専門研修インタビュー

2023-10-02

日本赤十字社大阪赤十字病院(大阪府) 専攻医 桂 隆介先生 / 谷田 梨乃先生 (消化器外科) (2023年)

大阪赤十字病院(大阪府)の専攻医、桂 隆介先生 / 谷田 梨乃先生 (消化器外科)に、病院の特徴や研修プログラムについてなど、様々なエピソードをお伺いしました。この内容は2023年に収録したものです。

日本赤十字社 大阪赤十字病院

〒543-8555
大阪府大阪市天王寺区筆ヶ崎町5-30
TEL:06-6774-5111
FAX:06-6774-5129
病院URL:https://www.osaka-med.jrc.or.jp

桂先生の近影

名前桂(かつら) 隆介(りゅうすけ) 消化器外科医師
出身地・出身大学 / 医師免許取得年度・初期研修施設・専攻医研修 兵庫県姫路市・京都大学 / 2018年・大阪赤十字病院・消化器外科

谷田先生の近影

名前谷田(たにだ) 梨乃(りの) 専攻医
出身地・出身大学 / 医師免許取得年度・初期研修施設・専攻医研修 大阪府岸和田市・神戸大学 / 2020年・愛仁会 高槻病院・乳腺外科

 

医師を目指したきっかけをお聞かせください。

谷田先生
 きっかけは、すごくシンプルで、小学校の図書館にある職業別の『お仕事図鑑』のような本の中に医師の本と出会ってからでしょうか。その中で、「麻酔科医っていいな!」と思った。そこからです。今は外科をやっております(笑)。

桂先生
 わたしは実体験からですね。小学生の時に、虫垂炎にかかって手術を経験したのですが、手術前は死ぬのか?と思うくらいの痛みが手術をすると、痛みがゼロみたいなことがありました。本当に、「ほんまですか!?」となって、医師ってすごい職業なんだなと思いました。外科医になりたいなっていうのがうっすらありまして、幸い医学部行ってたんで、そのまま目指した通りになっています。

学生生活はいかがでしたか。

谷田先生
 中学生時代は、テニス部でしたが、ラケットにボールが当たらない子でした。それもあって高校は、道具に捉われない部活を探して、結果テコンドー部に入部しました。競技人口もありますが、地域では優勝も経験しました。

桂先生
 私は、サッカー部に入ってました。結構真面目だったほうかも(笑)。勉強と部活を両立といった感じで、どちらも同じくらい頑張ってました!

お二人それぞれ初期研修先を『高槻病院』『大阪赤十字病院』に決めたのはなぜですか?

谷田先生
 学生時代に通った神戸大学の校風が自分に合っていたため、研修先は、神戸大学の先生が多くいる病院が良いなと思いました。それから、大阪出身なので、地元で神戸大学出身の先生が多い病院をいくつか絞った中で、見学の中で雰囲気のあう高槻病院に決めました。

桂先生
 大阪赤十字病院は、初期研修先としては結構有名な病院だと認識はありましたし、私のまわりにも関係者が多かったことで、『いい病院だよ!』といった口コミを聞く機会が多くて、興味が湧いていました。
実際見学してみると、指導を受けている初期研修医の先生方を見ても、とても尊敬できるなって感じましたし、指導体制もしっかりしていて尚且つプログラムは今まで培われてきたプログラムというか、本当に充実した指導体制というのを感じたので、ここでぜひ学びたいと決めました。

初期研修を振り返ってみて、いかがでしたか?

谷田先生
 とても楽しかったですが、自分がとても調子に乗っていたようにも感じます(笑)。日々新しいことを学び続けるうちに、自分がすごく“やれる人間だ”とばかり勝手に思っていましたが、今思えば、自分の知識はとても浅かったですね。
もう少し謙虚に初期研修を受けるべきだったなと思っています。ご指導いただいた先生方は、私のことをどのように思われていたんだろうと少し気になってしまいます。

桂先生
 専攻医になってみてわかったことは、自分の専門分野以外のことを学ぶ機会が少ないことです。振り返ると、初期研修の頃は真剣に取り組んでいた中で、たくさんの他の診療科で学んだ経験が今となっては財産になっています。
初期研修先は、場所によっては待遇の良し悪し、病院内の雰囲気の良し悪しなど、さまざまあります。しかし、私が所属していた病院では意識の高い人々が集まっており、その影響を受けてしっかりとした研修を行うことができました。
今振り返ると大変な時もありましたが、良かったなと思います。

お二人それぞれ「乳腺外科」「消化器外科」をいつから志望されていたのですか。

谷田先生
 私はとにかく決まるのが遅くて、初期研修2年目の夏前ぐらいまで、迷って結構ギリギリまで粘ったのかなという感じです。
学生の時は麻酔科に行きたいなと思ってました。病院実習を通して、外科系もいいなと思っていたんですが、私の部活動選びでもわかるように結構不器用なので道具が扱えないんです(笑)。特に腹腔鏡とかがすごく苦手で、今どきどこの外科もカメラをたくさん使うので、外科は興味あるけどちょっと無理かなって思いながら初期研修を行っていました。
そしたらたまたま外科を回る一環で、乳腺外科があったんですけど、そこの先生とすごい馬があい、麻酔科と乳腺外科で迷ったのですが、最終的に私が仕事に求めることが乳腺外科の方だったので決めました。

桂先生
 僕は外科系で迷っていました。一番の決め手は人との出会いですね。
こうなりたいなと思う先生が、消化器外科にいらして目指したっていう感じです。結構ご高名な先生ではあるんですけど、最初は「有名なんだな」ぐらいの気持ちでした。実際その先生が、学会とかで発表されていたり、手術に対する思いなど聞いてると、とてもかっこいいなって素直に思えたので、こんな先生になりたい!と思い選びました。

