初期研修医インタビュー

社会福祉法人 函館厚生院

函館五稜郭病院

北海道函館市五稜郭町38番3号

名前 小熊 貴之
出身地 埼玉県さいたま市
出身大学 札幌医科大学
医師免許取得年度 2017年度
名前 吉田 敬
出身地 愛知県西春日井郡豊山町
出身大学 札幌医科大学
医師免許取得年度 2017年度

医師を目指したきっかけをお聞かせください。

小熊:

家の隣に消防署があり、小さい頃から救急救命士や消防士に憧れていて、高校に進学して進路を決めていくうえで、消防署の方たちと同じように人を助ける仕事に就きたかったんです。もともと手先が器用な方だったので、それを活かせるのが外科医の仕事だと思い、医学部に入り、医師を目指しました。

吉田:

高校のときに理系のクラスにいたのですが、同級生の5、6割くらいが医学部に行くという環境でした。そこで学校の先生と進路について色々と話した結果、「君は医師になれる」と言われたので、医学部を志しました。

学生生活ではどんなことが思い出に残っていますか。

吉田:

卒業した札幌医科大学はすごく熱心に部活動に取り組む大学です。私はバスケットボール部に入っていました。火、木、土と週3回、皆で練習に励んで、北医体や東医体などの大会に出たり、打ち上げで楽しんだりと、バスケ部で過ごしたことが一番の思い出となっています。

小熊:

吉田先生と同じように、私も弓道部で楽しく過ごしたことと、もう一つ思い出に残っているのが5年生のときの臨床実習です。初めて実臨床を肌で感じることができたというのがとても記憶に残っていますね。

大学卒業後、大学病院ではなく、研修先を函館五稜郭病院に決めた理由をお聞かせください。

小熊:

6年生の選択実習時に1カ月間、当院にお世話になったんです。そこで症例が豊富であることと指導医の先生も多くいらっしゃる恵まれた指導環境だと感じたので、初期研修もここでお世話になろうと決めました。

吉田:

私も6年生の5月に地域包括実習で当院の泌尿器科の方にお世話になり、そこで親身に教えてくれる指導医の先生方がいらっしゃったので、こちらに決めました。

函館五稜郭病院に実習に来られたときの印象はいかがでしたか。

吉田:

当院には研修医部屋がないのですが、逆にそのお蔭で先生方との距離がとても近くて、簡単な質問や普段の臨床で浮かんだ疑問を先生方に聞きやすい環境だと思いました。1、2年目の研修医の先生方もとても仲が良く、アットホームな雰囲気でしたし、看護師やコメディカルの方々が研修医に対して優しいという印象を持ちました。

小熊:

私も同じように、病院の設備や働くスタッフの方々を見て、いい環境だなと思いました。そして、函館という街が暮らすうえでも楽しい街だと感じました。

函館五稜郭病院での初期研修はイメージ通りですか。

小熊:

良い意味でイメージしていたよりも上の研修を行えているというのが率直な感想です。実習に来たときも手技などを色々とさせていただきましたが、1年目で外科を回っているときに腹腔鏡下の胆嚢摘出手術を2件もさせていただいたのですが、それは想像していなかったことです。指導医の数が充実しているからこそできることなので、そこは当院のすごいところですね。

吉田:

当院に来るにあたって、救急が弱いというイメージがあったのですが、今年度の4月から救急の専門医の先生に来ていただくことになり、思いがけず救急についても勉強させてもらえるようになりました。それまでは各科の先生からそれぞれの救急の知識を教えてもらっていましたが、救急専門医の先生が専門医としての知識を教えてくださるのはとても勉強になるので、毎日が楽しいです。

プログラムの自由度はいかがですか。

吉田:

2年目に9か月も自由選択があるので、自由度が高いです。9カ月という期間は特に少ないと思わないですね。

小熊:

2年目に9カ月、自由に回れるということですが、最初に決めた通りではなく、途中で回る科を変えていた先輩もいらっしゃいました。臨機応変に対応していただけるので、プログラムの自由度は高いと思います。

どういった診療科をローテートされていますか。

小熊:

今は腎臓内科を回っています。透析やシャント造設など、内科系と外科系が両方学べる、いい機会だと思っています。

吉田:

外科をローテートさせてもらっています。私は泌尿器科を目指しているので、将来的には泌尿器科の術場でも働くことになると思いますが、腹腔鏡で使うカメラを繋ぐなど、手術が始まるまでの流れを勉強しています。

院外での研修はありますか。

吉田:

