初期研修医インタビュー

横浜市立みなと赤十字病院

神奈川県横浜市中区新山下3丁目12番1号

名前 野口 貴史 研修医(研修医リーダー)
出身地 神奈川県横浜市
出身大学 富山大学
医師免許取得年度 2015
名前 濱田 詩織 研修医
出身地 鹿児島県鹿児島市
出身大学 北海道大学
医師免許取得年度 2015

医師を目指したきっかけをお聞かせください。

野口:

大きな理由はありません。小さい頃に風邪を引きやすく、よく通院していたんです。大学受験のときに進路を決めるにあたって、体調が悪くて辛い思いをしている人の力になれる職業に就きたいと考えました。

濱田:

絶対に医師になりたいというよりは病気の子どもに関わる仕事に就き、医療面から貢献したいと思ったのがきっかけです。

学生生活ではどんなことが思い出に残っていますか。

野口:

バドミントン部に所属していました。年に2回の大会を目指し、朝から夜まで12時間ぐらい練習していましたね。大所帯でしたので、先輩や後輩との繋がりができました。4年生の春の大会で一区切りなのですが、それ以降もOBとして自己参加ができますので、6年生の春まで試合に出ていました。

濱田:

雑誌の編集をしたり、大学祭の実行委員会での活動が思い出に残っています。北大の大学祭は各学部が展示をしたりなど、大規模なのですが、私は医学部の展示に関する実行委員長を務めたことがあります。大学内が広いので、移動だけでも大変でした(笑)。北海道内の旅行も楽しみましたね。夏の涼しさや冬の雪も経験しました。富良野のラベンダー畑はやはり良かったですよ。

大学卒業後、大学病院ではなく、研修先を横浜市立みなと赤十字病院に決めた理由をお聞かせください。

野口:

医師を目指すにあたり、私の理想の医師像は患者さんの近くで力になれる医師でした。大学病院はアカデミックですし、理想の医師像を追求するためには色々な患者さんが来て、多彩な症例にあたるなどの臨床経験を豊富に積める市中病院で研修したいと思いました。当院に決めたのは救急の患者さんが多く、1年目から数をこなせるからです。

濱田:

私はアカデミックな大学病院との間で迷いがありました。でも最初の2年間は臨床第一で過ごせる市中病院にしようと考えたんです。当院は救急の患者さんが多くいらっしゃることが良かったですね。横浜市内の病院ですので、海外の方や旅行中の方など、色々なバックグラウンドを持つ患者さんがいらっしゃることも魅力でした。人として、様々な人と関わっていきたいと思っていました。

横浜市立みなと赤十字病院に見学に来られたときの印象はいかがでしたか。

野口:

5年生のときに初めて見学に来ました。2年目の初期研修医が何台もの救急車をばりばり回していて、かっこよかったです。こんな医師になりたいなと思いました。私はその当時、外科志望だったので、外科を見学させていただいたんですが、患者さんが多く、先生方も忙しそうなのに、雰囲気が和やかなんです。初期研修医、後期研修医ともに意欲があり、「これは私がやります」とてきぱき動いている姿が印象に残っています。

濱田:

すごいところに来たなと思いました(笑)。救急車が立て続けに来て、初期研修医が診ているのですが、こういう病院もあるのだと知りましたね。印象が鮮烈すぎて、面白そうだと興味が出ました。

野口:

他院も見学したのですが、救急での処理の速さや初期研修医の動きのスピード感が違うんです。指導医の先生がほとんどを診る病院や救急車自体が少ない病院もある中で、当院の救急は際立っていましたね。私は居酒屋でアルバイトをしていたので、スピード感を持って働くのが好きだったんです(笑)。

横浜市立みなと赤十字病院での初期研修はイメージ通りですか。

野口:

「習うより慣れろ」みたいなところはイメージ通りですし、仕事がしやすいところはイメージ以上です。大学病院は他科との垣根がありますが、当院は上の先生方が初期研修医の顔を覚えていらっしゃるので、「この間、分からなかったことがあったんですが、教えていただけますか」と質問しやすいんです。研修医数も多いので、研修医経由での質問もできますね。指導医の先生方にはよく飲みにも連れていっていただいています(笑)。

濱田:

救急外来の忙しさはイメージ以上でした。医療のことも、どこに何があるのかも分からないところからのスタートなのに、仕事を次々に任せられるので辛かったですね。一方で、病棟は指導医の先生方もコメディカルスタッフの皆さんも優しくて、イメージ以上に働きやすいです。

プログラムの自由度はいかがですか。

濱田:

どこよりも高いかもしれません(笑)。

野口:

超直前であっても、プログラムを変えていただけます。1年目は内科6カ月、外科3カ月、麻酔科と救急を3カ月、2年目は必修科目が4カ月というのが決められていますが、それ以外は選択です。最近は1年目でも希望すれば心臓血管外科を回れたり、初期研修医を受け入れてこなかった病理科なども回れるようになりました。志望科が変わると、選択も変わってきますので、柔軟に対応していただいています。

濱田:

色々な診療科が揃っているので、「小児科はほかの病院で」ということもありません。当院内でローテートできるので、指導医の先生方と顔なじみになり、回ったあとでコンサルトしやすくなるのもいいですね。

野口:

初期研修では麻酔科で挿管のトレーニングを積むことは大事です。当院は1年目で必ず麻酔科を回ることになっていますが、2年目でも希望すれば回れます。タイミングの問題もありますし、何カ月も同じ科にいるのは難しいようですが、交渉や調整をしてくださるので、基本的には回りたい科を回れるようになっています。

院外での研修はありますか。

野口:

北海道の置戸赤十字病院で地域医療の研修があります。

どのような姿勢で初期研修に取り組んでいらっしゃいますか。

野口:

3年目以降は専門に進むわけですが、だからと言って、他科が診られないのは避けたいです。初期研修の間に、一般的な疾患については一通りの初期対応ができるようになりたいです。

濱田:

専門に進んでも、ほかのこともできるようになるために当院を選びました。回っている診療科で目の前の患者さんに何をするのか、何ができるのかを考えて、一日一日を過ごしています。

指導医の先生のご指導はいかがでしょうか。

野口:

3年目以降は専門に進むわけですが、だからと言って、他科が診られないのは避けたいです。初期研修の間に、一般的な疾患については一通りの初期対応ができるようになりたいです。

濱田:

専門に進んでも、ほかのこともできるようになるために当院を選びました。回っている診療科で目の前の患者さんに何をするのか、何ができるのかを考えて、一日一日を過ごしています。

指導医の先生のご指導はいかがでしょうか。

野口:

若手の指導医につく科もありますが、若い先生だと質問しやすい良さがありますね。医局も同じですから、仕事が終わってからも質問できます。消化器内科は忙しいので、初期研修医は指導医の先生方に聞きながらも、任せていただく部分が大きいです。責任を感じつつ、程よい緊張感もあり、とても勉強になっています。

濱田:

生意気に突っかかっていっても、答えていただいています(笑)。任せてもいただけますが、大事なところは見て、助けてくださるんです。安心できるからこそ、自由にできるのだと感謝しています。

横浜市立みなと赤十字病院での初期研修で良いところはどんなことでしょう。

野口:

診療科によって、指導医の数や初期研修医がどの程度のことをさせていただけるのかなどの違いはありますが、全体的に指導医が多く、いつでも聞きやすい環境が整っていることです。私たちの学年から初期研修医が増えたので、症例の奪い合いがないわけではありませんが、同期が多いと励まし合えるのがいいですね。

濱田:

同期の雰囲気はいいですよ。当院は初期研修医のみならず、後期研修医も多いんです。当直のときによく相談できるので、恵まれていますね。当院で後期研修のプログラムを終えて、他院に勤務していた先生が当院に戻ってこられることもあります。

野口:

そうした先生方は私たちの苦労を分かってくださっているので、話しやすいですね。上の先生方とも情報共有がしやすい病院だと思います。

何か失敗談はありますか。

野口:

いくらでもありますよ(笑)。救急で診た患者さんを「大丈夫」だと判断したら、実は違ったということがありました。でもERの専門医が指導医としていらっしゃいますので、初期研修医はしっかり守られています。最初はマルチタスクに慣れていないため、慌てることがありましたし、今ももう少し早くマネージメントできるようになりたいと思っています。

濱田:

笑って話せるものから思い出したくもないものまであります(笑)。ただ、当院には救急外来での失敗を共有するフィードバックセミナーがあり、想定していなかったことをあとで振り返られるようになっています。

当直の体制について、お聞かせください。

野口:

救急車対応はERの指導医2人、2年目の初期研修医1人、1年目の初期研修医1人の4人体制です。ウォークインは初期研修医が1年目、2年目に関わらず、1人で診ます。小児救急は小児科の指導医1人と初期研修医1人です。毎晩、4人の初期研修医が当直していることになります。小児救急がある病院は神奈川県内では当院のほかはあと1病院ぐらいだそうですので、珍しいですね。小児救急では内科的な専門疾患を診て、外傷であれば救急車対応か、ウォークインで診ます。

濱田:

回数は月に4回から6回ですね。小児科希望なら小児救急を多めにとか、救急車を診たい人は救急車対応を多めにといった希望も聞いてくださっています。

カンファレンスの雰囲気はいかがですか。

濱田:

雰囲気は診療科によりけりですね。

野口:

基本的には初期研修医も発言しやすく、和やかです。質問もできますしね。症例提示の機会もあるので、プレゼンの勉強になっています。

コメディカルの方たちとのコミュニケーションはいかがですか。

野口:

楽しくやっています。救急外来で救急車が来ないときは「さっきの患者さんは」といった話もしますし、指示出しや指示受けもスムーズです。病棟でも「今日のリーダーさんはどこ」と気軽に聞ける雰囲気がありますね。宴会では一緒に演し物をすることもあります(笑)。

研修医同士のコミュニケーションは活発ですか。

濱田:

1学年20人います。13人に加え、たすきがけで7人がいるのですが、仲はいいですね。一緒に食事に行ったり、飲みに行ったりしています。病院側も色々と企画してくださっています。

野口:

机が隣り合っているので、症例の話をしたり、テレビや忘年会の話もしています。「ご飯、行こう」ということも多いですね。

今後のご予定をお聞かせください。

野口:

私は産婦人科、中でも産科で周産期医療に携わりたいと考えています。後期研修は横浜市立大学附属市民総合医療センターの総合周産期母子医療センターで行います。そこは横浜市内の最後の砦とされており、合併症の妊産婦さんも受け入れています。どこよりもスピードが求められる診療科ですし、心筋梗塞からのカテーテル治療といった産科救急に興味があるので、当院での経験も活きるかなと思っています。

濱田:

私は母校である北大の小児科に進みます。医師への志望動機だった「病気の子どもに関わりたい」というスタートラインにようやく立てることになりました。

お二人とも寮にお住まいですか。

野口:

当院の目の前にある寮に住んでいます。

濱田:

私は自分で住まいを借りています。初期研修医の本人名義の賃貸契約の場合は住居手当が支給されます。

ご趣味など、プライベートの過ごし方について教えてください。

野口:

バドミントンや映画鑑賞が趣味です。冬はスノーボードですね。同期や上の先生と蔵王に行ったこともあります。忙しいなりにも、時間は取れますよ。先日は日帰りで大阪のUSJに行ってきました(笑)。

濱田:

私は病院の近くの美味しいお店を食べ歩く時間が好きですね。以前は合唱をやっていたので、時間があれば語学を勉強したいと思っています。

最後に、これから初期臨床研修病院を選ぶ医学生に向けて、メッセージをお願いします。

野口:

症例数や救急車の台数、指導医数といった数字や施設を気にする人は多いですが、自分が一生懸命にできそうな病院を選びましょう。それが救急車の台数という人もいるかもしれませんし、働きやすそうな雰囲気という人もいるかもしれません。2年間、モチベーションを保てそうな病院なのかという感覚を大事にして選ぶといいと思います。

濱田:

何を重視するかは人によって違いますし、直感でいいから、ここでやってみたい、働いてみたいと思った病院で研修するのが一番です。それから、国試に落ちないようにしましょう(笑)。

野口:

国試が終わっても、勉強しないといけないことばかりですしね。

濱田:

国試の勉強よりも勉強しているかもと思えることはむしろ多いです。

野口:

一緒に頑張れる仲間がいると、いいですよ。私たちも頑張りますので、頑張っていきましょう。

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