後期研修医インタビュー

熊本赤十字病院

熊本県熊本市東区長嶺南2丁目1番1号

名前 濱 義明 研修医
出身地 鳥取県境港市
出身大学 長崎大学
医師免許取得年度 2015年

医師を目指したきっかけをお聞かせください。

医師を目指すつもりはなかったのですが、高校3年生のときに恩師の先生に「人の役に立つ仕事が向いているから、そういう仕事をしなさい」と言っていただいたのがきっかけで医学部を志望しました。たまたま周りに医学部を目指すモチベーションが高い同級生が何人もいたので、それに引っ張られるうちに、いつの間にか私も自然に目指していました。

長崎大学を目指したのはどうしてですか。

私は鳥取県出身なのですが、高校に入る前に長崎に移住し長崎の高校に進学したんです。国際医療に携わりたいという思いもあり、熱帯医学研究所がある長崎大学が魅力的に映りました。

学生生活はいかがでしたか。

色々なことに手を出していました。部活動はバスケットボールで、国際医療サークルにも入り、法医学教室にも通っていました。バスケットボールは小学校・中学校とやっていたのですが、大学では他大学と試合をしたり交流を深めたりして、幅広い友人関係を築けましたね。国際医療に関しては長崎大学に基地があるカザフスタンやベトナムに実際に行って、海外の現状を知ることができました。長崎大学が世界の中でどういうことをしているのかを見ることで、景色が広がったように思います。法医学研究については、3年生のときの「リサーチ」という組織基礎研究の時間に3カ月間お世話になったのがきっかけで、日々の解剖に携わらせてもらったり、小児虐待の例を見せてもらったり、基礎研究の論文も書かせていただきました。「つまみ食い」のような形ですが、良い経験になりました。

初期研修医先を福岡徳洲会病院に決められた理由をお聞かせください。

福岡徳洲会病院は救急医療が有名です。初期研修医が中心になって1万台近くの救急車が来るような救急医療に携わっていく中で色々な症例が診られることと、早いうちに責任感を持って患者さんに接することができそうだったので選びました。高校時代や大学時代に地域国際医療を勉強するたびに、日本の地域医療にも少し興味が出たんですね。徳洲会は離島地域に病院をかなり持っていますので、離島の病院に見学に行かせていただき、その土地に合った医療を考えていくところも良かったです。

初期臨床研修の2年はいかがでしたか。

当直回数が多く勤務時間も長いので、ものすごく忙しかったです。同期は12人いましたが、部活動のような感じで当直室に一緒にこもって何日も徹夜したりしました。拘束時間が長く忙しい日が多かったですが、楽しく研修できたと思っています。

後期研修先を決められた時期はいつ頃だったのでしょうか。

私は遅くて、初期研修2年目の7、8月ぐらいでした。私は救急医療に携わりたかったので、地域にこだわらず全国の病院に見学に回っていました。後期研修プログラムが載っているガイドブックを参考にして、自分がやりたいことをピックアップしたり、先輩からの口コミも頼っていましたが、どの病院の特徴も魅力的でなかなか決めきれなかったんです。そんなときに徳洲会病院の勉強会で、熊本赤十字病院の加藤先生、大高先生、同期で女性の川口先生とお話をさせていただく機会があったんです。そこで熊本赤十字病院はERだけではなく、災害医療やプレホスピタルケアなど、様々なところに力が入っていると感じました。先生方の感じや雰囲気も良かったので、3年間お世話になろうと決めました。

後期研修先を熊本赤十字病院に決められた理由を教えてください。

熊本は出身地や大学のある場所ではなく縁がなかったのですが、土地としてはとても好きで大学時代に阿蘇や天草に遊びに行ったりしていたんです。ご飯も美味しく人も温かいので、個人的には非の打ち所がない場所ですね。病院としても規模が大きく充実していますが、熊本地震のときに中心的に動いた病院というのは大きかったです。テレビや本でも学びましたし、そういったタイミングで熊本に来るのは自分を成長させるチャンスだと思いました。

救急科を専攻された理由をお聞かせください。

救急科を目指したのは、もちろん救急が好きだったというのもあるんですが、脳神経外科や循環器内科などの急性期診療科をかなり悩んで決めきれなかったというのもきっかけです。「救急は浅く広くで、何もできない」と思われがちですがそういうことはなく、多数押し寄せてくる救急車の患者さんをタイムマネージメントをしながら診たり、転帰をつけたり、時間の猶予がない患者さんに迅速な判断をするなど、緊急性のある中で働くことも魅力ですね。突然来院された患者さんを救えないときもありますが、私たちが少しでも長く患者さんとご家族との最後の時間を作ることができればと思っています。

熊本赤十字病院の救急科の特徴はどんなところにありますか。

熊本は保守的で、熊本大学出身でないといけないという噂を聞いたことがありましたが、当院に見学に来てみたらそういうことは全くありませんでした。他県や他大学出身の先生方が多く、私のように熊本に関係ない人でもすんなり入れます。後期研修医に若手医師が多く、活気のあるERであることもいいですね。私もこの中なら高いモチベーションを持ちながら診療できるのではないかと思いました。

