画像によって疾患が分かることがありますが、基本的には身体症状が出てからどのような疾患なのかが分かります。でも病理だと「身体の中でどういうことが起こっているから、こういう症状が出る」「こういうことが起きれば、細胞が増えてしまう」ということが分かります。体の中で何が起こっているか目にみえることが興味深いです。

鳥取赤十字病院の救急はいかがですか。

足立当院は二次救急の病院ですが、忙しさは日によります。今日の午前中に来た救急車は2台でしたが、多い日は絶え間なく来ます。忙しい日に当番をしていると、一日中救急外来にいることになります。

当直の回数はどのぐらいですか。

足立初期研修医は月に4回か、5回です。入らないといけない基本的な回数が4回で、上限が5回となっています。体制は指導医1人と初期研修医1人です。全科当直なので、色々な主訴で、かつ色々な診療科の患者さんがいらっしゃるので、いつも緊張しています。

当直ではどんなことが勉強になりますか。

足立色々な患者さんが来られるだけに、誤解のない伝え方や話し方をすること、自分で考えて検査に出すことが勉強になっています。検査に関しては分からなかったら指導医の先生に聞いていたのですが、最近は2年目になったので、自分で頑張れるところまではなるべく自分で頑張ろうと思っています。でも試行錯誤することがまだ多いです。

仕事とプライベートの両立

プライベートを過ごす足立先生

プライベートを過ごす足立先生

ワーク・ライフ・バランスをどのように心がけていらっしゃいますか。

足立体調を崩さない程度で、遊ぶときは遊ぶ、勉強するときは勉強する、働くときはきちんと働くということを心がけています。

ご趣味など、プライベートについて、お聞かせください。

足立空手を習っています。大学5年生の終わりにコロナ禍になり、部活動の大会が全てなくなってしまいました。引退したつもりはなかったのに、「結局、あの大会が引退試合だったんだなあ」ということになり、部活動の代わりになるものを始めたくなったんです。もともと格闘技をしてみたかったので、勢いで空手を習い始めました。在学中は昇級試験を受けたりもしましたし、少しずつ上達してきたところです。

座右の銘などはありますか。

足立『ゆっくり急げ』という高校の時の部活の顧問の先生からいただいた言葉を今でも大切にしています。やらないといけないことが多くなってくるととにかく焦って空回りして心身ともに不調に陥ってしまう人間なので、落ち着いて一歩一歩確実に進むことを最近は意識しています。

  • 足立先生の1日のスケジュール

鳥取赤十字病院の
働きやすさ・福利厚生

福利厚生についてはいかがですか。

足立コロナ禍になる前は歓迎会など、色々な食事会があったそうです。休みに関しては希望すれば取ることができます。自分が研修すべきことがびっしり詰まっている日に休みを取ろうとは思いませんが、ルーティンが少なめの日であれば「お休みいただけますか」と聞くと、「いいよ。どこか行くの」と聞かれたりして、和やかに許可していただいています。夏休みという制度はなく、有給休暇が年に10日ありますので、それをやりくりして夏休みにしています。昨年の夏には姉の結婚式が大阪であったので、大阪に行きました。鳥取市内から大阪へは2時間半で行けますので、便利ですね。

お住まいは寮ですか。

足立寮はなく、初期研修医は好きなところに住んで、家賃補助をいただいています。入職前に「ここに住みたいです」と事務の職員さんに伝えたら、事務の方が契約してくださいます。不動産会社とのやり取りを代行していただけたので、助かりました。

育児短時間勤務制度を使われている先生方は多いですか。

足立現在は使われている先生方はいらっしゃいません。職員さんが使っていらっしゃいます。

院内保育所も完備されていますよね。

足立「すまいる」という院内保育所があります。生後57日から小学校の第3学年を修了する日まで預かっていただけるようです。一時保育もしています。

病児保育所もありますか。

足立あります。「すまいる」で病児保育、病後児保育を行っています。

直撃! Q&A

初期研修での人気の秘密は?

足立先生 診療科間の垣根がとても低いところだと思います。ローテートしている診療科の内容でないことでも気軽に相談できるので、研修しやすい環境ですし、勉強になっています。

初期研修にあたって、どのような姿勢を心がけていますか。

足立先生 気になったことは調べますが、調べても分からない場合は放置せずに、きちんと指導医の先生に伺うことを心がけています。簡単すぎることだと調べても出てこなかったりもしますが、そういうことでも分からないものをそのままにせずに質問しています。その後、業務をする中で同じ問題に出会うこともあり、「この前、こうやって教えていただいたな」と思い出して対応できることが少なくないので、分からないことを放置すると大変なことになるのだと自分を戒めています。

院外の研修先もありますよね。

足立先生 鳥取大学医学部附属病院や鳥取県立中央病院など、当院にない診療科を回りたい場合は当院からお願いすると、先方も受けてくださいます。私は2年目の後半に鳥取大学医学部附属病院の皮膚科、消化器外科、病理診断科を回る予定です。また、岐阜県の高山赤十字病院と連携しており、当院の初期研修医が高山に行ったり、高山の初期研修医が当院で研修したりすることもあります。

