初期研修医インタビュー

岩手県立磐井病院

岩手県岩手県一関市狐禅寺字大平17番地

名前 三浦 慎平 先生
出身地 岩手県花巻市
出身大学 岩手医科大学

医師を目指したきっかけをお聞かせください。

父が地元で開業医をしていて、小さいころから影響を受けていました。高校時代から自分の職業、進路を考え始めて、様々な職種がある中で、医療を行う医師は大事な職業だと感じ、人の命を救い、人の体の治療のために力を尽くす医師になりたいと思いました。

学生生活はいかがでしたか。

充実していて、日々大変忙しく、講義と実習に没頭した、あっという間の有意義な学生生活でした。1年生から4年生までは座学中心でしたが、5年、6年生になるとその中に実習が入ってきて、自分の気になる科目や好きな科目を回りました。6年生になると、病院の実習に合わせながら、あとはほとんど国家試験のための勉強を行いました。試験範囲が広いので、勉強には苦労しましたが、部活や医学部の仲間との集団生活は楽しかったですね。

ポリクリの感想をお聞かせください。

ポリクリは岩手医科大学附属病院で行いました。医師免許を持っていない状態での実習ですので、医療行為の実践ができず、しっかりと目で見て学ぶことに専念しました。初めて現場で医療に触れましたので、刺激的でしたし、教科書で学んだことを照らし合わせることができ、分からなかったことも実際の現場で見ることができたので、とても勉強になりました。

研修病院を磐井病院に決定するまでのプロセスをお聞かせください。

病院の見学を5年生頃から始めて、どういう病院かという情報を得ました。マッチングのときに、入りたい病院に突然行ったとしても、競争率が高いところだと難しいです。見学に行っておくことが大事だというのは一般の就職活動と同じではないでしょうか。臨床研修指定病院であれば、どこも見学を受け入れてくれます。見学では学生が病院の情報を得るのと同時に、病院側も学生を評価しながら見ていると思います。特に競争率が激しい病院ではその傾向があるので、見学は非常に大事です。私の場合は6年生の4月頃には絞り込みましたが、これは遅い方ですね。10月にあるマッチングに向けて、夏までは見学や情報収集を行いました。そして、マッチングで1位から3位までの希望病院を決めて、最終的には年内に決まりました。

どこで情報を取得されましたか。

インターネットや病院のホームページなどをよく見ましたね。また、地元の病院で働く先輩医師から病院の情報や勧めや評判を伺い、自分で判断しました。インターネットの情報だけでは分からない情報を先生方との繋がりや先輩や知人から得ることが必要ではないでしょうか。しかし、やはり現場の医師や病院を見ないと、病院の中身は分からないです。インターネットなどの募集要項だけではもの足りないところや分からないところが多いので、実際に見学に行くことが大切です。

大学卒業後、研修先に大学病院ではなく、岩手県立磐井病院に決めた理由をお聞かせください。

大学病院か県立病院のような中規模病院に行くかで迷っていましたが、病院の規模が多すぎると、研修医も多く、症例の奪い合いになってしまって、自分が手にかける症例数が少なくなってしまうと思ったんです。しかし、中規模病院では、研修医が当直などでメインとなったり、症例を一番目に診ることが多くなるので、経験できる症例数が多くなります。また、大学病院などの大きい病院だと救急の専門医がいるので、その医師の指導を受けながら、勉強する形となってしまうのですが、中規模病院だと第一線で研修医が診療を行うことができるんですね。実践的な仕事をしていきたいと思いましたので、こちらを選びました。
 将来、私は皮膚科医になりたいんですが、形成外科にも興味があるんですね。岩手の県立病院の中で形成外科を研修できる病院はあまり数が多くないのですが、磐井病院は研修できるというところも決めてとなりました。

岩手県立磐井病院の初期研修プログラムの特徴について、お話しいただけますか。

当院は自分の好きなようにプログラムを組めて、ある程度は自分の希望を出せる自由度が高く、選択の幅が広いという特徴があります。主な必修科目と選択科目は決まっていますが、その中でも、例えば、外科は4カ月ですが、消化器外科だけではなく、形成外科や整形外科を数カ月ずつ組み合わせたりすることができます。ほかの県立病院と比べると、当院では様々な科目があり、幅広く学ぶことができ、選択の幅も広いですね。ほかの県立病院では足りない科目を近隣の指定病院で研修しますが、この病院は広く揃っているので、ここで全て受けることができるという特徴もあります。

病院での研修はイメージ通りですか。

三浦:

自分で考えて、主体的に行えるものが多く、想像以上に自分でできる手技が多いので、大変ためになっています。また、適度に忙しくて、責任を取る場面や研修医に任される場面が多くありますが、その責任を任されることを今ではとても嬉しく思っています。

病院での研修で、一番勉強になっていることをお聞かせください。

やはり救急実習、救急対応が一番勉強になっていて、当直や日直をすることが将来にとても役立つのではないかと思っています。当直は月に4、5回ありまして、大変なのですが、やりがいも感じています。