専門研修で勉強になったことを教えて下さい。

谷田先生
 ありきたりなことなんですけど、結構予想外のことが起こるんですよ。なので、その予想外のことが起こってもいいように、準備しておくというか予想外のことに向けて準備することが大事かなっていうのを身にしみて感じました。

桂先生
 この病院は症例数が多いので、手術もかなりあって、いろんな手術が学べます。あとは、指導してくれる先生が本当にしっかりサポートしてくれるので、消化器外科に関しては、数多くの手術をしっかり学べるっていうのが一番大きかったです。

専門研修でやりがいを感じるのはどのようなときですか。

谷田先生
 結構自分では頑張って勉強したり努力したりしても、その結果が伴わないことっていうのがあるんです。そういう時は辛いんですけど、それが最終的に、結果として出てきたときとかはすごく嬉しいなって思います。
私はまだ自分1人だけで完全に1から100まで自分でやるっていうことがあんまりないんですけど、そういう時に、「まだまだだな」とか「いつきちんと1から100まで考えてできるようになるのかな」とか、いろんな思いを抱えながらやってます。

桂先生
 手術の話しばかりで申し訳ないですけど(笑)、専攻医始めて3年は、特に一番伸びる時期だと思うので、自分がどんどん上達していってることも実感しながらやってます。やはり頑張りを認めてもらえると、どんどん頑張れます。

ダヴィンチの操作 手術中の桂先生と谷田先生

谷田先生から見て、桂先生はどのような先生ですか。

谷田先生
 私は半年間、消化器外科にいました。当時指導医は違う先生だったんですけど、その時に桂先生が一番年齢の近い存在だったので、本当に良くしていただきました。桂先生の一番すごいところは、質問をした時に答えを返してくれないことがないんですよ。
もちろん迷うことはあると思うんですけど、そういう場合でも「まず◯◯だと思う」と返事をくれた上で、「でもこういう場合はこういうふうにしよう」とか、「これでうまくいかなかったらこうしよう」というように、常に選択肢を何個も持ってて、それが桂先生のすごいところだなって思います。

桂先生から見て、谷田先生はどのような先生ですか。

桂先生
 コミュニケーション能力がすごいですね。働いていく上で人間関係ってすごい大事だと思うんですけど、谷田先生のすごいところは、同僚にも上の先生方に対してもフラットに接していて、自分からちゃんと人間関係を築いて仕事をしようという姿勢がすごいと思います。
それは別に仕事だけの話ではなくて患者様とかコメディカルに対してもそういう姿勢を貫いているので、魅力的だなと思っています。

当直の体制を教えてください。

谷田先生
 私は救急外科当直に入っていて、外科系の『ちょっと指切ったとか、頭打ったとか、骨が折れたかもとか』、そういうのを一般的に診ているんですけども、私が救急外科当直で一番上にいて、下に研修医の先生が2人と、研修1年目2年目と、あと3年目の専攻医の先生がいます。先に研修医の先生が診察してくれて、相談を受けたりと最終的な判断を私がするっていう感じになっています。

桂先生
 私は消化器外科当直を行っていまして、救急の先生が見てくれた患者さんの相談相手みたいなことをやっています。トータルでみると、救急は相談相手・消化器外科は病棟対応みたいなものになりますね。

指導医のご指導はいかがですか。

谷田先生
 消化器外科時代も今の乳腺外科のときもそうですけど、どちらの先生方も惜しみなくアドバイスとか、こうしたらいいよっていうのを教えてくれます。やっぱりそういうのって教科書とかには載ってなくて、その先生がいろいろ試行錯誤して何年もかかって見つけたコツとかそういうのを出し惜しみせずに教えてくださります。

桂先生
 指導体制はしっかりしているし、その体制とかプログラム自体もしっかりしてると思います。特に学会発表とかそういう対外的なことも積極的にしていきなさいという姿勢なので、業務だけではなくそういう課外活動的なところも体験できるっていうのが魅力です。

カンファレンスはいかがですか。

谷田先生
 大阪赤十字病院はきっちりしています。カンファレンスの準備が大変で、ちょっと突っ込まれたりとかしたときに、うってなることもあるんですけど、その分自分の成長に繋がるので、最終的には良い経験をさせてもらっています。何のために行っているのかを気づかせてくれるという感じですね。
基本的なところから一通りカンファレンスで言わないと駄目なので自分が疑問すら持たずにスルーしてたところなどを指摘してくれたりするので、そういうところを潰せるのがいいかなと思います。

桂先生
 専攻医のときは、自身のやったことの後追いで『何をした』という理解しかできないことが多いんです。カンファレンスでは上の先生方からアドバイスをもらい『どういう思考過程で、どういう選択肢でこれを選んだのか』っていうのが、学べる良い機会になるので、そこは良いところかなと思います。

専攻医研修の病院を選ぶ初期研修医にメッセージをお願いします。

谷田先生
 大阪赤十字病院は、本当にいろんな診療科が揃ってる大きな病院なので、自分の患者さんが自分の診療から離れてしまったとしても、他科の先生から話を聞いたりとか、患者さんのことを最初から最後まで見れます。病院によって転院させたりすることもありますが、そうなるとその患者さんが気になってしまうことがあるんです。
それに比べ、大阪赤十字病院は、その患者さんの一連の治療の過程を最初から最後まで知る事ができるので、すごく勉強になるし大きく成長できると思います。

桂先生
 どこの病院を選んでも、選んだ病院の良いところを吸収できると思うんですけど、大阪赤十字病院を選んでいただくと、指導医の先生方をはじめしっかりしていますし、体制としてもかなり教育に力を入れているので、絶対後悔しないと思います。ぜひうちに来てください!

先生たちの集合写真

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