後期研修医インタビュー

社会医療法人財団 池友会

新行橋病院

福岡県行橋市道場寺1411

名前 菱川 賢 先生
出身地 岡山県総社市
出身大学 宮崎大学医学部

医師を目指したきっかけをお聞かせ下さい。

 父親が、医科大学の附属高校の教師をしていた関係で、医学生が家に遊びに来たりする環境にあって、医学を志す人を身近に見ていたということもあるし、もうひとつは、母親が病気によって、耳が聞こえなくなって、それを何とかしてあげたいという思いから、医学部を目指すようになりました。

学生生活はいかがでしたか。

 野球部に所属しておりまして、まあそのせいで余分に勉強しましたけど(笑)
 西日本医科学生体育大会というのが夏に一回あるんですが、その決勝に4回すすみました。
 スポーツに関して言えば、とても充実した大学生活でした。

臨床実習はいかがでしたか?

 ポリクリは5年生からはじまるんですが、僕らの年になってはじめて、6年生になった4月に自由選択で、4つか5つの好きな科を回ることが出来るシステムができまして、宮崎県内で大学の関連病院もしくは協力していただける病院に1ヶ月出ようと思えば出れますし、例えば東京の病院で実習したいと思えば、自分で連絡を取って行くことも出来ました。
 私はマイナーな外科系が希望だったので、耳鼻科や泌尿器科を大学内だけで回らせていただきました。とても勉強になる良いシステムだったと思います。

大学卒業後、研修先に大学病院ではなく新行橋病院に決めた理由をお聞かせください。

 当初、私は大学に残ろうと考えていました。なぜこうなったかと言いますと、新行橋病院の現副院長でいらっしゃる正久先生が野球部のOBでいらっしゃいまして、年に1回野球部のOB会で何度かお会いするうちに、ある時、「うちのような地域医療に根ざした病院にも、あなたのような若い力が必要なので、ぜひ来てくれ」とおっしゃっていただき、私も考えまして、2年間はいろいろな患者さんが来る、救急を見てみたいと思うようになり、お世話になる決心をしました。

臨床研修医制度必修化後、最初の修了者である先生の初期研修時の研修内容を振り返って見ての感想を教えてください。

 ご存知のように、内科も外科も、全ての科において細分化しているため、この2年間で様々な症例をみることができましたし、うちの病院には、小児科・産婦人科・精神科がありませんので、外の病院でも研修できました。今現在は泌尿器科を専門におこなっておりますが、このように非常に充実した研修を経験することができたのは、今現在を含めて今後も必ず役に立つと考えておりますので、満足しています。

新行橋病院の後期研修プログラムの特徴についてお話し頂けますか?

 いろいろな病院が様々なプログラムを発表していますけれど、新行橋病院の一番の特徴は決められたプログラムどうりに研修をおこなわれるのではなく、臨機応変に対応していただけるというところです。私たち研修医の意向を汲める限り汲んでくださって自由なプログラムを組めるところが大変ありがたいですね。例えば関連病院が4つあるんですが、そのうちの病院で週に1回は手術に行きたいと言えばそのとうりに組んでいただけますし、私の場合、泌尿器科を専門に回っていますが、手が空いた時に外科の手術に立ち合わせていただいたりもしています。

専門を泌尿器科に決めた理由は?

 いろんな科を研修するなかでこの病院で泌尿器科の素晴らしい先生と出会いました。泌尿器科であつかう臓器の数は限られています。泌尿器科の専門医は全国で5000名くらい、医師の約3%に過ぎません。それだけ誤解されている部分もあると思いま す。誤解の最たるものは、泌尿器科は「患者さん男性ばかり」とか「性病の人が行くところ」という古いイメージです。しかし、泌尿器科の患者さんの3人に1人は女性です。また、性病(今は性感染症といいます)の患者さんはほんの一部に過ぎません。しかし、そこにおこるあらゆる種類の病気を 扱います。その先生は、治療の仕方でも、手術をして治す外科的なところと、薬や生活指導で治す内科的なところを、巧みに使い分けしておられました。そのために、泌尿器科は他の分野に先んずるような近代的な要素をもっている魅力のある科目であると教えられました。恩師に恵まれたということですね。

新行橋病院での研修はイメージ通りですか?(良い点、改善して欲しい点はありますか?)

 完全にイメージどうりと言えます。手術症例が年間およそ2,000例行われていますので、指導医の先生にそばに立っていただいて手技的なことも積極的にやらせていただいています。
 どんどん技術を吸収することが出来ますので、不満な点や改善して欲しい点はありません。

ジュニアレジデントへの指導は、どういうことに気をつけていますか?