失敗談はありますか。

以前は点滴を刺すときの手技の失敗などはありました。当直帯での診断のミスもありましたが、先輩医師のフォローがありました。難しい診断をしないといけない患者さんがいた場面では悩みましたが、先輩医師に相談して無事に解決できたことがありました。研修医の知識や経験では対応できないところは、上級医師に相談してフォローしてもらえる体制が整えられているので、安心して診療にあたっています。

研修医同士の意見交換や情報共有はどうでしょうか。

同期であり、同僚であるので、お互いに励まし合い、支え合いながら仲良くやっています。飲み会をしたり、普通にご飯を食べに行ったりして、楽しくやっていますよ。7人の間では何でも気軽に話せるので、いつも感謝しています。患者さんの診断や診療で困っているときや分からないときも身近にいる同期に気軽に相談できますし、上の先生には相談しづらいような小さなことも同期には何でも相談し、上手に連携を取って、助け合いながら頑張っています。

指導医の先生の面倒見は良い方でしょうか。

先ほどもお話しましたが、自分では分からず、自分だけでは限界を感じる症例のときには、上級医師にきちんと相談すれば、しっかりとした答えが返ってくるので、大変助かっています。また、常に先生方に相談し、アドバイスをいただいていますので、ほとんど全員の先生方の顔を知っていて、良いコミュニケーションが取れています。相談しやすい雰囲気の中で研修を行えていることに感謝しています。

当直のスタッフ体制はどう組まれていますか。

1年次は3名で行っていました。第一当直が5年目以上の上級医師、2年目から5年目の第二当直、1年次の研修医の第三当直に分かれており、私は2年目なので、第二当直に入っています。当院の独特の体制で行っており、第三当直は月に5、6回あり、24時までです。第二当直は月4、5回で、朝まで行います。ファーストタッチでメインで診るのは第二当直で、分からないことがあれば第一当直の上級医師に相談するという流れです。第三当直は24時までは第二当直と同じようなことを行っています。私は第三当直を経て、今年から第二当直になり、昨年よりは経験面でもかなり成長できたと思っています。

コメディカルの方とのコミュニケーションはいかがですか。

看護師さんなどのコメディカルの方々は医療の中での先輩になりますので、助言をいただきながら、よくしていただいています。コメディカルの方々は大切な存在ですし、コミュニケーションを取ることはこれから病院で働いていくうえで大事なことですね。当院では非常に良い雰囲気でスタッフが働いていると思います。

カンファレンスなどの雰囲気はいかがですか。

症例検討会などをしっかりやっていまして、良い雰囲気ですね。当院では科目ごとに会議室で行っています。メインで症例を提示する人がいて、それに対して、挙手制で意見を言います。上級医師、研修医問わず、意見が飛び交っていますよ。

現在の臨床研修制度について、どのようにお考えですか。

自由選択の幅が増え、自由に科目を選択できるようになりましたので、貴重な経験ができると思います。私たちの必修は内科、救急部門、麻酔科、外科、精神科、小児科、産婦人科、地域医療となっています。必修科目は内科6カ月、救急部門3カ月、麻酔科、外科、精神科、小児科、産婦人科、地域医療を各1カ月行います。
 もし、臨床研修制度がなく、例えばすぐに皮膚科に入ってしまうと、他の科目や他の医療の知識がないままで終わってしまうと思うんですね。自由選択も含めて、広く勉強でき、ある程度の科目を一通り診ることができることは将来に役立つ知識が多くつくと思うので、大事なのではないでしょうか。

現在、専門医制度を第三者機関が管理する体制を作ろうという動きがありますが、どう思われますか。

今の専門医制度だと、それぞれの学会で認定されるので、専門医のレベルにばらつきがあり、基準が不明確のようです。また、評価するところの合格ラインや難易度にもばらつきが出てしまっていますが、今後は全てを統一化して第三者機関が合否を決めるようになれば、基準ができますし、今までの専門医制度の曖昧さが解消されることになるので、それは非常に良いことだと思っています。

初期研修のあとの進路について、教えてください。

今後は皮膚科を専門にしていきますので、医師がより多い病院で深く学びたいと思い、後期研修は大学に戻る予定です。特に皮膚科の場合は外科などに比べて常勤医師数や規模が小さいので、より大きな大学病院などで学ぶ必要があると思っています。

初期臨床研修病院を選ぶ医学生に向けて、メッセージをお願いします。

個人個人の将来像によって研修病院を選ぶポイントは少しずつ変わってくると思います。それをしっかり明確にして、将来を見据えたうえで研修病院を選ぶのが良いでしょう。将来の専門科目を決めるために幅広い科目を選べる研修プログラムのある研修病院を選ぶのも一つの方法ですし、専門にしたい科目が決まっているのであれば、決まっているゴールに向けての自分の道筋をしっかりと決めて、そのための研修病院を選べば良いのではないでしょうか。

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