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国試過去問解説 2025-02-05

国試過去問解説 熱中症(112A20)

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112A20
22歳の男性。炎天下での道路工事の作業中に頭痛と悪心が出現し,会社の車で来院した。建設作業員。17歳時に自然気胸のため入院している。家族歴に特記すべきことはない。意識レベルはJCSⅠ-1。身長172cm、体重57kg。体温38.9℃。脈拍124/分、整。血圧96/48mmHg。呼吸数12/分。発汗なし。体幹部から末梢にかけて熱感を認める。瞳孔径は両側4mmで対光反射は正常である。臥位で頸静脈の虚脱を認める。心音と呼吸音とに異常を認めない。下腿に浮腫を認めない。輸液を受け、症状は軽快した。
同じ勤務に復帰する上で適切な指導はどれか。

答え
不正解

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炎天下での道路工事中に頭痛や悪心の症状があり、軽度の意識障害や高体温、熱感や脱水、輸液にて軽快していることから熱中症が考えられる。

a 塩分は適度に摂取する必要がある。スポーツドリンクばかり飲んでいても腎臓などに負担がかかると考えられるし、ふつうの水では塩分が不足しけいれんや水中毒など問題が生じると考えられる。

b いつから作業に復帰するか、作業の強度、作業の時間などは本人の状態次第であるが、一度重度の熱中症を発症した場合は、復帰した際に暑さに徐々に慣れていく慣らしていくなどの工夫が必要になってくると考えられる。よってbが正解となる。 c 暑い環境下で何時間か連続でがんばったあと、冷房の効いた部屋でクールダウンし、体を休めて適度な水分補給、休憩を行うことが熱中症を再発防止するうえできわめて重要であると考えられる。多飲などで線維化し、炎症が起こっている膵実質に負担をかける(膵液の分泌など)ため、低脂肪食(30~35g/日)とする。(アミラーゼ軽度上昇のため代償期の急性増悪と考えられる。急性膵炎の治療の一つが絶食であったことを思い出そう。) よってcが2つ目の正解となる。

d 建設作業は灼熱下、炎天下での作業になるので、熱中症の再発防止のためには、作業服に送風機が付いているなど、安全面を考慮したうえで可能な限り通気性の良い作業服を着用すべきである。

e 水分をとることで脱水防止と発汗による熱の拡散、尿の生成と排出による電解質バランスの調節などが行われ、熱中症の再発防止が期待できる。一度に大量にとるのではなく、何回かに分けるなどこまめにとるこが望ましい。
本記事の参考資料につきましてはこちらをご覧ください。

連載: 国試過去問解説