 泌尿器科を回ってくる初期研修医が今のところいませんので、そういう面で、泌尿器科に関して直接指導することはないのですが、当直の際にいっしょに患者さんを診て、指導することはあります。知識的なことや技術的なことだけではなく、ここの病院は大変忙しいので、入ったばかりだとあれもこれもと要求されることがありますから、ストレスを感じることも多いので、例えば息の抜き方であるとか、人との接し方、コメディカルの方々との付き合い方など、メンタルな面でのフォローに気をつけています。

新行橋病院での研修で、一番勉強になっている事をお聞かせください。

 この病院は24時間体制であるため、救急車が年間約3,000台搬入されますし、外来にもいろいろな患者さんが来ます。救急車に乗った軽症の方もいますし、歩いてくる重症の方もいます。様々な幅広い患者さんに対して、自分で診断をしなくてはなりませんので、初診の際の接し方であるとか、治療方法についても大変視野が広がったと言えると思います。

何か失敗談はありますか?

 重症患者さんの処置について、指導医の先生に報告が遅れたことがありました。
 それによって患者さんに処置的ミスがおこったというわけではないのですが、救急に対応している医師として、小さなミスも許されるものではないと反省しました。

研修医同士の意見交換や情報共有はどうでしょうか?

 同期が3人いて、それぞれバラバラの科にいるのですが、医局も狭いですしその場で話も出来ますし、院内の電話でも意見交換できます。結局これは病院全体に言えることなんですが、医師の数がそう多い方ではないので、診療科間の壁が低く、すぐコンサルト出来る、そして先輩医師の方もすぐに質問に答えてくれるという環境ですね。

指導医の先生の面倒見は良い方でしょうか?

 私の場合、他との比較が出来ないので、一概には言えないのですが、それぞれ個性がおありで指導方法も違いますけど、よく面倒は見ていただいてると思います。付きっきりで指導していただいているわけではありませんが、実技的なことをしなければならない時は傍にいていただいていますし、質問があれば、気兼ねなく聞くことができるので、恵まれた環境だと思います。

当直のスタッフ体制はどう組まれていますか?

 一年目が23時まで二人、二年目とその上が一晩中で三人です。この体制で月に5~6回あります。

こちらの病院での研修で、やりにくいことはありますか?

 研修医と指導医の中で、きちんと対話もありますし、相談にものっていただけますので、 やりにくいことは特に感じません。

コメディカルの方たちとのコミュニケーション、対人関係はいかがですか?

 ここの病院には野球部やテニス部、フットサル部がありまして、私はもちろん野球部に所属しているのですが、放射線科技師の方や検査の方、リハビリテーションの方々といっしょに楽しんでプレイさせてもらってます。そのなかで飲み会もありますし、他には院内の旅行もありますので、対人関係形成には困ってませんし、普段からコニュニケーションは取りやすい環境ですね。

カンファレンスなどの雰囲気はいかがですか?

 毎日あるわけではなく、だいたい土曜日におこなわれます。
 医師の数がすくないので、堅苦しくなく、自由に発言できる雰囲気ですね。
 自分の意見は積極的に言うようにしています。

ご自分の意見は反映されるのでしょうか?

 自分の担当に関して、診療方針は基本的に自分で決めて、先輩医師の意見を聞くというスタイルですね。もちろん指摘を受けることもありますが、意見はどんどん言うように意識していますし、取り入れてもらってます。

現在の臨床研修制度についてどのようにお考えですか?

 自分の進む道を最初から決めている人たちは疑問もあるでしょうが、それも含めて、2年間、様々な科を経験出来ることは、3年目に自分の行きたい科に行くにあたって、広い視野を持つことが出来ると思うし、自分自身そうであると確信を持って言えますので、よい制度であると私自身は思います。見直す点があるとするならば、僻地の医師不足などの問題を解消出来るように配置するという点ではないかと思います。

研修を終えたあとの進路はどうされる予定ですか?(大学に戻られるのでしょうか?)

 今後は後期研修を続けるなかで、あと3年間のうちに1年間くらい他の病院を見てみたいと思いますし、現在相談もしています。これからもいろいろとやるべきことややりたいことが出てくるとおもいますので、今の時点でははっきりと言えませんが、私の中で、大学へ戻るという選択は、無いと思います。

先生のリフレッシュ方法、休日の過ごし方などを教えてください。

 とりあえず、日曜日は野球ですね。今度リーグに加入したおかげで、休日は野球づけですね。
 でもそれが、一番のリフレッシュ方法となってます。

最後に、これから後期臨床研修病院を選ぶジュニアレジデントに向けてメッセージをお願いします。

 むずかしいですが、例えば、外科系ならば、症例が多いだけではなく、その症例に均等に立ち会うチャンスが自分にまわってくるかどうかという点も考えるべきだと思いますし、また若いうちは、いろんな先輩医師を見ることも大切だと思います。私の場合は、尊敬できる先輩医師をみつけることができましたけど、それまでは、たくさんの医師と出会えたほうが自分の目指すものが何か?という基準がわかると思います。

タイムスケジュール

06:30  起床
07:00  家を出る
07:20  病棟回診、カルテチェック
09:00  透析の回診・外来
13:00  昼食
14:00  病棟業務
18:00  病棟回診(患者さんの食事を見る)
20:30  業務終了
21:00  帰宅
23:00  就寝

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