後期研修で一番勉強になっているのはどんなことですか。

後期研修医になってまだ1年目なので、足りない面がありながらも初期研修医に指導しないといけません。指導を受ける側、指導する側の板挟みのような、難しいところにいることを実感しています。しかし、徳洲会病院にはなかったプレホスピタルケアやICUなどの学ばないといけないことが多くあるので、知識を増やしていくことも大変です。

後期研修で辛いところはどういったところですか。

幸いあまりないですね。微妙な難しい立場にいるということ以外は特にストレスなく、日々の診療を楽しくさせてもらっています。

指導医の先生方のご指導はいかがですか。

初期研修と比べて後期研修になるとそれなりに責任も出てきますし、ある程度自分の裁量権を持って診察にあたらせてもらっています。しかし、私が間違えそうになったり、少し違う方向へ行こうとしていたら、指導医の先生がタイミングよく捉えてくれて適切に指導をしてくださいます。自分の考える時間もありますし、教わる時間もあるのでバランスの良い指導を受けていると思います。

初期研修と後期研修との違いはどんなところにありますか。

一番大きいのは責任感ですね。初期研修のときは後期研修医や指導医の先生がカバーしてくれるだろうと自由にやっていたところもあるんですが、後期研修医になると初期研修医の責任を負わなければいけないですし、ERのフロアを見渡せるような立場にいないといけないということもあります。単に診療に向かうだけではなくて、ERが回るかどうかのマネージメントをしたり、患者さんの「家に帰れるかどうか」とか「家の環境はどうだろうか」といった社会的要素まで踏み込んだ診療が必要になってきます。

不明な点や不安な点などの悩みごとについてはどのように対処されていますか。

指導医の先生が診療の面はもちろんですが、生活の面に関しても本当に気さくに相談に乗ってくださるんです。その都度ある程度は解決できるので、あまり溜めずにいられます。それが日々の診療であまり辛く感じていない理由なのかもしれません。

看護師の方を含め、コメディカルの方との関係はいかがですか。

ERの看護師さんは少し怖いです(笑)。萎縮しそうだと思うこともありましたが、良い意味で対等なんです。医師だから偉いとかベテラン看護師だから偉いということではなく、同じ立場で患者さんに向き合っていこうとしています。たまに飲み会がありますし、合同のカンファレンスもあり、人間的にも診療する面でも良い関係になっています。

カンファレンスについてお聞かせください。

毎週木曜日に救急科のカンファレンスがあり、日々の問題点や症例の問題などの振り返りを行っています。先輩後輩に関わらず、初期研修医も後期研修医も意見を言う場があり、指導医の先生方も若手医師が言ったことを拾って、改善するところがあればそれを挙げてくれるので有り難いです。月に1回ずつ、小児科や外傷などの他科とのカンファレンスもあり、診療面での疑問がある点を他科の先生方にぶつけられる機会になっていますので、充実しています。

オンとオフの切り替えはしっかりとできていますか。

しっかりできています。勤務は8時から20時、もしくは20時から朝の8時までと、2交代制です。勤務の終わりのときには次の勤務の人への引き継ぎを全員が集まって行いますので、フロアの中にどういった人がいるのかを把握できます。自分が迷ってしまっている患者さんがいても、次の先生に引き継ぐときにアドバイスもいただけます。オフの時間は子どもがまだ6カ月なので、元気があれば妻と子どもをどこかに連れていったり、妻が外出するときは子守りをしてみたりしています。

今後のキャリア形成についての考えをお聞かせください。

基本はやはり救急医をずっと続けていきたいと思っています。その中で内科や外科などの他科の研修をさせていただきたいですし、プレホスピタルケアや災害医療、ドクターヘリ、地震時の初期対応なども勉強していきたいです。私は高校のときに長崎県に移り、両親も長崎に住んでいますので、いずれは長崎の医療に携わりたいという思いもあります。長崎は離島が多く、無医村もありますので、救急医としての働き方や地域への貢献の仕方を考えながらしっかりと学び、キャリアを形成していきたいです。

熊本赤十字病院とはどんな病院ですか。

地域の中で信頼され注目される病院なので、責任を持って診療をしなければいけません。そういう面では少しプレッシャーのある病院ですね。救急科に関しては救急車も8千台近く、ウォークインも6万人近く来ますが、救急医療に理解がある病院ですので、バックアップされながら自分の診療に従事できる病院です。症例自体が多いので、勉強する機会や自分を磨くチャンスがいくらでもあり、駆け出しの救急医として勉強するには非常に良い病院だと思います。

研修先を検討されている初期研修医の皆さんにメッセージをお願いします。

私は救急科を選択しましたが、熊本赤十字病院は内科も外科も指導医やスタッフが充実し指導体制が整っています。熱意のある若手医師も多く、上と下のコラボができている熱い病院です。救急科をアピールするなら、他科に負けない熱意のある医師が多数いること、6万人の症例があること、ERのみならず、プレホスピタルケアや災害医療などの幅広い分野を勉強できる機会があることです。救急医として救急科に入ったものの、先のキャリアがはっきりしない人、救急科の中でどういったサブスペシャリティを持って勉強すべきか悩んでいる人にもいい病院ですよ。色々なことを経験できますのでお待ちしています。

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