函館五稜郭病院では脳神経外科を回ることができないので、函館脳神経外科病院と函館新都市病院にランダムに分かれて行くことがあります。私は函館脳神経外科病院に行かせていただきましたが、そこでもスタッフの方が優しく教えてくれて、とても勉強になりました。そのほか精神科では函館渡辺病院に行きましたが、そこでもスタッフの方が親身に教えてくださり、外の病院でも困ることは全くなかったです。

小熊:

同じように、脳神経外科と精神科で外の病院に行かせていただきました。私は外科志望ですが、術後せん妄の方や精神科の治療が必要になる患者さんはどこにでもいるということが分かったので、そういうことを学びに行く良い機会でした。函館渡辺病院は精神科だけで400床を越える大きな病院で、1カ月間しっかり精神科の先生に教えていただけて良かったと思っています。

どのような姿勢で初期研修に取り組んでいらっしゃいますか。

小熊:

研修するにあたって、知識を得る媒体は本をはじめ、色々とありますが、当院には数多くの先生がいらっしゃるので、先生ごとの異なる考え方があります。それらを一旦、全部吸収して消化したうえで、私にとってはどれが一番良いかを考えるという姿勢でいます。

吉田:

毎日、様々な分からないことに出会いますが、その日のうちにしっかり勉強して、次の日には答えられるようにしておきます。当たり前のことですが、そうすることにより、自分の知識を一つずつ確かな物にしています。

指導医の先生のご指導はいかがでしょうか。

吉田:

きつすぎず、楽すぎず、その人の学力に応じて、その人に合った負荷を与えてくださるので、とても勉強になります。自分が考えたことが正しいかどうかの判断を即座にしていただけ、すぐにフィードバックをいただける環境です。

小熊:

基本的には指導医の先生がマンツーマンで指導してくださるので、疑問に思ったことをその場ですぐに答えていただける点では非常に良いです。先生方と医局が一緒ということもあり、疑問点が出てくれば、その日の診療後に先生の席まで行ってお話を伺うこともできますので、恵まれた指導環境です。

函館五稜郭病院での初期研修で勉強になっていることはどんなことでしょう。

小熊:

色々とありますが、一つ挙げるとすれば、毎週水曜日の朝のモーニングレクチャーです。そこでは各科の先生やコメディカルの方が内容を考え、研修医のためになる話をしてくださいます。レクチャーで伺ったことは日常診療や救急の場で役に立っているので、自分から学ぶ機会を求めれば病院からも提供していただけるところが良いですね。

吉田:

全く同じです(笑)。

当直の体制について、お聞かせください。

吉田:

函館市輪番制の指定日というものがあります。函館五稜郭病院は月に6回ほど当たっており、指定日には平日だと9時から17時まで、研修医が3人、救急の先生が1人です。また、17時から朝9時までは違う研修医が3人と夜の23時までは救急の先生がいて、その後は内科と外科の先生が1人ずついます。非指定日は平日だと9時から17時までで、研修医1人、救急の先生1人となっています。

小熊:

これに関しては一緒です(笑)。

当直では、どんなことが勉強になっていますか。

小熊:

函館市輪番制の指定日には三次救急以外の急患が運ばれてきます。函館市内のみならず、道南地域から患者さんが運ばれてくるので、忙しい当直にはなりますが、大勢の患者さんの中から重症の患者さんを見つけ出したり、また軽症の患者さんであればいかに早く帰宅に結びつけるかというのを早いスピード感を持って勉強しています。

吉田:

地域医療の現状です。高齢者施設の入居者の方は痰詰まりなどの簡単なことでも酸素の値が少し下がっているということであれば救急車で運ばれてくるのですが、実際はそういう患者さんは入院適用にならず、すぐ帰ることができるんです。そういった軽症の処置をどこまで高齢者施設で行うのかという基準を地域や国全体で考え、もう少し引き上げていただければ、本当に重症の患者さんが救急車を逃すことがなくなるのではないかと思います。

カンファレンスの雰囲気はいかがですか。

吉田:

消化器内科のカンファレンスは朝の8時から行っています。若手の先生が難しい症例を説明し、どういうことで困っているのかを上の先生が聞くことによって、正しい治療選択を教えてくださる環境がとても良いと思います。

小熊:

どの科でも言えることですが、大学でのカンファレンスみたいな殺伐とした雰囲気の中というよりは上の先生も下の先生も一緒に患者さんを診ていこうという雰囲気の中で行われているので、研修医も自分の意見を言いやすい環境です。