初期研修で勉強になっていることはどんなことですか。

足立先生 患者さんとの会話の仕方や伝え方です。教科書には載っていないことですし、正解もないことなので、難しいです。教科書には共感や傾聴が大切だと書いてはありますが、私自身は同じ病気になった経験はないですし、初期研修が始まったばかりの頃は患者さんから「辛いです」と言われても、「頑張ってください」と言うわけにもいかず、「こういうときにどう言ったらいいんだろう」と戸惑っていました。そこで指導医の先生がなさっている外来に入れていただき、会話の仕方や言葉のかけ方を勉強させていただいて、私も少しずつですが、どう会話したらいいのか、どう動けばいいのかという対応の仕方が分かってきたように思います。

指導医の先生のご指導はいかがですか。

足立先生 分からないことがあれば優しく、手厚く教えてくださっています。「ほら、やってみなさい」みたいな感じで声をかけてくださり、経験させていただいています。そこで成功体験ができると、自信に繋がりますね。でも失敗したら、てんやわんやになってしまいます(笑)。

病院に改善してほしいことはありますか。

足立先生 特に思いつきません。快適に研修させていただいています。

メッセージ動画

病院アピール

概要

  • 病院外観
  • 名称鳥取赤十字病院
    所在地〒680-8517 鳥取県鳥取市尚徳町117
    電話番号0857-24-8111
    開設年月大正4年4月1日
    院長竹内 裕美
    休診日土曜日・日曜日・祝日
    5月1日(日本赤十字社創立記念日)、12月29日~1月3日(年末年始)
    病床数350床

診療体制

診療科目・部門

内視鏡センター・リウマチセンター・頭頸部外科センター・健診センター
総合診療科・内科・消化器内科・循環器内科・脳神経内科・小児科・外科・整形外科・リウマチ科・リハビリテーション科・脳神経外科・血管外科・皮膚科・形成外科・泌尿器科・産婦人科・こころの診療科・耳鼻咽喉科・頭頸部外科・眼科・麻酔科・放射線科・歯科口腔外科・病理診断科、救急科

認定・指定一覧

    • 保険医療機関
    • 救急告示病院(救急指定病院)
    • 第二次救急指定病院
    • DPC対象病院
    • エイズ協力病院
    • 地域医療支援病院
    • 指定自立支援医療機関
    • (育成医療・更生医療・精神通院医療)
    • 被爆者⼀般疾病医療機関
    • ⽣活保護法による指定医療機関
    • 母子保健法による指定養育医療機関
    • 助産施設
    • 母体保護法による指定医療機関
    • 労働者災害補償保険法による指定医療機関
    • 災害拠点病院(地域災害医療センター)
    • 臨床研修指定病院
    • 初期被ばく医療機関
    • 難病医療費助成制度における指定医療機関
    • 小児慢性特定疾病医療費助成制度における指定医療機関
    • 肝がん・重度肝硬変治療研究促進事業に係る指定医療機関
    • がん診療連携拠点病院に準じる病院
    • 鳥取DMAT指定医療機関
    • 日本医療機能評価機構認定病院(一般病院2<3rdG:Ver.2.0>)

学会認定

    • ⽇本内科学会認定医制度教育関連病院
    • ⽇本がん治療認定医制度認定研修施設
    • ⽇本外科学会外科専⾨医制度修練施設
    • ⽇本整形外科学会専⾨医制度研修施設
    • ⽇本⽿⿐咽喉科学会専⾨医研修施設
    • ⽇本⿇酔科学会⿇酔認定病院
    • ⽇本⼤腸肛⾨病学会認定施設
    • ⽇本病態栄養学会栄養管理・NST実施施設
    • ⽇本栄養療法推進協議会NST稼動施設
    • ⽇本神経学会准教育施設
    • マンモグラフィ検診施設画像認定施設
    • ⽇本緩和医療学会認定研修施設
    • ⽇本⼝腔外科学会研修施設
    • ⽇本消化器病学会認定施設
    • ⽇本脳卒中学会専⾨医認定制度による研修教育病院
    • ⽇本乳癌学会研修施設
    • ⽇本消化器外科学会専⾨医制度修練施設
    • ⽇本泌尿器科学会専⾨医教育施設
    • ⽇本消化器内視鏡学会指導施設
    • ⽇本気管⾷道科学会認定気管⾷道科専⾨医研修施設
    • ⽇本医学放射線学会放射線科専⾨医修練協⼒機関
    • ⽇本静脈経腸栄養学会NST稼働施設
    • ⽇本静脈経腸栄養学会NST専⾨療法⼠認定規則実地修練認定教育施設
    • NST専⾨療法⼠認定規則実地修練認定教育施設
    • ⽇本IVR学会専⾨医修練施設
    • ⽇本臨床腫瘍学会認定研修施設
    • ⽇本病理学会登録施設

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