初期研修医インタビュー

社会福祉法人 恩賜財団

済生会熊本病院

熊本県熊本市南区近見5丁目3番1号

名前 川内 健太郎 先生
出身地 長崎県佐世保市
出身大学 熊本大学
医師免許取得年度 2016年度
名前 大町 一樹 先生
出身地 熊本県熊本市
出身大学 久留米大学
医師免許取得年度 2017年度

医師を目指したきっかけをお聞かせください。

川内:

もともとは医学系の研究がしたくて、研究した内容を医療に役立ててほしいと思い、医師を目指しました。研究したい内容も熊本大学にあったので、長崎から熊大にやって来ました。

大町:

父が外科医をしています。大変なのに家では仕事がきつい感じを出さず、むしろ活き活きと仕事をしているのを見て、「充実していて、生き甲斐のある仕事なんだな」と感じたのがきっかけです。父の患者さんに対する思いを聞いて、本格的に医師を目指そうと考えました。

学生生活ではどんなことが思い出に残っていますか。

大町:

野球部に所属していたのですが、大学内で一番ハードな部活動で、試合に勝つことにこだわってやっていました。その中でも応援に来てくださる医師の方々や監督から生き方について教えていただけたことが野球部での時間が一番の思い出です。

川内:

私は硬式テニス部に所属していました。部内が大変な時期だったのですが、部活動を存続させるためにOBの方々や同級生と頑張ったことが印象に残っています。

大学卒業後、大学病院ではなく、研修先を済生会熊本病院に決めた理由をお聞かせください。

川内:

最初から市中病院を希望していました。初期研修は救急がある程度できるところで、かつ研修医が少しでも介入できる余地があるところでしたいと考えていたからです。済生会熊本病院を選んだのは見学させていただいた際に職員の方々の雰囲気が良かったためです。すごく働きやすそうだなという印象を受けました。

大町:

大学は久留米で、熊本ではなかったのですが、ゆくゆくは熊本でと考えていたので、熊本の病院を探していました。初期研修の間に急性期の患者さんを診て、自分でトリアージや初期治療ができるようになりたいと思い、市中病院にしました。私も当院を見学したときに色々な先生に良くしていただき、実習のときも丁寧に指導していただいたので、そういった優しい雰囲気に惹かれて、選びました。

済生会熊本病院に見学に来られたときの印象やイメージはいかがでしたか。

大町:

学生時代は救急車が多く来る病院なので殺伐としているのかなとイメージしていましたが、実際に研修が始まってみると、救急外来の先生方は活き活きと仕事をされていますし、皆さんフランクに接してくださるので、私がイメージしていたものと違いましたね。

川内:

医学的なことではないのですが、事務系のスタッフさん含め、皆さんが挨拶をしてくれたのがとても印象的でした。カンファレンスなどで先生方とは交流する機会があるんですが、他職種の方でも廊下ですれ違ったときに学生に対して声をかけてくださるのが素敵な雰囲気だなと感じました。

川内先生は2年目ですが、済生会熊本病院での初期研修はイメージ通りですか。

川内:

学生のときはなかなかうまくイメージできていなかったのですが、振り返ってみると、自分がしたいことやできるようになりたいことは充分経験させていただけるようになっていると思います。幅広い範囲の疾患を診たり、大学病院に匹敵するくらいの高度医療もしていますので、かなり充実した内容で研修できていると感じます。

大町先生は初期研修が始まり、約半年が経ちますが、イメージと違うところはありますか。

大町:

最初は「自分の生活を切り詰めてやっていくのが研修医だ」と思っていたのですが、自分の時間も結構取れて、しっかり勉強もできています。もちろん診療科によって忙しい時期もありますが、すごく充実していると感じます。

プログラムの自由度はいかがですか。

大町:

自由に自分で選択して、希望通りに回れています。

川内:

もともと当院は研修医が多い方ではないですし、特に2年目の研修医は院外に出ているので、事実上、院内にいる人数は20人程度になります。それに加えて、診療科の医師数は多いので、受け入れる体制がきちんと整っている分、自分の希望が通りやすい環境にあるのかなと思います。当院にない科については院外に出てしっかり研修できました。結果的には何でも対応できるプログラムだと思います。

どういった診療科をローテートされていますか。

川内:

今は神経内科です。1年目の最初に回った科ですが、指導医の先生がかなり熱心に指導してくださいますので、もう一度お世話になりたいと思い、現在2回目を回らせていただいています。まだ研修を始めて3日目なので、患者さんをほとんど診られてはいないのですが、指導医の先生が医学的知識だけではなく、色々なことを教えてくださいます。改めて研修させていただくことで、もう一段階上のことを教えていただけるので、とても有り難いですね。

