初期研修医インタビュー

医療法人

明和病院

兵庫県西宮市上鳴尾町4-31

名前 佐浦 龍太郎 研修医
出身地 兵庫県西宮市
出身大学 兵庫医科大学
医師免許取得年度 2015年
名前 坪谷 一樹 研修医
出身地 兵庫県高砂市
出身大学 神戸大学
医師免許取得年度 2016年

医師を目指したきっかけをお聞かせください。

坪谷:

私は親が医師ではなく親戚に医療関係者がいたわけでもありません。小さいときは医師になろうとは全く考えていませんでしたが、高校生のときに親戚や周りの知り合いに病気になった人が増えてきたのを見て、自分の周りの人ぐらいは診られるようになれたらいいな、幸せにできたらいいなと思って医学部を目指しました。

佐浦:

父親が医師だったので、小さい頃から影響を受けて目指したというのが一番大きい理由ですね。

学生生活ではどんなことが思い出に残っていますか。

坪谷:

私はどちらかと言うと勉強よりも部活動ばかりしていました。ソフトテニスをやっていたのですが、医学部の部活大会に向けて、6年間メンバーと一緒に目標に向かって頑張っていました。大学の部活動は高校と異なり、自分たちで運営するのですが、幹部学年で運営する年にはキャプテンをさせてもらいました。医師はコメディカルスタッフに対してリーダーとして動かなければならないところもあるので、部活動で経験したことは今後に活かせられると思っています。

佐浦:

私の大学はかなり勉強が忙しい大学でしたので、勉強と部活動の両立が大変だったという思い出です。

学生時代と今と比べたら、どうでしょうか。

佐浦:

今の方が楽しいですね。患者さんを実際に診て、この患者さんを治したいと思って勉強するのでやる気になります。患者さんにどの薬を使おうかというのも勉強です。患者さんを診たこともない状況で紙の上での○☓の問題を解くよりも、上級医の先生と「こういうときは☓だけどこの薬を使うべきだ」とか「こういう患者さんはこちらの薬の方がいいのでは」といったように、臨床現場で勉強をするのはやはり楽しいです。

学生のポリクリとの違いも実感されていますか。

佐浦:

実感していますね。学生のときは患者さんもこちらを学生として見ています。しかし、当院の救急外来に来る患者さんは初期研修医を普通の医師として見ていますから、患者さんへの接し方は意識しています。

坪谷:

全く違いますね。ポリクリはお客様扱いですし、患者さんにも学生として接します。患者さんからも先生方からも学生という立場なんです。今は初期研修医として働きお給料もいただいていますので、一社会人として責任もあります。若くても患者さんにとっては一人の医師なので、その患者さんをしっかり診なければならない、学生のときのような受け身な姿勢ではいけないと思っています。患者さんのためにも勉強しなければ駄目だという意識に変わりました。

大学卒業後、大学病院ではなく、研修先を明和病院に決めた理由をお聞かせください。

坪谷:

大学病院の疾患は難しい症例が多く、市中病院では診られないような患者さんが入院されています。私は医師になりたての2年間は難しい症例よりも一般的な症例が診たかったのですが、大学病院は初期研修医の人数が多いので、あまり手技ができず雑用が多いイメージがありました。患者さんを病棟で診て、難しい疾患をカンファレンスで発表するのは3年目以降に専門分野に進んでからでいいと考えたので、市中病院を選びました。市中病院での2年間で色々な科をローテートし、コモンディジーズを多く診て、初期対応がしっかりできるようになりたかったんです。その中でも明和病院を選んだのは初期研修医がERでファーストタッチできるからです。外来で何も分からない状態から、自分で診察し、検査をオーダーし、ある程度の診断をつけるところまでできるのが特徴だと聞いていました。また、ほかの市中病院では3ヵ月間のみ救急を研修するところが多いのですが、当院は2年間を通して、平日の日中などにも交代で救急に入れます。3ヵ月だけだとすぐに忘れそうな気がしたので、初期対応能力を身につけるために明和病院を選びました。

佐浦:

私は医師になりたてのときに学んだことがその後の医師人生に強く影響を及ぼすと思い、忙しい病院を希望していました。大学病院は医師の人数や科も多いので、ゆったり回るような印象がありましたが、市中病院は小さくスタッフも少ないので、力がつくだろうと考え市中病院にしました。明和病院を選んだのはやはり救急が忙しい病院だと聞いたからです。初期研修先を選ぶにあたっては皆、救急が気になるところで、私も二次救急の良い病院を探していました。救急で有名な病院はほかにもありますが、三次救急があると忙しすぎて、勉強にならない気がしました。疲弊するだけの研修だと損ですし、逆に緩すぎると勉強にならないので、私は二次救急をしっかり学ぼうと思い、2年間を通じて救急に入れる明和病院を選びました。

佐浦先生は2年目ですが、1年目のときと比べていかがですか。

佐浦:

できることが増えたり、患者さんを診察する能力が上がるなど全く違うと思います。指導医の栁先生がおっしゃっていたように、臨床能力が本当に身につきます。1年目の初期研修医を見ると、「私もこんなふうだったかな」と思いますし、教える立場になると、自分の力がついていることを実感します。2年目になると診療に余裕が出てきて、考える時間に当てることができたり、勉強できる時間が増えるのでいいですね。今は自由選択期間で救急をしっかり勉強しつつ、3年目以降に向けての勉強もしています。1年目で内科、外科、救急が必須ですし、そこは回り切っているので、後期研修での科目をゆっくり選べる時間があります。

指導医の先生や研修医の先輩のご指導はいかがでしょうか。

坪谷:

初期研修医の先輩方はよく教えてくれ、面倒も見てくれます。私は佐浦先生に教えていただいていますが、学生から医師になり、何も分からない状況の中で、救急に一緒に入ってくださいました。日中の仕事もあるのに、私たちのために付きっきりで教えてくださいます。分からないときに電話をしたら教えてくださったり、対応してくださったりお世話になっています。最初は不安でしたが、先輩方のお蔭で何とか軌道に乗ってきました。指導医の先生は今3人いますが、質問もしやすいですし、優しく教えていただいています。私たちのために講義をしてくださったり、「一緒に勉強しよう」と勉強会もしてくださるんです。手技やカテーテルなども初期研修医に真っ先にさせてくださいます。でも「今日は疲れてるやろ、もういいよ」とか「しんどいやろ、この日は休んでいいよ」と緩くしてくださる先生もいらっしゃいます(笑)。

佐浦先生が1年目の研修医の先生を教えるときに、ご自身の1年目の頃を踏まえて心掛けて指導されていることがあれば、教えてください。

佐浦:

私も最初は患者さんとどう接していいのか全く分からず怖かったんです。こういう病気にはこういう薬を使うと知っていても、患者さんへの説明の仕方が分からず悩んだときもありました。それで1年目の初期研修医には患者さんへの接し方をメインに教えています。一人では何もできませんので、看護師さんやコメディカルスタッフとどう仲良くなるかということも言いましたね。手技もコツは伝えますが、それがうまくなるのは本人の努力次第ですから、手技よりもカルテの書き方や事務的なことなど彼らが早く研修を楽しめてスムーズにいけるようなことを教えるようにしています。

教える中で難しかったことはありますか。

佐浦:

今年入ってきた初期研修医は皆優秀なのでほとんどないと思います。ただ、患者さんが次から次へと来られるので、早く対応しなければならない中、これでいいのかと考え込んでいる後輩が「考えているのか」「分かっていないのか」が把握できなかったことがありました。そこで「分からなければもっと言ってくれていいで」と言ったりもしたのですが、何が分かっていないのかを私も把握できないので、「これが分からない」と言ってくれればと思ったことはありました。

坪谷先生は初期研修の中で難しいことや先輩に教えてもらっても、なかなかうまくできないことはありますか。

坪谷:

何が分からないというよりも、何もかも分からないです(笑)。これまで勉強してきた知識は基盤としては絶対に必要なのですが、実際の臨床にはほとんど役に立たないということに気づくことから始まりましたね。先生方も理解はしてくださっていますが、全てが分からない状態の中で何から手をつけていいのか、まずは何ができるのか何が必要なのかを考えています。今もまだ手探りですが、先輩方にアドバイスをいただきながら、徐々に慣れていっています。

何か失敗談はありますか。

坪谷:

失敗談は一杯あります(笑)。やはりコミュニケーションでの報連相は大事ですね。何も分かっていない4月末か5月の初めの休みの日にブルーコールが鳴って病棟に赴いた時、患者さんのベッドの移動に際して、色々と連絡をしなければならなかったのですが、私はよく分かっていなかったんですね。ICの際にその連絡が抜けてしまいトラブルになりかけたことがありました。

