国試対策

2023-11-06

消化器関連の問題

まずは医師免許取得!症例や問題を取り上げ、傾向と対策を分かりやすく説明しています。

今回は消化器系とくに消化管の代表的な問題を医療系の国家試験の問題を通して解いていきましょう。正解を二つ選ぶX2形式です。それでは行きましょう。

看護師国家試験 第106回 午後79問

胃食道逆流症について正しいのはどれか。2つ選べ。

a 食道の扁平上皮化生を起こす。
b 上部食道括約筋の弛緩によって生じる。
c 食道炎の程度と症状の強さが一致する。
d プロトンポンプ阻害薬が第一選択の治療法である。
e Barrett〈バレット〉上皮は腺癌の発生リスクが高い。

食道と胃の上皮の組織の違いを押さえておきましょう。食道は重層扁平上皮、胃は単層円柱上皮です。
重層扁平上皮は強い刺激にさらされてもよいように頑丈にできており、円柱上皮は吸収や分泌に適しています。
よって元々食道は重層扁平上皮ですのでaは×です。下部食道括約筋の弛緩によって生じるのでbも×。
内視鏡所見と症状が一致しないことも多く、このような場合は食道pHモニタリングを行うので、cは×です。
dのPPIは治療に用いられるので、dは正解。eに関して、Barrett食道は腺癌の発生リスクになるので正解。
よって答えはd,eとなります。では2問目です。続いていきましょう。

医師国家試験 第100回A26

36歳の男性。心窩部痛を主訴に来院した。10年前から十二指腸潰瘍の再発を繰り返している。
夜遅くまで残業することが多く、食事も不規則になることが多い。喫煙60本/日を15年間。
2週前から会社の決算期にあたり毎晩遅くまで仕事をしていたところ、心窩部痛が強くなった。
血液所見:赤血球454万、Hb 13.4g/dL、白血球7,800。血清生化学所見:尿素窒素14mg/dL、クレアチニン1.1mg/dL。13C尿素呼気試験陰性。
対応として適切なのはどれか。2つ選べ。

a 禁煙の指導
b 絶食の指示
c 酸分泌抑制薬の投与
d 非ステロイド性抗炎症薬の投与
e ヘリコバクター・ピロリの除菌

 喫煙は十二指腸潰瘍の増悪因子であるため、禁煙を指導する。よってaは正しい。
出血、穿孔、狭窄などの合併症がある場合はまずその治療を行うため絶食する場合はあるが、Hb値や症状の程度から出血、穿孔は考えにくい。
よってbは×である。cはPPIによる治療は行うので正しい。
dのNSAIDsは消化性潰瘍の二大要因であるので、潰瘍を悪化せせる可能性があるので禁忌である。
eについては、13C尿素呼気試験陰性からH.
pyloriの感染は考えにくいので×となる。よってa、cが正解となる。続いて3問目です。

薬剤師国家試験 第108回 問188

クローン病に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。

a 好発年齢は40〜50歳代である。
b 大腸に限局した炎症が認められる。
c 初期症状として、便秘が認められる。
d 増悪期に、CRP値の上昇が認められる。
e 特徴的な内視鏡検査所見として、敷石状潰瘍がある。

aは、クローン病の好発年齢は10歳代後半から20歳代なので、×です。
bについて、大腸に限局した炎症が認められるのは潰瘍性大腸炎です。
よって×。cに関して、初期症状として腹痛、下痢、発熱、体重減少などが認められます。
dについては、貧血、白血球の上昇、CRPの上昇、赤沈亢進などがみられます。よってdは正解。
eにおいては、内視鏡所見として縦走潰瘍や敷石像(cobblestone appearance)、組織像として非乾酪性類上皮細胞肉芽腫がみられるので、eも正解である。よって正解はd,eとなる。
 さていかがでしたでしょうか。最近の医師国家試験においては診断をつけて、同じ病気でも状態によって治療を選択する問題が増えています。
そういう問題も診断を間違えると治療も解答を選ぶことは困難です。まず基本的な知識をしっかりと身に付け、自分が受ける国家試験に対応できる力をつけていきましょう。
今日はここまでです。読んでいただき有難うございました。

時間のある方は参考資料として

関連資料はこちら (jst.go.jp) をご覧ください。

著者プロフィール

ペンネーム:まる
プロフィール:近畿一円をまたにかけ、
ある時はクリニックで総合内科診療を、ある時は上場企業で産業医を、また様々な会社の健康診断の診察医も務めている。
日々の診療を行いながら、CES医師国家試験予備校で、「気づきのあるインプットと自力のアウトプットがある授業」
をモットーとして学生の指導に当たっている。僕のコラムが何らかの形で皆様の力になれば幸いです。一緒に頑張りましょう!