後期研修医インタビュー

国立病院機構

熊本医療センター

熊本県熊本市中央区二の丸1-5

名前 深水 浩之 先生
出身地 熊本県球磨郡
出身大学 岩手医科大学
医師免許取得年度 平成28年度

医師を目指したきっかけをお聞かせください。

高校時代から将来の目標などがなく、医学部どころか、大学進学もどうするか考えていなかったんです。高校を卒業してから、毎日ふらふらしていましたが、父親と姉が医師というのが影響し、本気で医学部を受験してみようと思い、一念発起して勉強して医学部に進学しました。

学生生活はいかがでしたでしょうか。

ある程度、歳をとってから医学部に入ったのですが、とても楽しい学生生活を送りました。部活動はしておらず、夜は同年代の友達と飲んでいました。勉強も特に臨床が始まってからは楽しくなってきましたし、学生生活の6年間は大変充実したものでした。

初期研修で熊本医療センターを選んだ理由について、教えてください。

出身が熊本で、大学は他県に行ったのですが、初期研修は熊本に帰って来ようと4年生のときから考えていました。5年生になってから病院見学を始めて、当院に来たときに、ファーストインプレッションで決めたというのが強いです。研修医の先生方が伸び伸びと研修をしているのが分かりましたし、指導医の先生方とも気軽にコミュニケーションを取れそうな雰囲気で、良い病院だなと直感し、すぐ決めましたね。私は研修医のときにできるだけ三次救急の症例を経験したい気持ちがあったんです。当院は救急車の受入台数が全国でもトップクラスでもあることから、一番いい研修先だと思いました。

初期研修はいかがでしたか。

1年目は分からないことばかりで、勉強してきたことをすぐ活かすというのもなかなか難しかったので、毎日が必死でした。特に夜勤は初めから重症の患者さんが救急車でバンバン運ばれてくるようなところですから、ついていくのに必死でした。ただ指導医の先生達が細かいところまで指導してくださるので、とても頼りになりましたし、勉強になることが多かったです。研修医同士も皆、仲が良く、お互い励まし合いながら過ごしました。

救命救急科を専攻された時期と理由をお聞かせください。

同期の研修医の中でも進路を決めたのは一番遅く、1月に入ってからです。2年目が始まった頃は消化器内科に行くつもりでいたのですが、その後、救急が面白くなっていきました。初療は面白いけれども、全ての診療科の先生が納得する初療を行うのは難しいことだし、遣り甲斐もあると感じました。全身管理と集中治療を学びたいという気持ちが強くなってきましたし、救命救急科にはそれを実践している指導医の先生方も多いので、そういった先生方のもとで勉強できるなら幸せだと思って、選びました。

後期研修先も熊本医療センターを選ばれた理由はどういったことですか。

当院以外の病院に興味がなかったわけではないのですが、救命救急科の部長と何度も面談しましたし、私の育成方針について、色々なお話をいただいて、救急医としてのスキルをつけるのに、当院はもってこいの病院だと感じました。ほかの病院は何でもできるようになってから探せるという思いがありました。救急を目指したというきっかけになる憧れの先生方もおられる現場にそのまま残ろうと考えました。

熊本医療センターの救命救急部の特徴を教えてください。

一番の特徴としては24時間365日断らないということで、それを本当に実践できている病院です。実践できているからこそ、軽症から重症まで幅広い症例が集まる病院ですし、初療から病棟で入院を持つ患者さんまで、幅広い勉強ができるのが特徴です。救命救急医の一人一人が、軽症に対しても重症に対しても高い意識を持って診療に携わっている病院なので、上の先生から学ぶべきことは多いですね。

初期研修医と専攻医になられた時の違いはなんでしょうか。

一番変わったのは責任感の大きさです。入院患者さんの最初のICから治療方針まで全部自分で考えますし、もちろん難しい症例や不安な症例は相談に乗ってもらうこともありますが、基本的には自分一人の判断で治療方法を考えています。初期研修でも責任感を持って仕事はしていましたが、守られているという意識もあったので、専攻医である今とは違います。その責任感の延長なのですが、患者さんのご家族の社会的背景や転院調整、転院後はどういった治療を行っていくのかなど、そういうところまで考える機会は初期研修のときにはありませんでした。遣り甲斐はありますが、責任感も非常に大きいですね。

初期研修の時と違って、一番勉強になっているのはどんなことですか。

救急外来に関しては初期研修医のときから初療に携わっていましたが、初療から各科の先生に繋ぐマネージメント能力を向上させることが一番勉強になっています。初期研修医のときにはしていなかったので、そういったところをよく勉強しています。各科の先生に納得してもらえるような初療を考えながらやるという経験を積んでいると感じています。