大町:

私は救急科です。救急外来で対応することが多いので、様々な患者さんを診ることが多く、それぞれの疾患に対する勉強になります。私が患者さんを受け持つときは上の先生がサポートしてくれますし、「どこに着目すべきか」、「どういうふうに今後治療していったらいいか」など細かく指導してくださいます。1人の先生につきっきりというより、色々な先生が様々な方法で教えてくださるので、知識の幅が増えていくのがいいなと思っています。

院外での研修はありますか。

川内:

私が行ったのは人吉医療センターです。そこも基幹型の研修病院で、地域の中核のような病院でした。当院にはない小児科や産婦人科もありましたし、ERでは小児科系の救急も経験できたので、当院ではできなかった経験ができましたね。

どのような姿勢で初期研修に取り組んでいらっしゃいますか。

大町:

積極的に患者さんを診て、手技をして、1つでも多くの経験を積めるようにと意識しています。

川内:

将来ならないからと思って研修するのではなく、将来この科の医師になるかもしれないと思って、研修するようにしています。神経内科を回っていても、私は将来的には神経内科医になることはないのですが、神経内科医になってもいいぐらいの知識量を入れる気持ちで研修させていただいています。

指導医の先生のご指導はいかがでしょうか。

川内:

救急科に関して言えば、1対1の関係ではないです。指導医が1人ついてくださるのですが、実際は自分が受け持った患者さんの主治医が事実上の指導医みたいな形ですね。ほかの科でも1対1の関係と言うよりは全体で1人を見てくれている環境なのかなと思います。

大町:

1対1の関係ではないということで責任が分散して希薄な関係になるのかなと気になっていたのですが、救急科を回ってみると様々な先生が熱心に教えてくださいますし、皆さん教育的ですので、多くの知識が得られていると感じます。

済生会熊本病院での初期研修で勉強になっていることはどんなことでしょう。

大町:

準夜帯での救急対応ですね。各科に出ても、それぞれの科に回ってきた患者さんを診る際に「今、この患者さんにはどういった処置が必要か」を判断するためにどのように考えたらいいかということがとても勉強になります。

川内:

コメディカルの方から教えていただくことが多いです。特に当院では多くのコメディカルの方がいて、それぞれ専門性にプライドを持って、かなり深くまで勉強されている方ばかりです。学生時代に勉強するのはやはり医学的な知識でしかないことが多いので、これまで知る機会がなかった部分をしっかり勉強させていただきました。

何か失敗談はありますか。

川内:

ちょっとした処方間違いをしてしまったことです。その時は、すぐに薬剤部で確認されて修正されたのですが、一人前になるために細かなミスをできるだけ減らしていく努力が必要だなと感じました。そういった意味でもコ・メディカルのサポートはとても助かっています。

大町:

循環器内科にいたときに、入院中に脳梗塞になったかもしれないという患者さんがいました。神経内科の先生にコンサルトしたのですが、必要な情報を聞かれて答えられず、「ちゃんとアセスメントしてから相談しろ」とかなり叱られました。

当直の体制について、お聞かせください。

大町:

基本的に17時から21時までの準夜帯の救急外来を初期研修医2人と部長クラスの先生の3人体制で行います。夜間の当直は個人の希望、もしくは診療科からの指示を受けて行います。救急車が来た瞬間から各科にコンサルトするまでを研修医が担当するのですが、部長クラスの先生に相談しながら行います。

川内:

夜間の当直は義務的にはないです。大町先生が言ったように、初期研修医は夜間当直が基本的にないですし、もしあったとしても翌日が休みになります。これは当院の大きな特徴だと思います。かなり恵まれていますね(笑)。

カンファレンスの雰囲気はいかがですか。

川内:

外科と内科が合同で行うカンファレンスが多いです。今、回っている神経内科もほとんど毎日、脳神経外科と合同カンファレンスを行っています。そのため、カンファレンスの質を高めやすくなっていると思いますし、研修医が症例を発表する機会が多いですが、怖い雰囲気で叱りつけられるような指導はありません。1対1と言うよりは全体でわいわいと話すカンファレンスもあるので、雰囲気が良く、重くなり過ぎないカンファレンスになっています。

大町:

カンファレンス自体は毎日のようにある科がほとんどで、研修医が発表する機会も多く与えてくださいますし、勉強になります。皆で意見し合うような診療科が多いので、自分に足りない情報も上の先生が詳しく教えてくださいますし、外科での術前カンファレンスではどういうふうに発表するかを先生が見てくださいます。

