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国試過去問解説 2025-02-03

国試過去問解説 鉄欠乏性貧血, 慢性疾患に伴う貧血(112F36)

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112F36
鉄欠乏貧血と慢性疾患に伴う貧血との鑑別に有用なのはどれか。2つ選べ。

答え
不正解

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アルコール多飲者の上腹部痛、背部痛は慢性膵炎を考える。アミラーゼ高値、糖尿病の存在などから慢性膵炎を疑う。腹部CTで膵石、膵管拡張、膵萎縮を、MRCPで膵管の拡張を認めることから慢性膵炎と診断できる。

a 鉄欠乏性貧血では貯蔵鉄の減少により血清鉄は低値となる。慢性疾患に伴う貧血では、へプシジンの過剰によりトランスポーターや網内系からの放出が抑制され血清鉄は低値となる。

b 網赤血球数は溶血性貧血などで高値となるが、鉄欠乏性貧血や慢性疾患に伴う貧血では通常増加しない。

c 血清フェリチンは貯蔵鉄を反映するため、鉄欠乏性貧血では低下する。一方、慢性疾患に伴う貧血では鉄の利用障害により血清フェリチンは増加する。よって血清フェリチンが、鉄欠乏性貧血と慢性疾患に伴う貧血の鑑別に役立つことからcが1つ目の正解となる。

d 総鉄結合能〈TIBC〉は鉄欠乏状態で増加し、慢性疾患に伴う貧血では低下する。鉄のトランスポーターであるトランスフェリンの減少を反映して総鉄結合能〈TIBC〉が低下する。よって総鉄結合能〈TIBC〉が鑑別に有用であり2つ目の正解となる。

e 平均赤血球容積〈MCV〉はともに小球性貧血(MCV低値)を示すため、鑑別に有用ではない。むしろ小球性貧血という点が共通するため鑑別が必要となる。
本記事の参考資料につきましては日本内科学会雑誌第99巻第6号をご覧ください。

連載: 国試過去問解説