初期研修医インタビュー

愛知県厚生農業協同組合連合会

渥美病院

愛知県田原市神戸町赤石1-1

名前 若林 正浩 先生
出身地 愛知県名古屋市
出身大学 岐阜大学
医師免許取得年度 2014年

医師を目指したきっかけをお聞かせください。

僕はもともと、研究医を目指していました。きっかけは2つあります。1つ目は小学生のとき、がん細胞をレーザーで除去するテレビ番組を見て、すごいことをしているな、医師は面白そうだなと思ったことです。2つ目は理系科目が得意だった高校時代、研究者として働くことに興味を持ち、調べる中で「21世紀は物理よりも生物の時代だ!」と思ったことです。
そして、志したとおり、卒業後は初期研修を行わず、博士号を取り研究者となるべく総合研究大学院大学に進学しました。そこで4年間研究を行いましたが、臨床を経験したいとの思いが強くなり、博士号を取得したタイミングで研究の分野を離れ、4年遅れで初期研修をさせていただいています。

学生生活ではどんなことが思い出に残っていますか。

所属していたラグビー部での活動が思い出に残っています。僕は運動があまり得意ではなかったのですが、ラグビーは1チーム15人制と他のスポーツに比べて出場選手が多く、ポジション毎に役割が細分化されていて、活躍できる場が用意されていたので楽しかったです。オールラウンダーがいる一方で、自分の役割の専門性を突き詰めていくプレイヤーもいるラグビーという競技は、今思えば医師の世界と似たものを感じます。
学業の部分では、普通、医学部は臨床医を目指すところなので、臨床医にはならないと決めていた僕は、学年では少し浮いた存在でした(笑)。ちょっと危ない成績でしたが、何とか卒業できました。

研究医から臨床医になろうと思った理由を教えてください。

僕には研究は向いていないと気付いたからです。「最先端の研究を行い、医療の発展に貢献したい」というロマンを抱いて研究の道を選んだものの、何も分かっていない最先端の研究とは、実際は、トライ&エラーを繰り返し証拠を積み重ねていくことでした。「最先端」という言葉はかっこいいのですが、実際の研究の現場が想像以上に地味な作業の繰り返しで・・・。そのギャップに苦しみ、研究自体も順調に進まなかったことで、「臨床の分野にも目を向けてみよう」と考えたことが、臨床医を目指したきっかけです。

他の人とは少し変わった経歴をお持ちですが、初期研修先の病院はどのように探しましたか?

卒業研究の関係で、就職活動を始められたのはマッチングが終了してからのことだったので、二次募集を行っている病院を探すことにしました。4年間のブランクがあるため、大病院は避け、地元の近い愛知、三重、岐阜の東海3県の中で急性期病床が300床前後ある二次救急病院に狙いを定めました。
ただし、人気があるはずの都市部の病院が二次募集しているのは何か理由があるのではと不安になったので、候補から外しました。むしろ地理的に恵まれていない病院は、立地条件の悪さで二次募集をしているだけで、実は魅力的な可能性があるのではないかと考えて、どちらかというと田舎にある病院へ5カ所ほど見学に行きました。

渥美病院の見学はいかがでしたか。

1泊2日で見学させていただきました。1日目の午前が循環器内科、午後が消化器内科、2日目の午前が脳神経外科で、午後が整形外科でした。1日目はひとまず内科、2日目は僕の現在の志望科である脳神経外科と、病院からおすすめされた整形外科を見学させていただきました。見学内容はとても充実していて、指導医の先生方の人柄や病院全体の雰囲気の良さが特に強く印象に残りました。症例数が少ないのではと不安でしたが、案外そうでもなかったのも良かった点の1つです。
僕は愛知県出身ですが、県最南端の渥美半島に足を踏み入れたのは初めてでした。海が近くて、田んぼが広がっているのかなというイメージでしたが、意外に田舎ではない印象を受けました。また、病院が綺麗でした。

渥美病院を初期研修先に選んだのはどうしてですか。

指導医の先生方の人柄や病院全体の雰囲気の良さに惹かれたからです。他にも、待遇の良さや医師の業務負担軽減に力を入れていて、研修に集中できる体制が敷かれているところも魅力的に感じました。渥美病院は何か特定のポイントがものすごく強いというわけではありませんが、色んな部分でバランスの良さを感じたことが決め手でしたね。
あと、定員が2名と少ないので、同期がいるかどうかも気になるポイントでした。渥美病院はマッチングにて既に1名の採用が決まっていたので、その点も安心できました。

今まで回った中で、心に残っている診療科はありますか。

消化器内科で終末期の患者さまを担当したときのことが心に残っています。渥美病院は急性期を中心としていますが、半島唯一の病院なので回復期や療養期の医療も提供しています。二人の似た症例で終末期の患者さんを担当させていただいたときのことです。一人はご家族が積極的な治療を強く望まれましたが、もう一人は積極的な治療は受けたくないと望まれました。僕は最初、積極的な治療をしないという価値観がよく分かりませんでしたが、上級医の先生主導の元、二人の患者さんの意思を最大限尊重しながら経過を診ていくことにしました。
その結果、積極的な治療を希望された患者さんが先に亡くなられたんです。終末期になると、様々な合併症があって、積極的な治療が困難なケースが多々あります。この経験を通じて、積極的な治療することのデメリット、残された時間を充実させることの重要性を理解できました。

