初期研修医インタビュー

日本赤十字社

武蔵野赤十字病院

東京都武蔵野市境南町1-26-1

名前 岩田 秀平 研修医
出身地 東京都調布市
出身大学 千葉大学
医師免許取得年度 2018年
名前 桑原 なつき 研修医
出身地 東京都世田谷区
出身大学 東京医科大学
医師免許取得年度 2018年
名前 瀬越 空人(せごえ そらと)研修医
出身地 愛媛県松山市
出身大学 岡山大学
医師免許取得年度 2019年

医師を目指したきっかけをお聞かせください。

岩田:

小学生の頃から「ブラック・ジャック」や「救命病棟24時」などの漫画やテレビドラマで医師の仕事に漠然と憧れていました。高校生のときに腰椎分離症になり、半年間コルセットをつけることになったのですが、それがきっかけで整形外科に興味を持ちました。

桑原:

幼稚園の頃、習いごとの合宿先に『ニュートン』が置いてあったんです。『ニュートン』は絵が豊富ですし、子どもながらに楽しめました。前半は医学、後半は宇宙といった構成になっていることが多く、私はヒトの身体に興味を持ち、前半ばかり見ていました。小学生の頃は研究したいと思っていましたし、中高生になると患者さんに関わりたいと考えるようになりました。

瀬越:

父が医師で、自宅で耳鼻咽喉科の医院を開業しています。私は父から医師になれと言われたことはなく、中学生の頃は文系科目の方が得意で、国連の事務総長を目指していました。しかし、事務総長になれたとしても、皆が幸福になるにはタイムラグが出ますが、医師であれば目の前で困っている人を助け、笑顔にすることに価値を見出だせると思いました。そのときに父を改めてよく見てみると格好良く感じたんです。耳鼻咽喉科医ですから、患者さんの層も幅広く、子どもから高齢の方までの地域の方々に感謝されている姿を見て、私も医師を目指しました。

学生生活ではどんなことが思い出に残っていますか。

岩田:

野球部に入っており、東医体で3回優勝しました。また、トロントやカリフォルニアに病院実習を兼ねた留学をしたのも思い出に残っています。

桑原:

中学、高校ではバレーボールをしていたのですが、中学の頃にチェロを習い始め、大学ではオーケストラ部に入りました。私も海外が好きで、アメリカに2回行ったほか、ポルトガルやスウェーデンにも留学しました。

瀬越:

ゴルフ部に入っていましたが、部活動以外にもとにかくしたいことをしていました。私も海外旅行が好きでした。特にニューヨークに3カ月、一人で留学したのが思い出です。メディカルカレッジで水腎症のマウスのモデルを作るといった基礎研究をしました。研究の合間には一人で街歩きをして、ニューヨークを開拓していました。

大学卒業後、研修先を武蔵野赤十字病院に決めた理由をお聞かせください。

岩田:

見学に来たときの印象で決めました。

桑原:

私も見学に来たときの研修医の雰囲気で決めました。看護師さんや薬剤師さんなどのコメディカルスタッフとの関係も良かったですし、研修医が自分で動いているところが魅力的でした。

瀬越:

6年生の夏に小児科でポリクリをしたときに、聖路加国際病院で研修した指導医の先生にお世話になったんです。その先生の知識や人柄は本当に尊敬できるもので、私も研修の歴史のある病院で研修したい、特に東京の病院なら全国から優秀な研修医が集まるはずだと思いました。それから急いで情報を集め、武蔵野赤十字病院に決めました。

武蔵野赤十字病院に見学に来られたときの印象はいかがでしたか。

岩田:

研修医が生き生きとしていました。救急外来を見学したのですが、研修医がファーストタッチをしてアセスメントを取るなど、裁量権が大きいことに惹かれました。サバイバル感が良かったです。

桑原:

第一印象は良かったです。知り合いに勧められ、5年生の1月に見学に来たのですが、遅い方でしたね。そのときは倍率が高い病院とは知らず、あとから知って焦りました(笑)。

瀬越:

1回目の見学で、いい病院だと一目惚れしました。桑原先生とお昼ご飯を食べたんです(笑)。

岩田:

桑原先生に一目惚れしたの(笑)。

瀬越:

忙しい中でお昼ご飯に付き合ってくれて、研修の話をしてくださいました。桑原先生も研修が始まって半年も経っていない頃でしたが、生き生きとされていたのが印象的でした。

武蔵野赤十字病院での初期研修はイメージ通りですか。

岩田:

イメージ通りです。色々な経験ができますが、いつもフィードバックをいただけるわけではないので、自分で勉強する習慣がつきました。

桑原:

イメージ以上ですね。同期がいい人ばかりで、いい人間関係が築けています。良いところを一つ挙げてと言われたら、同期だと答えますね。それから救急外来です。2年目が始まるときに、救急外来は勉強になっていたのだと気づきました。

瀬越:

私の学年も同期はいいですよ。研修自体はイメージ通りにいかないことの方が多いです。1つ上の先輩たちも1年前はこういう失敗をしていたとは想像できないのですが、1年後に先輩たちのようになっていたらいいなと思っています。

プログラムの自由度はいかがですか。

岩田:

意外と自由です。最初はかっちりと固定されたスーパーローテートなのかと考えていたのですが、人事課の職員の方々がフレキシブルに対応してくださっています。月に1回、臨床研修管理委員会があり、システムの変更などが話し合われています。長田先生と人事課の大屋係長にはいつもお世話になっています。

桑原:

急なことにも対応してくださいますね。

プログラムの特徴はどんな点でしょうか。

岩田:

スーパーローテートでの研修なので必修科目が多く、選択期間が3カ月しかありません。ジェネラルに経験が積める研修です。

桑原:

内科を2カ月、並進するのも特徴です。これには賛否両論あり、マイナスの意見としては「どちらかに呼ばれると、どちらかが疎かになる」というものですが、経過の長い患者さんは1カ月では治まらないですし、2カ月いるからこそ、珍しい疾患にも会えるので、私はプラスに捉えています。

瀬越:

全身管理を2年間かけて学べることが特徴です。私は総合診療科1カ月を終え、2カ月の救命救急科を回っているところですが、総合診療科、救命救急科、麻酔科は研修医に求められることが質量ともに多いので、しっかり学びたいと思っています。

院外での研修はありますか。

岩田:

地域医療は北海道の浦河赤十字病院に行きます。

桑原:

私は今、井之頭病院で精神科の研修をしています。明るく、やる気のある先生方が多い病院で、患者さんも幸せそうにしていらっしゃいます。精神科の大きな病院はなかなかないですし、勉強になっています。

どのような姿勢で初期研修に取り組んでいらっしゃいますか。

岩田:

主治医として、責任を持って患者さんに関わり、信頼関係を築きたいです。

桑原:

研修前から思っていたのはこの2年しか他科の先生から教えていただける期間はないということでした。そのため、専攻しない科の研修をしたかったですし、何科に行くにせよ、ある程度のことができるようにとも考えていました。来年からの専攻医研修も近づいてきましたし、医師としての基礎はこの2年で決まりますから、悔いの残らないようにしたいです。

瀬越:

自分からやる気を見せて動こうということです。怒られたとしても、自分のために言っていただいているのですし、失敗して反省することは大事ですが、その失敗に執着しすぎると辛くなります。失敗に対してくよくよせず、次にできるようになるために、何をすべきかを考えるようにしています。

指導医の先生のご指導はいかがでしょうか。

岩田:

教育的な雰囲気があります。私は勉強会係をしているので、先生方にレクチャーをお願いする立場なのですが、先生方は忙しいのに研修医のためのレクチャーを快く引き受けてくださっています。

桑原:

2年目になって思うことですが、上の先生方が私たちを対等に扱ってくださっています。救急外来でも「いつもはどうしてる」と聞いてくださったり、研修医なのに一人の医師として扱われている実感があります。

瀬越:

様々なことを教えてくださるし、手厚いですね。ただ、研修で有名な当院だからといって、指導医の先生の方から近づいてくださるわけではありません。教えを乞う姿勢がある人へ教育してくださるので、あくまでも始まりは研修医からなのですが、積極的に一を尋ねると十返ってきます。

武蔵野赤十字病院での初期研修で勉強になっていることはどんなことでしょう。

岩田:

知識面です。レクチャーは豊富ですね。私は今、整形外科を回っていますが、手術前に患者さんの情報を踏まえて適応を考え、しっかり準備している先生方を見て、医師としての姿勢を学ばせていただいています。

桑原:

救急外来をこれだけやれるのは大きいです。上の先生方の指導もあるので間違ったことにはならないうえで、研修医の裁量権が大きく、一人でどの程度を考えられるのか、鍛えられます。救急外来の経験を積むうちに、こういう患者さんなら、こういう展開になるかなといった知識が蓄積され、私なりの疫学ができてきたように思います。

瀬越:

私も救急です。そもそも医師を志した理由が目の前の人を助けたいことにあったので、ようやく医師になって、それが実現できていることが嬉しいです。点滴一つ入れるのもまだ苦労していますが、毎日、何かができるようになっていますし、できることが増えてきました。

何か失敗談はありますか。

岩田:

救急外来で大丈夫だと判断して、お帰しした患者さんが次の日にいらしたことがあります。地域の病院の良さは患者さんがまたいらしてくれることにあるので、自分の判断が正しかったのかどうかが分かります。

桑原:

救命救急科ではやはり失敗が色々とありましたが、同期も誰かが同じ経験をしているので、同じことで悩んだのだと共有できるのが良かったです。同期とのコミュニケーションの厚さは大事ですね。

瀬越:

救命救急科での研修医の仕事の一つは点滴を繋いで採血することですが、何をやっても裏目に出てしまって、コントロールがうまくいかないことがあります。でも同期と励まし合っています。

岩田:

皆がポジティブなんですよね。失敗があっても、上の先生の悪口にならないのがいいです。

当直の体制について、お聞かせください。

岩田:

月に5、6回あります。23時までが2年目2人、1年目2人の4人体制です。23時からの深夜帯は2年目1人、1年目1人の2人体制です。指導医の先生方は救急外来に1人か2人、各科当直として、内科、外科、脳神経外科、整形外科、小児科、産婦人科に1人ずついらっしゃいますので、コンサルトには困らないです。

当直では、どんなことが勉強になっていますか。

岩田:

全部です。桑原先生が言っていた疫学ではありませんが、大事なことは何度でも出てきます。

桑原:

救命救急科を回っているときは病棟の当直もあります。

岩田:

それと、三次救急は勉強になります。学生の頃は三次救急の病院に行っても、研修医は何もできないと聞いていましたが、当院ではそんなことはありません。背伸びするぐらいの患者さんを担当したり、ICUの患者さんを何人も診たりといった、超重症の患者さんに関わる経験は今後の医師人生に必ずプラスになるはずです。

瀬越:

難しい患者さんが多く、一つではないプロブレムを解決していく経験は何科に進むにしても役に立つと思います。

カンファレンスの雰囲気はいかがですか。

岩田:

内科では症例検討会を月曜日の夜に行っています。研修医が症例発表をするのですが、地方会のような雰囲気です。ときには専攻医が発表することもありますし、指導医からのミニレクチャーもあります。

桑原:

総合診療科のカンファレンスは教育的ですね。2年目の研修医は来年は主治医になりますから、主治医だと思って、入院したばかりの患者さんのことを全て理解するようにしています。上の先生方から視点のアドバイスもありますし、たまに膠原病のご専門の先生も参加してくださいます。

瀬越:

総合診療科では夜間の患者さんについてのアセスメントプランをプレゼンします。その際にプレゼンの作法や流儀といった型を指摘していただけます。医学的に不適切な言葉遣いや違和感のある表現などをしっかり訂正してくださるので、勉強になります。

コメディカルの方たちとのコミュニケーションはいかがですか。

岩田:

看護師さんが優しく、働きやすいです。

桑原:

私にはほかの病院のことは分かりませんが、ほかの病院からいらした先生方はいいとおっしゃっていますね。私は薬剤師さんにお世話になることが多いです。薬の使い方に慣れていないときは細かい適応を調べてくれて、すかさずアドバイスをいただいていました。私から直接、尋ねることもあります。それから栄養についてもよく分からないので、管理栄養士さんにも質問することがありますが、真摯に対応くださいます。

瀬越:

コメディカルの方にはいつも教えていただいています。本当にいい病院ですね。

研修医同士のコミュニケーションは活発ですか。

岩田:

研修医部屋がなく、医局の一角にいますので、だらけることはできません(笑)。でも、通りがかった先生方に質問できるのがいいです。

桑原:

私たちに話しかけてくださる先生もいらっしゃいますね。入職して3週間は各部署からのレクチャーが中心なので、終われば飲みに行くという感じでした(笑)。同期とはそこで仲良くなりましたね。2年目のゴールデンウィークは全員が出勤して、その間に1年目の研修医が旅行に行きます。この仕事は全員が休むことはできないし、2年目になると各自が外部の病院に行ったりするので、1年目にそういう日をあえて作ることで、同期の仲を深められます。

瀬越:

同期とは本当に仲がいいです。1年目の研修医にはハッピーフライデー制度があり、月に1回ほど全員が当直を外れ、飲みに行く日があります。

今後のご予定をお聞かせください。

岩田:

整形外科に進みますが、研修先は未定です。整形外科は手術して、患者さんが良くなっていく過程が楽しいです。人の役に立てていると思えますね。

桑原:

私は神経内科を専攻し、東京医科歯科大学に入局する予定です。1年目の後半に決めました。当院の神経内科は東京医科歯科大学の関連なので、専攻医研修でも当院に来る機会がありそうです。最初は外科志望で、私には神経内科はできないと思っていましたが、回ってみたら疾患が多く、分からないこともまだ多くあることを知りました。一つの症状や現象を議論したり、慢性期の患者さんを診るのも興味があります。治療のない疾患もありますが、患者さんの人生のそれぞれのフェーズに関わっていけたらと考えています。

瀬越:

小児科のほか、膠原病などの免疫疾患にも興味がありますが、詳しいことは未定です。

寮もあるんですよね。

岩田:

近くにあります。閑静な住宅街の中にあり、築3年ですし、住み心地はいいです。

桑原:

私は自分で借りているのですが、家賃補助がしっかり出るので、負担ではないです。むしろ寮の人よりも近所に住んでいます(笑)。ただ当院はオンコールがないので、遠くに住んでいても問題ありません。

瀬越:

私も寮ですが、住み心地は微妙です。壁が薄いし、前の道路をトラックが通ると揺れたりします(笑)。そこにしたのは家具や家電が付いていたからです。私は岡山から引っ越してきたのですが、ちょうど引っ越しのハイシーズンで料金が高く、身一つで移動できる物件だということで選びました。

ご趣味など、プライベートの過ごし方について教えてください。

岩田:

オンコールがないので、プライベートは充実します。週末に救急外来がないと、草野球をしたり、勉強会に行ったりしています。野球は高校の仲間とのOBチームでマスターズ甲子園に出たり、院内チームでもしていますし、大学に顔を出すこともあります。

桑原:

私は映画鑑賞が趣味です。話題作や気になっている作品などを観ています。ここは新宿、吉祥寺、立川と映画館がある街へのアクセスがいいですね。

瀬越:

新宿にお笑いを観に行くのが好きです。結構、行っていますね。

現在の臨床研修制度に関して、ご意見をお願いします。

岩田:

来年からは必修科目が増え、当院のような初期研修になるのかなと思います。3年目には専門に進むのですから、2年間は必修科目を頑張るのがいいですね。「急がば回れ」です。

桑原:

私も同感です。3年目以降のことを考え、2年のうちに他科の先生方としっかり関わっておくべきです。

瀬越:

2年目の選択期間が7カ月から10カ月という病院もあり、学生時代はその方がいいのかなと考えていましたが、色々なことを知らないと3年目以降に困りますので、必修科目を増やすのはいいと思います。

最後に、これから初期臨床研修病院を選ぶ医学生に向けて、メッセージをお願いします。

岩田:

人によって、合う病院は違いますから、直感を大事にしましょう。自分が合っていると感じた病院は病院側でもそう考えているのです。マッチングが全てではありません。ご縁を大切にしてください。

桑原:

研修病院に求めることは人によって違います。皆が良くても、自分には合わないこともあります。人気に関係なく、何が大事で外せないポイントなのかをきちんと決めておけば、自分に合う病院は必ず見つかります。

瀬越:

4カ月前は私も学生でしたし、偉そうなことは言えないので、当院のPRをさせてください。当院の先生方には熱意とユーモアがあり、ナイスガイばかりです。いい人とナイスガイは違います(笑)。尊敬できる方々が揃っていて、面接をする方々は本当に見る目があると思います。研修医の先輩、同期にも恵まれていますし、頑張っていこうと自然に思える病院です。

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