初期研修医インタビュー

医療法人財団 東京勤労者医療会

東葛病院

千葉県流山市中102-1

名前 石原 智恵(いしはら ともえ)先生
出身地 千葉県
出身大学 東海大学

医師を目指されたきっかけをお聞かせください。

 弟が幼いときから長期入院をするなど、病院にお世話になる機会が多かったんですね。病院で先生方の姿を見るうちに小児科医に憧れを持つようになったんです。中学生のときには既に医学部に行くことを決めていました。高校は東海大学の付属校に進学しましたが、そこで医者や看護師を目指す人向けの救急講習を受けたり、障害児の運動会のお手伝いをしたりして、医師になりたいという思いを強くしました。

大学の臨床実習はいかがでしたか?

 東海大学では当時、臨床実習が始まるのが早く、4年生から2年間かけて行っていました。1カ月ぐらいずつ様々な科で研修したのですが、その中でもやはり小児科での経験が一番強く印象に残っています。悪性腫瘍のお子さんのお世話をしたことで、将来は子どもが小さいときから大きくなるまでを診ていきたいと思うようになりました。

産婦人科や小児科は激務だと言われていますが、そういったことに不安はありませんでしたか?

 新生児集中治療室でも研修しましたが、24時間いつでも呼び出しがかかったり、「かなり大変そうだな」と思ったのは確かです。しかし、先生方も「そんな中で見つけられるやりがいも大きい」とおっしゃっていましたし、私は子どもが好きなので、医者として生きていくにはベストの道なのではと考えています。

研修先に大学病院ではなく、こちらの病院を選ばれた理由を教えていただけますか?

 出身地である千葉で研修したかったので、大学病院を含めて2、3の病院を見学に行きました。大学病院だと患者さんの数が多く、一人にかけられる時間はかなり限られてきます。東葛病院では患者さんやそのご家族と向き合える時間が長いですし、地域医療に力を入れていて、訪問診療も行っています。私は在宅医療にも関心があり、そういう分野と小児科の両方を体験できるということで、ここに決めました。

2年間の研修を振り返って、どのような感想を持たれましたか?

 東葛病院はオリエンテーションが1カ月と長く、東葛病院だけでなく、代々木病院やみさと協立病院など関連の診療所群を回ります。また看護師さんと一緒に1週間、日勤、準夜、夜勤帯で働いたり、模擬患者となって1泊2日の入院もしてみるなど、かなり特色があると思いました。入院体験では患者さんと同じ病室で寝て、最初の手続きから退院まで同じ動きをします。車椅子を操作したり、白内障のための眼鏡をかけたり、脳梗塞患者さんの体験をするために身体の片側に重りをつけるなど、病気の方の気持ちを理解することができました。オリエンテーションの終了後、東葛病院でのロ-テ-ト研修がメインで始まりますが、産婦人科や精神科は埼玉協同病院、みさと協立病院、内科は関連の代々木病院で行いました。いろいろな現場を見られたことも、有意義な体験でしたね。

現在の研修内容を教えてください。

 訪問診療を研修しています。車で患者さんのお宅に伺い、寝たきりの方を診たり、介護されている方の話を聞いて帰ってきます。患者さんは病院をとても信頼してくれていて、訪問診療のニーズはかなりありますね。患者さんの話をじっくり聞ける訪問診療は医者主導ではなく、患者さんも一緒に考えるような医療ができるところがいいと思っています。

こちらの救急に来られる重症患者の方はどのくらいいますか?

 常時10名ぐらいの患者さんを診ていますが、その中で重症の方は数人です。心筋梗塞や心不全などの方が多いですね。

当直の体制についてお聞かせください。

 基本的に2人体制で、病棟と外来をローテートで回しています。研修医の期間中は外来の先生について、一緒に診察します。

指導医の先生の面倒見はいかがですか?