専門研修での遣り甲斐や楽しいこと、辛いことはどういったことですか。

自分一人の判断で患者さんにICをして、治療方針を考えてやっていけるのが楽しいです。研修医のときは治療方針を考えてもいいと言われていましたが、どうしても指導医の先生ありきで、最終的には指導医の先生が考えていました。今は責任がありますが、とても遣り甲斐を感じています。辛いときはあまりありませんが、若い患者さんが救急外来に運ばれて来て、難しい状態で助からないときに辛い気持ちになることはあります。仕事できつくて辛いというのはあまり今のところ感じていません。

初期研修医を指導にあたって気をつけていることはありますか。

指導医だという気持ちは全然ないのですが、私も当院で研修していたので、研修医が最初に何に悩むのか分かる、近い存在だと思います。基本的に救急外来はできるだけ初期研修医の先生にファーストタッチを任せるのですが、指導することによって、私も勉強しないといけないという気持ちにさせてもえるので、いい刺激になりますね。

指導医の先生方のご指導はいかがですか。

最高ですね。救急に入ろうと思った一番の理由は、指導医の櫻井先生への憧れです。自分で患者さんを持つようになって、分からないことがあったらまずは自分で勉強するのですが、それでも不安なことがあるときにはどんなときでも必ず先生方に相談するようにしています。たとえ夜中でも熱心に指導してくださるので、非常に助かっていますね。救命救急科に限らず、熊本医療センターは他科の先生方も色々なアドバイスをしてくださいます。他科の先生方もやさしい先生ばかりで、非常に診療しやすいです。

専門研修プログラムの内容はいかがでしょうか。

外来診療をはじめとして、病棟の診療も任せてもらっていて、充分な症例数と処置の数を経験できていると感じます。今後は学術活動やJATEC、ICLSコースへの参加を考えています。これからどういった領域に興味をもっていくのかまだ分からないのですが、興味を持った手技の修得のために、当院の他科で研修を行わせていただくこともできるので、私がやりたいプログラム内容になっていると思います。

カンファレンスについてお聞かせください。

救命救急科は毎朝入院の症例の発表があります。ほかの科よりカンファレンスの数が多く、昼にもカンファレンスがあります。例えば何か処置があるときには皆で集まって、「この人にこの処置は適しているのか」という意見を出し合ったり活発なカンファレンスが行われています。困ったことを色々な先生に相談できる場なので、カンファレンスが多くあると有り難いです。

看護師の方を含め、コメディカルの方との関係はいかがですか。

良好な関係だと思います。初期研修を2年間しているので顔見知りも多く、看護師さんは、私が気づかない細かい所を気がねなく意見してくださいます。また、薬剤師さんも薬の使い方などについて電話で助言してくださいますので、非常に助かっています。

オンとオフの切り替えはしっかりとできていますか。

自分の患者さんが落ち着いているときには飲みに行ったりしていますが、今はオンオフをきっちり分けて仕事をしようとは考えていません。救急外来だけならオンオフをはっきり付けることも可能ですが、入院患者さんもいますし、集中治療もやっていますから、オンオフをしっかりつけることはなかなか難しいです。

今後のキャリア形成について、お聞かせください。

今のところはずっと救急医としてやっていきたいという気持ちでいます。興味ある分野に関しては他科で研修させていただくこともできるし、色々と勉強していきたいこともあります。災害医療や病院前救急医療も勉強したいですし、最終的には、どんな形であれ熊本の救急医療に関わっていきたいと思っています。

熊本医療センターとはどんな病院ですか。

24時間365日断らない救急というのをモットーにやっていますので、忙しいですが、初期研修医が軽症例から重症例まで幅広く経験することができる非常に良い病院です。救急車受入台数は年間9000台ぐらいで、ウォークインも入れると2万人弱の救急患者さんが来られます。他科の先生方とも連携は良いですし、病院全体で救急医療を行う雰囲気もあるので、研修医にとってはとても勉強になる病院だと思います。

研修先を検討されている初期研修医の皆さんにメッセージをお願いします。

やっていて一番楽しい科に行くのがいい選択なのではないでしょうか。地域性もありますが、他県に比べて、熊本は救急をやりたい人が少ない県だと思います。しかし救急医療は非常に大切ですから、誰かがやらないといけないというところに面白さを感じるはずです。救急を2、3年やってみようかなぐらいの感覚でもいいから、熊本医療センターで救急をするのはお勧めです。圧倒的に症例数が多いので、ここで救命救急を経験するメリットは大きいですし、指導医の先生方は優秀な先生ばかりです。救急に対して熱いハートを持っている先生ばかりで、救命救急科はとても明るくて楽しい雰囲気ですよ。院長も救急医なので、病院全体として救急を頑張ろうという雰囲気が強い病院ですから、救急医を目指す病院として最高の環境が整っています。

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