初期研修医インタビュー

国家公務員共済組合連合会

虎の門病院

東京都港区虎ノ門2丁目2番2号

名前 関根 章成(あきなり)先生
出身大学 山梨大学

医師を目指したきっかけをお聞かせください。

小さい頃、病気がちで、地元の開業医の先生の診療所によく行っていたんです。風邪を引いても、先生に会いに行くだけで安心感があり、小児科の先生なのですが、高校生になっても通っていました。理想の先生でしたね。最終的には高校3年のときに、先生のように人の役に立つ仕事がしたいと思い、医学部進学を決めました。両親は教師をしていまして、人から「あなたも先生になるんでしょう」と言われることへの反発もありました(笑)。両親も医師の仕事に尊敬の気持ちを持っていますし、開業医の先生も喜んでくれたので、良かったです。

学生生活ではどんなことが思い出に残っていますか。

医師という職業に就く前の学生生活なのですから、やはり勉強はしましたね。一方で、小学校からずっとサッカーをしていまして、中学の頃は東京選抜のメンバーに選ばれたこともあります。それで大学でもサッカーを続けました。ポジションは中盤から前です。しかし、大学ではいい結果を残せず、東医体ではベスト8止まりでした。当院にはサッカー部があり、毎週土曜日にフットサルをやっています。先日は病院対抗戦で優勝しましたよ。ベッドサイドのテレビで患者さんと一緒に観戦することもあります(笑)。

臨床実習はいかがでしたか。

大学病院で行いました。私は人と接することが好きなので、患者さんとお話をするなど、それなりに関われたように思います。薬の投与などはできませんが、医師の道に進めたような気がしていました。

大学卒業後、研修先として大学病院でなく、虎の門病院に決めた理由をお聞かせください。

大学は少ない症例をじっくり学ぶというイメージですが、私はサッカー部出身ということもあって、身体を動かし、一人でも多くの症例と出会いたいという気持ちが強く、市中病院で研修しようと思っていました。大学の先生方にも誘っていただきましたが、実家が埼玉県にありますし、将来も東京近辺にいたいという希望があったので、東京の市中病院を探しました。実際に山梨大学の附属病院よりも虎の門病院の方が病床数も多く、診る患者さんの数も違います。多くの経験を積める虎の門病院で研修できれば、将来の仕事にきっと役立つだろうと考え、医師としての仕事が始まる貴重な2年間を虎の門病院で始めたいという思いがありました。

虎の門病院に見学に来られたときの印象はいかがでしたか。

以前、祖母が虎の門病院で手術を受けたことがあり、私も何回も来たことがあったので、病院の雰囲気などは知っていましたし、5年生という早い段階から希望もしていました。見学では理想とする研修医に会え、ますます虎の門病院で研修したいと思いましたね。

虎の門病院での初期研修はイメージ通りですか。

忙しいと分かったうえで来たものの、「止めておけばよかったな」と思わずにはいられないこともありました(笑)。しかし、きつい科であっても2カ月で次の科に移りますから、いい経験になると考え直して、頑張ってきました。

虎の門病院での初期研修の特徴をお聞かせください。

当院は昔からローテーションがきちんと組まれているのが特徴です。私は内科を専攻することは決めていましたが、その中の専門を決めていなかったので、スーパーローテートをしっかり行えるシステムは有り難いです。既に専攻を決めている人には大学病院の方が向いているかもしれません。シミュレーション・ラボセンターでは手技を模擬的にできる機械が揃っています。このセンターでの研修をするのとしないのとでは大きく違いますから、恵まれた環境ですね。

地域医療はどちらで研修したのですか。

千葉県松戸市のあおぞら診療所です。当院の血液内科にいらした先生がほかの先生方と開業された診療所で、私も訪問診療などを研修しました。電子カルテを患者さんのご自宅に持っていって、処方したりするのですが、こういう医療も大事なのだと気付かされ、いい勉強になりました。

指導医の先生のご指導はいかがでしょうか。

優しい方ばかりですね。聞きづらいこともなく、悩むこともなく質問ができる雰囲気を作ってくださっています。当院は部長クラスの先生方など、教科書に載るような先生も多いのですが、診療科ごとの垣根も低く、気さくに対応してくださいます。

虎の門病院での初期研修で印象に残っていることをお聞かせください。

受け持った患者さん一人一人のことが目に浮かびますし、印象に残っています。当院にはレジデントクオーターと呼ばれる一角があり、1年目の研修医が院内に住み、2年目に寮に入ります。私のときには病院の工事があったので、1年目から寮に入りましたが、寮も隣にあるので、頻繁に電話がかかってきますね。自分が担当した患者さんのことで知らないことがあるのは嫌ですし、すぐに対応したいですから、辛いことがあっても充実している毎日です。

何か失敗談はありますか。

当院は医療安全の面は強化されており、オーダーミスのような事は少ないように思います。医療失敗談といえば、手術中の話でしょうか。食道がんの手術は1日かかるので、その間は何もオーダーが出せません。朝6時から夜2時まで働く日々が続くので、拘引きをしながら、ついうとうとしてしまいました。結果として、ブレてしまい、外科の先生から「こらっ」と怒られました。それから、夜の3時にカンファレンスの資料がやっとできたのはいいのですが、寝坊して遅刻したこともあります(笑)。

