指導医インタビュー

社会福祉法人 恩賜財団

済生会熊本病院

熊本県熊本市南区近見5丁目3番1号

名前
一門(いちかど)和哉
呼吸器内科部長、指導医
職歴経歴
熊本県熊本市出身。
1990年に熊本大学を卒業する。
2015年に済生会熊本病院呼吸器内科部長に就任する。

済生会熊本病院の特徴をお聞かせください。

済生会熊本病院は熊本市内の南部に位置する高度急性期病院であり、病床数は400床です。病床数だけをみると熊本県下で8番目の規模の病院です。当院の理念は、医療を通じて地域医療に貢献するということで、そのために4つの柱を設けており、救急医療、高度先進医療、地域医療と予防医学、最後に医療人の育成になります。国際医療機能評価(JCI)に認定された我が国でも数少ない病院の一つで、世界標準の患者安全の取り組みが認められています。県下には救命救急センターのある病院は基幹病院で3つあります。その中の一つの病院として救命救急センターを持ち、熊本県下180万人の高度救急医療をうまく分担して行っています。

済生会熊本病院の内科の特徴もお聞かせください。

当院の内科は全般的に日本でもトップクラスの治療成績を持つ科が揃っています。各科のスタッフ数も多いですし、医療レベルの高い治療をしているという特徴があります。

院内の雰囲気を教えてください。

私は呼吸器センターの立ち上げとともに当院に来ましたが、まず病院全体に活気があると感じました。医師が200人弱いますので、病床数に比べると、医師数がかなり多いですが、楽をしている医師は全くいません。それだけ救急医療や高度先進医療の部分で、皆が忙しく働く必要があり、皆が頑張っているという印象を持ちました。コメディカルも含めて、病院全体のレベルが高く、チーム医療を推進しています。医師とコメディカルが共同で患者さんを診療するという体制が良くできています。また個人のスキルアップに関しても、しっかりバックアップをしてもらえます。例えば院内での英会話教室や通信教育があり、病院の一部負担で、個人のスキルアップに繋げることができます。

内科全般プログラムの特徴を教えてください。

基本コースは将来的な専門科をまだ決めていない専攻医に入っていただき、3年の間にそれぞれの科を回りながら専門科を決めていただくというコースです。一方で、「この科を専門科にしたい」とある程度は決まっている方には3年のうちの1年間、もしくは半年間をその専門科に属して専門研修を集中的に行うサブスペシャリティー重点コースを設定しています。新しい専門医制度が始まりましたが、初期研修2年目の先生たちが少し思い違いをしていることを感じます。それは「3年間、各内科を回ることで専門医の取得が遅れてしまうのではないか」といった誤解ですが、実は新しい専門医制度でも自分が専攻したい科目の専門医を受験でき、従来通り最短で6年目には取得できるシステムですので、将来的なことを考えたときに決してマイナスではありません。

新しい専門医制度のプログラムが始まりましたが、内科については以前とどのような違いがありますか。

以前の後期研修医制度は3年目である程度、専門科に絞った形で後期研修プログラムを受けるシステムでした。新しい研修医制度は、高齢化社会の進行に伴ない、数多くの合併症を有する患者に対して、国が求める幅広い内科の知識を持った医療人を育成したいという考え方に基づいています。内科各科をローテートしながら、各内科領域の力をつけて最終的に内科の専門医を取得し、さらにその先に専門科の専門医を取得するようになっています。それが一番大きな違いだと思います。

研修を受けることでどのようなスキルが身につくとお考えでしょうか。

当院は総合病院ではありませんので、当院にはない科に関しては連携医療機関にお願いしたうえで研修に行っていただく必要があります。ただ、当院の中の各内科系の研修先も非常にレベルの高い医療をしていますし、連携先も県下では1、2を争うような施設です。連携先での研修もプログラムとしてお願いしていますので、内科医としての総合的な力をつけるという意味では非常に適したプログラムになっています。

先生はどのような研修医時代を過ごされたのでしょうか。

もう30年近く前になってしまいますが、まず大学の医局に入局しました。当時はナンバー内科制でしたので、呼吸器、循環器、消化器、神経内科の4つの科から最終的にどこの科に行くかを決めることになっていました。その中での選択肢はありましたが、それ以外の内科系は研修できないという問題点もありました。今回の新専門医制度は内科系全般をもう一度勉強できるので、長い目で見た場合、こういった貴重な時間は将来の医師人生の中できっと役立つと思っています。

呼吸器内科を選ばれた理由をお聞かせください。

私はもともと内科医になりたいと考えており、内科医の中でも特に幅広く診られる内科医になりたかったのです。大学に研修をしている際に、呼吸器内科は呼吸に関わりますから、全身を診られないといけないと分かりました。自分の目標とする、全身が診られる内科医に一番近いのではないかというのが呼吸器内科を選んだ理由の一つです。もう一つは研修医時代に出会った指導医の先生の影響で、その点は非常に大きいです。その先生からは強い影響を受けました。どういった先生に指導を受けるのかということはその道に進む際の大きなキーポイントになると思います。

専攻医に指導する際、心がけていらっしゃることはどんなことでしょうか。

やはり新しい制度ですので、初期研修医と専攻医では当然違う形で接する必要があります。専攻医は初期研修医時代に基本的な手技をある程度経験してきていますので、実際に手技をしてもらうなどのプラスアルファの指導を心がけたいですね。呼吸器内科に関して言うと、研修医時代からプラスアルファの部分をどういうふうに研修するのかというのを考えながら、専攻医研修をしてほしいです。上級医からの指導だけでなく、自分でよく考え、その考え方が正しいのかどうか、検証しながらの研修を期待します。

専攻医に「これだけは言いたい」ということがあればお聞かせください。

今は色々な検査ができるので、どうしても検査ばかりに目が行きがちです。しかし、患者さんに詳しく問診をしたり、聴診をする、身体所見をとるといった処置を疎かにしてほしくないですね。まず患者さんの訴えを聞いて、患者さんの体をしっかり診察をして、そのうえで必要な検査を考えることができる専攻医になってほしいと思っています。

先生が済生会熊本病院を選ばれた理由を教えてください。

当院に呼吸器センターを立ち上げるというお話をいただき、大学から3人の医師で来ました。私自身は研修医時代に当院で研修していましたので、非常に忙しい病院だとは自覚していましたが、こういった急性期病院で新しく呼吸器内科が立ち上がるということに期待感を持っていました。救急医療をやるうえでは大変だと思っていましたが、全くの一から立ち上げるという期待感の方が大きく、ここでどういった呼吸器内科を作ろうか、若手をどうやって集めようかと考えながら15年間やってきました。本当に働きやすく、コメディカルも優秀ですし、各医師の関係も良好ですので、良い病院だと思っています。より高いレベルの理想を常々持たないといけないのですが、現状は自分の理想に近い形で進歩していると感じています。

最後に研修医にメッセージをお願いします。

当院は救急医療に非常に力を入れている一方で、高度先進医療にも積極的に取り組んでいます。一方、医療人の育成や地域医療、予防医学といった地域に根差した医療を基本としていますので、そういった中で高いレベルの診療科で研修をしていただくことで、ご自身のスキルアップはもちろんのこと、専門領域に関するものも日本トップレベルの状況で実感していただけます。まだ進路が決まっていない方にも、専門領域をある程度決めている方にもお勧めの病院です。レベルの高い内科系の各診療科及び、レベルの高い連携病院での研修ができますし、内科の総合力をつけるうえで非常に充実したプログラムになっていますので、是非、当院での研修を検討してみてください。

お気に入り