渥美病院の研修で、一番勉強になっていることをお聞かせください。

やはり救急ですね。最初は先輩医師の救急対応を見学させていただくだけでしたが、徐々に任せていただける範囲が増えてきました。患者さんに「僕は研修医なので・・・」と不安にさせるような発言をしてしまって注意されたこともありましたが、今では基本的な初期対応をほとんど一人で行い、最後にチェックしていただくまでに成長することができました。少し厳しい指導をいただいたこともありますが、上達している実感があります。この「成長している」という感覚が、他の研修の意欲にも繋がっています。

当直はどのような体制ですか。

当直には4月の第3週から入りました。当直月3回、日直月1回で、合計4回が基本です。僕は当直を週に1回ずつ入れて、週末の日直に気が向くだけ入れていくので、月に5、6回入っています。休日の昼間の日直帯は基本的には内科系と外科系の先生が1人ずついて、そこに僕が加わり、3人で診るという体制です。当直は全科直と言って、内科、外科を含めて全てを1人の先生が担当し、そこに僕が入って2人で対応します。
2年目からは1人で当直するので、今は仕上げで鍛えてもらっている時期です。病院の隣に医師住宅があり、連絡体制も整っているのでコンサルトしやすい環境ですが、やはり1人での当直は緊張します。渥美病院で初期研修された先生方は「度胸とコンサルテーション能力がすごく身に付いた」とおっしゃっていますね。

渥美病院のプログラムの特徴について、お話しいただけますか。

2年目に関しては自由に組ませていただけますが、1年目は医師になりたてで、どう決めていいのか分からないのに「ご自由にどうぞ」と言われても困るので、上の先生に主導していただいて、カリキュラムをある程度、決定していただいています。もちろん回りたい科があれば、希望を入れることもできます。
プログラムを自由に組むことができますが、自由すぎて困ることもなく、バランスが良いです。

渥美病院での初期研修で良いところはどんなところでしょうか。

職員数が500名程度と、決して小さい病院ではありませんが、研修医の人数が少ないので、ほぼ全ての方が僕のことを知ってくださっています。先輩方はかわいがってくださいますし、職種の垣根なく若手の男性職員の仲が良いところも助かっています。僕自身は受け身になりがちですが、面倒見がいい人が多く、ありがたい限りです。研修医室は若手の先生のたまり場になっていて、気軽に相談できる雰囲気がありますね。
また、給料もいいし、雑務もそこまでないので、毎日10時まで残るような忙しさはありません。理不尽に忙しいことがないので、快適な研修医ライフを送れます。ワーク・ライフ・バランスが良く、自分のペースで研修できます。当直明けは帰れますので、体力がない人にもお勧めです。都会の病院は当直では絶対に寝られないと聞きますが、当院では3~4時間ぐらいの仮眠が取れることが多いです。
そして、研修医の意見が通りやすいことも良いところです。こちらから要望を上げると、研修委員会でその問題や議題が共有されて、スピーディな対応をしていただけます。例えば、僕が就職した当初は、救急対応能力を早めに身に付けるために、勤務時間内の救急車対応は原則研修医が同席するルールになっていましたが、現在はローテートしている診療科の救急のみ対応するルールに変更されています。これは、5月の外科ローテートの際に連日救急対応に追われ、外科の経験が十分にできない状況が発生したことが理由です。即座に上級医の先生が問題を更に上の先生方と共有してくださり、5月のうちにルールが変更されました。このような柔軟かつスピーディに研修医の意見を取り入れてくれる体制は、大病院にはないと思います。

研修を終えた後の進路について、教えてください。

僕はもともと脳の研究をしていたので、脳の領域に興味がありました。最初は外科系に苦手意識があったので脳神経内科進みたいと考えていましたが、今では脳神経外科に興味を持っています。きっかけは、ローテートで外科の手術に入り、色々と経験させてもらっているうちに面白さを感じたことです。

ご趣味など、プライベートの過ごし方について教えてください。

僕は、高校時代は自転車部に所属していました。今も自転車に乗って旅するのが好きなので、クロスバイクで近場をツーリングしています。週末には豊橋・豊川や伊良湖岬の方まで行って帰ってくるというのをたびたびやっています。渥美半島は半島の中に海もあれば、蔵王山などの山もあります。つい先日サーフィンの世界大会があり、僕も見に行きました。毎年、トライアスロン大会もあり、余暇を充実させるには良い場所だと思います。

初期臨床研修病院を選ぶポイントなど、医学生に向けてメッセージをお願いします。

三次救急だったり、特定の領域に高い専門性を持つ病院も魅力的ですが、待遇を含めたトータルのバランスを考慮することも大切だと思います。
渥美病院は、研修内容、人間関係、待遇、プライベートの時間など、とてもバランスのとれた病院ですよ!

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