後期研修医インタビュー

愛媛県

愛媛県立中央病院

愛媛県松山市春日町83番地

名前 中岡 裕(ひろし)先生
出身地 愛媛県八幡浜市
出身大学 徳島大学
医師免許取得年度 2016年度

医師を目指したきっかけについて、教えてください。

小さい頃から獣医になりたくて、獣医を目指して浪人をしていたんでですが、その浪人中に身内が病気になりました。しかし、身内に医療従事者や関係者がおらず、皆が不安を抱えていたので、医療従事者がいれば安心するのかなという軽い気持ちから徐々に医師への思いが深まっていきました。私の地元は医師不足で悩んでいる地域でもあるので、少しでも力になりたいと考え、医師を志しました。20歳の頃ですので、皆よりは少し遅い時期の決断でしたね。

学生生活はいかがでしたか。

何科の医師になりたいといった目的意識が強いわけではなかったので、医療に直結しない授業ではあまりやる気のある学生ではなかったです。4年生、5年生になって、臓器別の勉強や実習などで患者さんと触れ合う機会が増えてくると、医師という仕事が確かなものになってきました。いい仕事なのだから頑張っていこうという気持ちが湧いてきましたね。私は中学、高校と軟式テニスをしており、大学でも軟式テニス部に入ったのですが、半年ぐらい経った頃に膝を悪くして辞めてしまったんです。でも、いい仲間に恵まれたので、ずっと楽しく大学に通えたのかなと思っています。

初期研修で愛媛県立中央病院を選んだ理由について教えてください。

私は愛媛県八幡浜市の出身で、最終的には地元に戻りたい気持ちがあったので、大学のある徳島ではなく、愛媛で研修をして、あとに繋がる人脈づくりや患者さんとの触れ合いをしようという希望がありました。それで学生時代に当院で6週間の実習をさせていただいたのですが、上の先生方や看護師さん、作業療法士さんなど、色々な方から良くしていただき、この病院がいいと思ったんですね。中四国で5本の指に入る病床数がある大きな病院ですし、多くの疾患に関われるのは私に合っていると考え、当院を選びました。

内科を専攻された理由をお聞かせください。

最初は整形外科に憧れていたのですが、初期研修の2年目に内科に変えました。私は割と特殊で、2年目の研修では4カ月、外の病院にいたんです。地域の病院に1カ月ずつ行かせていただいたときに整形外科も地域に必要だけれど、内科も必要だと思いました。病室や病棟での患者さんとの関わり方に惹かれたんですね。2年目の秋頃、専攻医募集の締め切り間近の時期でした。

専門研修先を愛媛県立中央病院に決めた理由を教えてください。

当院で卒後3年目以降も研修すると決めて初期研修にきたのではなく専門研修先としてそこまで深く考えていたわけではありません。専門医制度が大きく変わり、愛媛県では大学病院か当院で研修しないことには専門医への道が険しくなりました。当院のプログラムは4年目に地域に出ることができますが、地元の八幡浜病院や西予市民病院も選択肢にあったことが良かったです。初期研修のときに西予市民病院で研修したときに勉強になったことが多く、地域での研修があるのなら、当院のプログラムがいいなと思いました。また、当院は総合診療科で週に1回の外来ができます。初診の方への外来の面白さを実感していましたし、なおかつ全科が揃う総合的な病院であったことが大きな理由です。

初期研修から続けて県立中央病院で専門研修をするメリットは感じられますか。

私たちの業務は人と人、もしくはパソコンですから、パソコンと電子カルテに既に慣れていることがメリットでしょうか。また、何か困ったことがあったときに何科のあの先生に相談しよう、ここに聞けば何とかなるということが分かっているので、不要なストレスを感じることなく、専門研修にすっと入っていけました。医師としての仕事以外のことでも病院の勝手が分かっていることが多いため、煩わしいことが少ないです。私のこともどういう人だとか、どういうところが駄目なのかを周りの皆さんが分かってくださったうえで気にかけていただいていますので、甘えもあるかもしれませんが、とても働きやすいです。

専門研修プログラムの内容はいかがでしょうか。

当院の専門研修1年目のプログラムは志望科以外の6つのメジャー内科を2カ月ずつ回ると決まっていますが、私は1つの科をもう少し長く回りたかったので、少しわがままを言い、4科を3カ月ずつにしてもらいました。そういうふうに、当院ではこちらの意見を柔軟に取り入れてもらえるし、可能な範囲で自由に組み替えることができます。また、外来で診た患者さんを入院させた場合は回っている科に関係なく、入院をとれるのは症例に偏りが少なくなるという良い面がありますね。

初期研修と専門研修との違いについて、お聞かせください。

初期研修は上の先生について、上の先生の治療の後追いをしたり、初期研修医が提案をするけれども決定するのは上の先生だということが多かったので、責任感はそれほどなかったように思います。専門研修では主治医として診ますので、上の先生がついてくださってはいますが、自分で診断して、どういう治療をするのか、どこまでの期間で治療するのかといった治療計画を自分で立てていかないといけません。初期研修のときには術後や退院後のフォローなども考える機会があまりありませんでしたが、専門研修では患者さんの家族やその背景、生活面や金銭的な面などを含めた今後についてのことを考えることが多くなりました。他職種とのカンファレンスに参加させていただく機会も増え、病気だけを診るのでなく、人を診るといった、より全人的な医療が少しずつできるようになったのかなと感じているところです。