初期研修プログラムで改善を望みたいことはありますか。

医学教育部の会議に私も参加しています。伝統の持つ良い部分を残しながら、会議で色々な改善点を話し合っていますので、ベストな状態ではないでしょうか。確かに、私たちの1年下の学年からは1年目に救急2カ月、麻酔科2カ月が組み込まれたなど、移行期ならではの変更点はあります。私たちのときは1年目の救急はなかったのですが、当直で十分に診られましたし、多くのコモンディジーズも経験できました。また、1年目に救急が入ったことで、小児科と産婦人科が必修でなくなったのですが、私たちのときには回ったので、残念に思う人がいるかもしれません。しかし、2年目の選択のときに選択するという道はあります。

選択の期間にはどちらの診療科に行かれたのですか。

私は腎臓を専攻しようと思っていますので、腎生検を学ぶために病理科に行きました。同期の友人は感染症や精神科など、様々に選択していましたし、自由度はあります。

腎臓に興味を持たれたのはいつですか。

研修1年目のときに出会った患者さんがきっかけです。腎臓の疾患から全身の疾患を抱えてしまう人が多いので、遣り甲斐のある分野ではないかと思いました。また、虎の門病院の分院は日本で初めての人工透析を行った施設ですので、そういった環境も影響しているように思います。

当直の体制について、お聞かせください。

内科、外科でそれぞれの当直があり、研修医は回っている科の当直に入ります。内科は3人、外科は2人という体制です。さらに循環器科当直、オンコール、脳卒中当直、産婦人科当直、小児科当直の先生方がいらっしゃるし、オンコール体制がある診療科もあるので、夜も土日も万全ですね。循環器ですと、1カ月に8回から9回の当直があり、研修医はオンコールです。

当直では、どんなことが勉強になっていますか。

A当直では外来、B当直では病棟を担当します。風邪や喘息など専門性の少ない疾患の場合は内科で診ます。外科の場合は三次救急ではないので、交通外傷などは来ませんが、手を切った患者さんなどはいらっしゃいますよ。ウォークインも多いですね。日頃から当院をかかりつけにしていらっしゃる患者さんは断らず、必ず診る方針です。脳梗塞疑いなら脳卒中当直の先生、心臓なら循環器科当直の先生が呼ばれますので、研修医も一緒に診ます。
 正当直が指導医、副当直が研修医で、初期対応は研修医の仕事で、判断は指導医が行います。患者さんを帰すのか、入院してもらうのかなどの判断は勉強になりますね。入院の場合、今後の方針を議論し、病棟での方向性をどうするのかといったアセスメントプランを外来で既に立てておくのが「虎流」と言われています。

カンファレンスなどの雰囲気はいかがですか。

ひどい内容であれば怒られますが、日頃は和やかで、いい雰囲気ですよ。場合にいっては深い話になることもありますが、研修医も発言しやすいですし、気になっていることも尋ねやすいです。

研修医同士の意見交換や情報共有はどうでしょうか。

研修医同士の仲はすごくいいですよ。困ったときに頼れるのは同期や1年上の人たちですしね。アクティビティの高い人が多く、お互い大変なことは分かったうえで助け合っています。

コメディカルの方たちとのコミュニケーションはいかがですか。

病棟クラークの人たちとは「最近、どう」と言い合ったりして、いい関係が築けていますし、看護師、薬剤師、技師さんたちともコミュニケーションが取りやすい環境です。病棟の雰囲気自体がいいんですよ。今は循環器科を回っているのですが、忙しい科ですので、皆で出前を取ったりして、支え合って頑張っています(笑)。

今後のご予定をお聞かせください。

来年からの後期研修も当院にお世話になる予定です。後期研修終了後も、当院に枠があれば残りたいですね。当院はUSMLEを受験して、海外に出向する先生方も多いので、私も海外には興味があります。

ご趣味など、プライベートの過ごし方について教えてください。

サッカーのほかは特に趣味もないですね。10月に前期研修医全員で旅行に行ったのが最近では楽しかった思い出です。1年に1度だけ、10月の3連休に研修医全員が休みをいただき、皆で旅行に行くのが病院の伝統行事になっているんです。去年はグアム、今年は沖縄に行きました。

現在の臨床研修制度に関して、ご意見をお願いします。

スーパーローテートはいい制度だと思います。医学生としてポリクリを行うのと、医師として実際に治療に関わるのとでは大きな違いがあります。将来の診療科目を決めるうえでも、2年間の猶予があるのは有り難いですね。

最後に、これから初期臨床研修病院を選ぶ医学生に向けて、メッセージをお願いします。

耳で聞くのと、実際に見るのとでは全く違いますので、色々な病院を見学に行くことをお勧めします。虎の門病院はきつい病院であるという覚悟もいりますし、QOL重視の人にはお勧めできません(笑)。しかし、やる気があって、どんな医師になりたいかというビジョンもあり、患者さんとしっかり向き合って、いい医療を学んでいきたい人には最適の病院です。充実した研修ができることをお約束しますので、是非、いらしてください。やらされることをやるだけではなく、自分からやっていきたいという意欲のある方をお待ちしています。もし、きついときには私たちがサポートしますし、食事にも連れていきますよ(笑)。

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