コメディカルの方たちとのコミュニケーションはいかがですか。

大町:

コメディカルの方との接触で一番勉強になったのが各病棟にいる薬剤師さんですね。薬の知識は名前を知っている程度なので、患者さんにどの種類をどのくらいの量で処方すればいいのか全く分からない状態のとき、薬剤師さんに質問したら、親切に教えてくださり、様々な資料を見せていただいたこともありました。研修医だからと突き放されるようなこともなく、熱心に教えてくださり、とても助かりました。

川内:

大町先生が言ったように、学生時代にあまり学べなかったようなことに関して言うと、栄養士の方々の知識がとても勉強になりますね。一般病棟だと普通の食事を食べられる方が多いのですが、集中治療の領域や重症患者さんになると「栄養をどうしていくか、排便が良くないからどうしようか」といったことを議論する場面があるので、助けられています。

1年目、2年目の方を含め、初期研修医同士のコミュニケーションは活発ですか。

川内:

先ほど2年目は院外へ出る人が多いと言いましたが、1年目が入ってきて、最初の2カ月は2年目の人もほぼ院内にいます。その間にコミュニケーションはしっかり取れますし、準夜帯は1年目と2年目がペアになるように調整しているので、教え合ったりできます。医局や研修医の勉強部屋などに集まって、話したりしていますよ。初期研修医はほぼ寮住まいですので、呼べばすぐに集まれるような環境ですね(笑)。

大町:

様々な大学から集まってきているので、最初はどう接していいか分からなかったのですが、今はプライベートでお酒を飲みに行ったり、遊びに行ったりと、活発に活動しています。院内では同期同士で情報の共有や近況の報告などをして、切磋琢磨しています。

今後のご予定をお聞かせください。

大町:

学生のときから外科系に進もうと考えていました。そこで、研修の一つ目に消化器外科を回らせていただいたのですが、1日に何件かの長時間の手術に入ったりして、大きな充実感を得ましたし、先生からも熱心にご指導していただいたので、「やっぱり外科に進みたい」と思いましたね。

川内:

救急科に進む予定です。もともとは神経内科志望で、少なくとも内科系に進もうと思っていましたが、1年目のときに全国で開催されている「メディカルラリー」という救急の大会に上の先生と出場しました。そのとき、知識がないために何もできない自分に腹が立ち、救急についてもっと勉強しようと痛感したんです。研修を通して重症管理の面白さを感じたことも理由の一つです。専門医研修の3年間で救急科の専門医を取得して、最終的には集中治療の専門医を取得したいですね。後期研修先はICUがきちんとあって、救急をしつつも、病棟もしっかり診られるところを条件に探しました。なかなか見つからなかったのですが、奈良県に魅力的な病院があったので、そこに行くことになりました。経験を積んで、いずれは当院の救急科に戻りたいと考えています。

ご趣味など、プライベートの過ごし方について、教えてください。

川内:

先ほど言ったように、夜間当直があまりないですし、帰宅後は基本的に病院から連絡が来ないので、休息は取れています。休みの日は家でゴロゴロしていますね(笑)。同期や後輩と飲みに行ったり、カラオケに行くことが多いです。たまにテニスをして、汗を流しています。

大町:

飲みに行くことが多いです。同期も誰かしら暇にしているので、一緒に飲んでいます(笑)。

現在の臨床研修制度に関して、ご意見をお願いします。

大町:

あまり期間が短いと熱が入らなくなったりもするので、将来、選択する科により長い期間いられたらいいなと思います。

川内:

科を回ってみないと分からないこともありますし、回ることで知識もつきますので、偏らない医師を育成するには良い制度ではないでしょうか。院外に出て感じたことですが、複数の病院に行った方がいいです。何でも経験できる病院にずっといるというのは過ごしやすいのは間違いないですが、環境が変わることで、地域によって求められている医療の違いを肌で感じられるのはとても勉強になります。

最後に、これから初期臨床研修病院を選ぶ医学生に向けて、メッセージをお願いします。

大町:

研修先を決める時は周りの評価や噂に流されず、多く見学に行って、自分が良いなと思った病院に決めることをお勧めします。済生会熊本病院は楽しく充実した研修ができる環境です。

川内:

自分が働きやすい環境かというところが研修先を決めるのに重要になってくると思いますが、そういった意味では済生会熊本病院はとても良い環境です。ほかの病院の研修医と比較してみても、知識、実力ともに全く引けを取らず、しっかりとした研修ができますよ。

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