指導医の先生のご指導はいかがですか。

とてもいいですよ。私は上の先生にあまり迷惑をかけたくないタイプで、自分で解決してから相談したり、分からないことがあってもすぐに聞かずに調べてからだと心がけているのですが、上の先生方からお声をかけていただいたり、一人にしないように気を遣っていただいたりしています。悩んでいることに対して、答えを言わないにしても、ヒントをくださったり、当直帯でも「何かあったら、すぐに電話くれてもいいよ」と言ってくださいますね。また、休めていないときには「休んでるか」、「午後から休んだらどうだ」と声をかけてくださる指導医の先生方もいます。私は多くの科を短いスパンで回りましたので、科が変わっても色々な先生方が気にかけてくださるし、面倒見の良い病院だと思います。

専門研修で一番勉強になっているのはどんなところですか。

専門研修1年目、2年目でも治療自体はできるのですが、3年目では患者さんが本当に望んでいることやその後の生活などを含めた、より深い医療を責任を持って行わなくてはいけません。患者さんやほかのスタッフからの見る目も変わってきますので、私の動き方や働き方が変わっていくように思います。学ぶことに関しては初期研修と大きく異なるわけではないし、調べれば同じことが答えとして出てきますので、自分が得られる知識にほとんど変わりはありませんが、そこでどう動き、働くかということですね。

研修で楽しいことはどういったところですか。

患者さんが良くなることが一番楽しいですが、その後の外来で出会ったり、すれ違ったときにお声がけいただくときも楽しいです。私が考えた治療プランが上の先生とも合致し、「OK。じゃ、これでいこう」となったときも「よしっ」という瞬間ですね。

研修で辛いところはどういったところですか。

辛いことは慣れないこともそうですが、自分で治療を決める作業が患者さんの生死を分けると考えてしまうことですね。それは非常に難しいことですし、どんな文献を読んでも確実と言えるものがなく、それでも決めないといけない場合に辛さがあります。

研修中に心がけていることについてお聞かせください。

こういう大きな病院だからこそですが、私のところで受診してくださった方は私を見て受診を決めたわけではなく、病院で決めて受診してくださったので、そういう意味では期待にそぐわないよう、患者さんの希望に沿った検査をしたり、見落としがないようにということを心がけています。また、実際に診療するにあたって、患者さんと目線を合わせることだけは絶対にしようと思っています。回診でも立ったままではなく、ベッドに横になっている方と目線を合わせるためにしゃがみますね。医療は自分たちが何かするだけでは治りませんし、患者さんと一緒に作るものです。今後の生活では患者さんにも気をつけてもらわないといけないこともあるし、我慢してもらわないといけないこともありますから、対等の立場でお話しするためにも目線を合わせることを心がけています。

看護師の方を含め、コメディカルの方との関係はいかがですか。

患者さんのことでお願いしたことを快く受けてくださったり、フランクに何でも相談できます。コメディカルの方も私たちが気づかないようなことを気づき、すぐに教えてくれるので、そこから治療がうまくいくこともあります。患者さんがストレスを溜め込むのを未然に防ぐなど、助けられている部分が大きいですね。リハビリのスタッフの皆さんも「今、こういうリハビリができているよ」、「このままでは明日から厳しいから、一度転院した方がいいね」といったお話をしてくれます。薬剤部のスタッフもお薬がおかしいときにはすぐに電話をくださるので、有り難いです。

オンオフの切り替えはしっかりできていますか。

当院のいいところでもあり、悪いところでもあるんですけど、宿舎が敷地内にあるので、どこにいてもPHSが届くんです(笑)。通勤もないので、あまりオンオフがないかもしれません。ただ、その生活を初期研修のときから続けているので、特にストレスはないですね。オフの日は運動したり、前日に何か美味しいものを食べに行くことが多いです。日曜日は誰かと一緒に食事に行くなど、普段は病院内の行き来しかないので、病院外に出るようにしています。

今後のキャリア形成についてのお考えをお聞かせください。

今は消化器内科を勉強したいです。地域医療で外の病院に行ったときに消化器疾患の多さを認識したことと、カメラを武器にするまではなくても地元に戻ったときにできた方がいいと考えたからです。診断や治療がひとまずでき、根拠を持って紹介できることを目指しています。ただ、一番したいのは一般内科ですので、専門研修3年間で一般内科医として働けるようになり、後には消化器内科でカメラをできるようになってから、地元に帰れればと思っています。

研修先を検討されている初期研修医の皆さんにメッセージをお願いします。

当院ではコモンディジーズから難しい疾患に至るまで、ほぼ全てを診ることができ、多くの疾患や患者さんに触れ合えることができます。やる気のある人はそのやる気をさらに深められ、やる気がそこまでないという人でも、目的意識がどうであっても、数をこなせばこなすほど、経験を積めば積むほど、ある程度のレベルまでは力がついていきます。指導医の先生方は優しく、常に初期研修医や専攻医のことを考えてくださっています。コメディカルの方々もこれまで多くの初期研修医や専攻医を育て、関わってこられたので、扱いに慣れておられますから、とても働きやすい病院です。

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