コメディカルの方たちとのコミュニケーションはいかがですか。

小熊:

看護師さんをはじめ、色々なコメディカルの方がおられますが、コミュニケーションに関しては良好です。診療するうえで大切な患者さんの情報共有をしやすい環境で、お互いに患者さんのことを考え、思っていることを積極的に言い合っています。

吉田:

本当に優しくて明るくて仕事ができる方が多いです。我々研修医は社会人1年目なので、分からないことも多いのですが、皆さんが親身になって教えてくださるので、とても助かっています。

研修医同士のコミュニケーションは活発ですか。

吉田:

グループごとに分かれてはいますが、週に1回ぐらいは飲みに行って、日頃の疑問などを色々と話し合っています。札幌医科大学出身の研修医が多いのですが、ほかの大学から研修に来る人を敬遠することは全くありません。色々な場所から来ていただければ、より多様な話ができていいかと思います。

小熊:

医局内にソファーが置いてあり、そこでくだらない話から真面目な話まで、研修医が年次問わず集まって会話しているような環境です。病院の外にも色々なお店があるので、院外でのコミュニケーションも活発です。

ご趣味など、プライベートの過ごし方について教えてください。

小熊:

やはり函館には美味しいお店が多くあるので、時間があるときは散歩がてら気になったお店に入って、ご飯を楽しんだりしています。海が近いので、釣りもたまにしています。

吉田:

私も美味しいものを食べるのが好きなので、函館のグルメを色々と楽しんで、誰かが函館に来てくれたときに美味しいお店を紹介できるようにしています。

今後のご予定をお聞かせください。

吉田:

2年目は函館五稜郭病院でお世話になり、3年目は札幌医科大学の泌尿器科に入局する予定です。3年目は大学、4年目から8年目くらいまでは外の病院を1年ぐらいで転々として、そのあとは大学院に入って博士号を取ったり、海外に留学したりしたいと考えています。

小熊:

同じく2年目は函館五稜郭病院で研修したあと、札幌医科大学の旧第一外科、今の消化器・総合、乳腺・内分泌外科講座に入局する予定です。最終的には肝胆膵の手術ができる消化器外科医になりたいので、高度技能専門医の取得を目指して、キャリアを重ねていけたらと思っています。

将来の診療科を目指している理由を教えてください。

吉田:

泌尿器科を目指したのはダ・ヴィンチを見て、かっこいいと思ったからです。大学だと触って練習できる場所もありますので、そこで触って、やはりかっこいいと改めて思ったのが一番の理由でしょうか(笑)。

小熊:

実習で外科手術を見せていただいた際、手術室での外科の先生方の熱いやり取りを見て、私もやってみたいという思いが強くなりました。私としては外科の方が内科よりも自分の手で直接、患者さんを治している印象を受けたので、外科を選びました。

現在の臨床研修制度に関して、ご意見をお願いします。

小熊:

最初は私のように志望する科が決まっている人にとってはほかの科も回らなくてはいけない退屈な期間なのかもと思っていましたが、実際に初期研修が始まってみると、自分が志望する科をほかの科から客観的に見ることができるのは今だけだということに気づきました。そういった面で、今の初期研修制度は良い部分がありますね。

吉田:

私は泌尿器科というマイナーな科を志望していますが、お腹が痛いとか、胸が痛いとか、どのレベルでコンサルトして他科に送るべきかを判断する基準や答えを研修医である今のうちに聞けるところが良いですね。将来、どこまで自分の科で診て、どこからほかの科へ送っていいのか迷うときが来るのでしょうが、こういうことは若いときでないと聞きづらいので、疑問に対する答えをしっかり聞ける初期研修医の期間は素敵だと考えています。

最後に、これから初期臨床研修病院を選ぶ医学生に向けて、メッセージをお願いします。

吉田:

函館五稜郭病院は症例数に事欠くことがありません。何より上の先生方が教育熱心で事務方も研修医のことを考えてくださっています。函館は人が優しく、街も綺麗で住みやすいです。私は入ってから一回も後悔したことはないし、絶対に後悔はさせませんので、研修先の一つに考えてみてはいかがでしょうか。

小熊:

研修先を選ぶにあたって症例数、住む街、指導医数、給料など、色々と基準があると思いますが、函館五稜郭病院はどれか一つが突出しているというよりは万遍なくあるという点でバランスが良い病院です。道内の学生はもちろん、全国の主要空港から函館空港まで便が出ていますので、道外の方もまずは気軽に病院見学に来てもらえたら嬉しいです。

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