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国試過去問解説 2025-01-31

国試過去問解説 肺小細胞癌(112B38)

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112B38
50歳の男性。咳嗽を主訴に来院した。2か月前から咳嗽があり、他院で肺炎と診断され抗菌薬を処方されたが改善しないため受診した。喫煙は40本/日を30年間。意識は清明。身長175cm、体重78kg。体温36.5℃。脈拍88/分、整。血圧126/80mmHg。呼吸数15/分。SpO2 96 % (room air)。心音と呼吸音とに異常を認めない。血液所見:赤血球508万、Hb 14.8g/dL、白血球5,600、血小板25万。血液生化学所見:総ビリルビン0.6mg/dL、AST 10U/L、ALT 21U/L、LD 425U/L(基準176〜353)、尿素窒素14mg/dL、クレアチニン1.2mg/dL、CEA 2.9ng/mL(基準5.0以下)、SCC 1.2ng/mL(基準1.5以下)、ProGRP 350pg/mL(基準81以下)。CRP 0.3mg/dL。胸部エックス線写真と胸部CTとを別に示す。気管支鏡下生検で肺癌と診断された。
肺癌の組織型として最も可能性が高いのはどれか。


答え
不正解

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慢性的に続く咳については、感染症以外の可能性についてもイメージする。抗菌薬が効かないこと、年齢や喫煙歴などから肺癌を積極的に疑う。肺癌の組織型による特徴や画像診断から、肺癌の診断や肺癌の組織型のさらなる推定を進める。本問では腫瘍マーカーが決め手となる。

a 以前は大細胞癌に分類されていた組織型である。病理所見によらなければ診断できない点と、神経内分泌マーカー(NSEなど)が1種類以上陽性となることが条件であることから、マーカー以外に積極的な所見がないためaは×である。

b 喫煙者や男性に多く、中枢に起こりうる点などが合致するが、腫瘍マーカーでPro-GRPが上昇している点が合致しない。扁平上皮癌において上昇するマーカーはSCCやCYFRAなどである。よってbは×である。

c 喫煙者や男性に多く、中枢に起こりうる点が合致し、かつ胸部X線や胸部CTにおいて肺門部に腫瘤影がみられ、リンパ節と一塊になっている点、腫瘍マーカーのProGRPが上昇していることよりこの肺癌の組織型は小細胞癌であると考えられる。よってcは〇となる。 よってcが2つ目の正解となる。

d わが国では比較的まれな組織型である。好発部位は末梢であり合致しない。また特徴的な腫瘍マーカーはとくになく、喫煙との関わりも強いとはいえない。よって積極的にdを選ぶ理由はない。よってdは×。

e 腺癌は、喫煙との関連性は他の組織型と比べて低く、また好発部位は末梢、胸部X線で胸膜陥入像などをみる。腫瘍マーカーはCEAが上昇することがあり合致しない。よってeは×である。
本記事の参考資料につきましてはこちらをご覧ください。

連載: 国試過去問解説