 指導医講習会を受けて、「指導医免許」をもらわれた先生方なんです。面倒見はとてもよく、常に個々の研修医に合わせた助言をしてくださいます。コンサルトも最初は一緒に行いますが、何回か経験した後は一人でするように言われたり、自立を促してくれるような指導体制です。

研修医同士の情報交換の場は与えられていますか?

 同期は2人で、上と下の代に4人ずついます。週に1度、勤務時間帯に研修医会という会合を設けて、自分の仕事の進み具合や「こんなことがあった、これからこうしていきたい」といった話をしています。

研修プログラムで改善できればと思われる点はありますか?

 私は小児科志望なので、産婦人科の研修が関連施設ではなく、東葛病院でできれば一番よかったと思います。産婦人科があれば、新生児の医療を体験した後、その子が大きくなっていくところも小児科で診られますからね。

他職種の方とのコミュニケーションはとりやすいですか?

 週に1回程度ですが、看護師さんと薬剤師さん、リハビリのスタッフと合同でカンファレンスをすることがあります。医師が見えていなかった部分を補足してもらえる非常にいい機会だと思いますね。治療方針などについて意見がぶつかることもありますが、そういうときは後からじっくり話し合って、決めています。

カンファレンスの雰囲気はいかがでしょうか?

雑談しながら進めることもありますし、どちらかというとざっくばらんな感じですね。上級医の先生も研修指導を長く行っていた方が多いので、かなり柔軟に対応してくれます。患者さんの治療方針は基本的に、指導医と話し合って決めますが、自分の考えを提示すると、「ここはいいと思うから、このままやろうか」とか「ここはよくないから、直そうか」といった助言をしてくださり、意見が全く反映されないということはありません。
 代々木病院は病棟全員が参加するような大所帯のカンファレンスでした。全員のケースはさすがに取り上げられないので、指導医の先生が患者さんをある程度選んで行う形です。またソーシャルワーカーさんが加わるときは入院しているときから退院後のことを詳しく話し合っていました。

後期研修の進路は、どのようにお考えですか?

 こちらに残り、1年目に訪問診療と内科外来、救急の研修を行い、2年目に小児科に進むようにしようと考えています。後期研修終了後は小児科医になり、特に感染症の分野に力を入れたいと思っています。

先生のリフレッシュ法を教えてください。

 医者は仕事外でも患者さんのことを考えることが多いと思いますが、私は休みの日は割り切って自分のための時間として使っています。呼び出しがあったとき以外は、ドライブしたり、映画を観たり、あまり家にはこもらず、なるべく外に出て過ごすようにしていますね。

新医師臨床研修制度について、どのようにお考えですか?

 大学病院だと専門性が高いので、すぐに専門分野の研修に進むのは問題ないと思いますが、300床規模の市中病院だと内科、小児科、外科の初期対応ができないと厳しいのではないでしょうか。そういった意味では、いろいろな科で研修するのは非常にいいことですし、将来の進路が決まっていない人には魅力的な制度だと思います。ただ、医療の基礎は内科ですが、現行の制度だと1年程度の必修期間しかないので、かなり足りないですね。

医学生に向けて、初期研修先を選ぶポイントを教えていただけますか?

 最も大切なのは、希望している病院が自分に合うかどうかです。どんなに有名な病院でも、自分に合わなければ2年間続けることはできないでしょうし、どのような分野に進みたいのかをよく考えて決めてほしいと思います。

タイムスケジュール

往診の場合
06:30 起床
07:45 出勤
08:00 カンファレンス
09:00 訪問診療
12:30 昼食
13:00 訪問診療
17:30 カンファレンス
18:00 研究
20:00 帰宅
24:00 就寝

内科の場合
06:30 起床
07:45 出勤
08:00 カンファレンス
09:00~12:30 病棟回診
12:30 昼食
13:30~17:00 救急外来
17:00 カルテチェック
18:00 指導医のチェック
19:00 研究など
22:00 帰宅
24:00 就寝

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