佐浦:

救急の話ばかりになってしまいますが、若い女性が腹痛を主訴に来院したので、画像検査を行いました。そのときは外科と内科の先生と私がいたのですが、異常はないと考え、帰宅可能と判断しました。すると翌朝、放射線科の読影医から異常所見があるから、すぐに患者さんに伝えた方が良いと指導していただきました。放射線科の先生は毎朝、時間外に撮影された画像を読影されるのですが、細かいところまでしっかり教えてくださって、サポートしてくださるので助かります。私はへこみましたけどね(笑)。その失敗を忘れずそれを機に勉強しました。私にとっては貴重な経験となり、若い女性をより注意して診るようになりましたし、夜間でも読影の先生にコンサルトするようになりました。どの病院でも患者さんを帰宅させた後で何かあったというケースがありますが、当院はそういうことがあったとしても、読影医や救急医が気づいて対応してくださるのがいいところです。

スポーツ整形で有名な病院ですよね。

坪谷:

市中病院でこれだけスポーツ整形をやっているのは当院ぐらいではないでしょうか。整形外科の先生方はとても多いですし、チームドクターをなさっていたり、国体などに帯同される先生もいらっしゃいます。

当直の体制についてお聞かせください。

坪谷:

月に5回前後です。今年からは人数が1人増えたので、回数は少し減りましたが、平日は17時から翌朝8時30分で、土日は日直と当直という形です。

佐浦:

去年は研修医が合計8人だったので、今年よりは1、2回多かったんです。救急が有名な病院で初期研修をしている友だちは月に8回や10回の当直をしていると言っていますが、多いからいいわけでもないと思います。週に1、2回、月に5、6回がいいですね。当直で自分が診た患者さんのフィードバックをしないと次に活かせません。3日や4日に1回の当直では前に診た患者さんのその後を追えないですし、勉強も追いつかないです。当院ではしっかり勉強できたあとに次の当直が来ますので、前に診た患者さんと似たような患者さんが来れば前の経験を活かせますから、当院の体制はとてもいいです。

当直を経験していかがですか。

坪谷:

忙しいと寝られないときもあり、次の日はきついと思うこともありますが、いつも寝られないわけではありません。3カ月経って、少し慣れてきたところです。次の日に働いていても、何時間か寝ていれば大丈夫です。最初の頃は「マジか、しんどい」と思っていましたが、何回もやっているうちに慣れてきて、今では慣れは怖いと感じています(笑)。

カンファレンスの雰囲気はいかがですか。

坪谷:

まだ循環器内科しか回っていないので、ほかの科のことは知りません。大学で見たカンファレンスは殺伐としていて、初期研修医が発表しても怒られているイメージがあったのですが、当院の循環器内科のカンファレンスは和気藹々としています。質問や発言もしやすく先生方や看護師さんが答えてくださいます。合同カンファレンスでは科が違っていてもコミュニケーションが取れていますし、先生方の仲がいいんですよ。

佐浦:

私は1年、内科と外科を回ってきたので、恐らく全ての科のカンファレンスに出たと思います。大学病院とは違います。先生方全員で意見を出し合って、決めています。先生同士のコミュニケーションで方針が決まっていくのはいいですね。たまに初期研修医に話を振られることもあります。ほかの病院のカンファレンスに出たことはないので比べるのは難しいですが、当院は色々な科との合同カンファレンスがあったり、病理の先生も熱心に提示をくださるので勉強になっています。指導医の栁先生がおっしゃったように、外科が有名な病院ですので、大学病院よりも珍しい疾患もありますし、他院で手術できなかった症例の手術依頼も来ますので、そういった点もいいですね。

コメディカルの方たちとのコミュニケーションはいかがですか。

坪谷:

看護師さんには怖いイメージしかなかったんですけど、優しい人が多いです(笑)。看護師さんの方が知識もあるし、先輩ですから、こちらから頼みにくかったのですが、プライベートでの飲み会に行かせていただいてからは仲良くなり、仕事でも話しやすくなりました。プライベートでもコメディカルの方々とはコミュニケーションを取っていくのが大事ですね。

佐浦:

当院は技師さんの数も大学病院と比べて多くないので、皆さんと仲良くなれます。骨折を疑った場合、本にもレントゲンをどの方向から撮るとかどういう体勢で撮るなどと書いてありますが、放射線技師さんが詳しく優しく教えてくれるのがいいですね。点滴のコツにしても、看護師さんが実際に見せてくれる方が断然うまくなります。血管が全く出ない人の血管を出す方法は本には載っていませんが、中央検査部でずっと採血をしている看護師さんに聞けば、いくらでも教えてくださるので、色々なことを学ばせていただいています。

佐浦先生は後期研修は何科に進まれるのですか。

佐浦:

何科ですかね(笑)。放射線科と小児科で迷っています。放射線科であれば来年は大学に戻りますが、小児科の場合は折角、市中病院で2年間やってきましたので、どこかの大きな市中病院で後期研修をしたいと考えています。

6年生が見学に来られていると思いますが、佐浦先生はどのような学生がいいと思われますか。

佐浦:

やる気ですね。勉強すればできるようになりますから、賢いとか賢くないとかは気にしません。「この子いいやん」と感じられる人がいいです。人見知りでも真面目でしっかりやってくれそうな人や「この人と一緒に仕事をしてみたいな」と思える人がいいです。よく喋る人で「やる気あります」と言っていても、違和感がある場合もあります。一度は見学に来て、病院の雰囲気が自分に合うかどうかを見てほしいです。

実際に研修をしてみて、見学に来たときの印象通りでしたか。

佐浦:

見学に来たときも忙しそうだったんですけど、研修医になっても忙しいので、印象は変わりないです(笑)。

見学に来られる学生へ、見るポイントを教えてください。

佐浦:

どの病院も救急を推しますが、1つ上になる初期研修医の雰囲気を見てみましょう。どれだけ病院が良くても、1つ上の研修医を見て、「一緒に働きたくないな」という感じだと入ったあとで大変です。「この先生となら1年でも一緒に仕事がしたい」と思えるならいいですね。

坪谷先生は見学に来られたとき、何を見て判断されたのですか。

坪谷:

やはり1つ上の先輩方ですよね。1年間一緒に働く先輩方の雰囲気は一番大事です。4人いらっしゃるのですが、その雰囲気を見てここなら楽しくさせていただけるかなと思いました。それと研修医担当事務の方がとてもよくしてくださったことも大きかったです。

これから初期臨床研修病院を選ぶ医学生に向けて、メッセージをお願いします。

坪谷:

まず立地はとても重要です。私は神戸大学出身なのですが、神戸大学の関連病院は山しかない場所にあったりします(笑)。立地の良い病院も多くありますが、2年間を過ごすわけですから、住みやすい場所にしたかったです。西宮市は兵庫県で一番住みやすい場所だと言われています。仕事後に飲みに行こうとなったときでも、電車で梅田にも三宮にも出られます。明和病院はアクセスの便利なところもいいですよ。

佐浦:

私もこの明和病院がとてもいいと思っています。研修医に手厚いんです。私は結婚しているのですが、研修医担当事務の方に相談して、色々な制度を変えていただいたこともありました。以前は開業医のクリニックにおける研修のみだった地域医療研修も地方の病院に行かせていただけるようになりました。自由度が高く、勉強もでき、プライベートも確保されています。大阪にも神戸にも出やすいので、勉強会にも参加できます。寮もワンルーム、バストイレ別、駐車場付きで月に1万5千円ですし、2部屋だと2万円なんです。敷金礼金もいらず、エアコンや洗濯機も付いて、交通費も出ます。出費が少なく済むんです。定員も5人に増えて、人気も出てきていますので、是非見学に来てください。

最後に、これだけは言いたいということはありますか。

坪谷:

多くの研修病院があるので迷っていると思いますが、最終的にはやる気とコミュニケーション能力です。自分がどれだけやりたいのかで2年間が大きく変わってきます。明和病院は強制的に仕事をさせるわけでもなく、放っておかれるわけでもありません。ちょうどいい感じですので、やる気を示せば、指導医の先生が色々とさせてくださり、熱心に教えてくださるんです。様々なことができて、休みたいときにはゆっくりすることもできるので、メリハリのある病院です。

佐浦:

私も明和病院はとてもいいと自負しています。症例も多く救急もできますし、現在、研修している放射線科では外来もさせていただいています。寮がなく家賃手当もない病院もありますが、当院は手当などが充実しているところも恵まれていると実感しています。

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