指導医インタビュー

社会医療法人 杏嶺会

一宮西病院

愛知県一宮市開明字平1番地

名前
安田 宗義(むねよし) 一宮西病院卒後臨床研修センター長、脳神経外科部長 指導医
職歴経歴
愛知県出身。1996年に筑波大学を卒業後、筑波大学病院で研修を行う。筑波大学病院、パリ第7大学病院、愛知医科大学病院に勤務を経て、2016年に一宮西病院に勤務する。2017年に一宮西病院脳神経外科部長に就任し、卒後臨床研修センター長を兼任する。
学会等
日本脳神経外科学会専門医、日本脊髄外科学会指導医、米国医師免許(US Medical License)など。

一宮西病院の特徴をお聞かせください。

当院は完全な個人病院であり、非常に新しい病院です。病院経営が厳しい時代に、個人病院でありながら新規の病棟を開設して、さらに拡大していますので、未来と勢いのある病院ですね。
尾張西部地区60万人から70万人の医療圏の中核を担おうと、若い医師も続々と集まっています。
理事長は社会的なニーズを鑑みた経営判断を行っており、世の中の情勢に機敏に対応したシフトを敷いて、病院を編成しています。
具体的には従来の救急疾患にプラスして、昨今の救急医療の中で最も救命率の向上に寄与している脳神経急性疾患と心臓疾患の2つを中心に、ハードとソフトの面で充実を図り、地域ニーズを満たしています。
その結果、救急車の受け入れ台数も増加していますし、私のいる脳神経外科でも2、3年前は200件台半ばの手術件数だったのが今年は1月から4月までで既に月40件のペースとなっています。
したがって、今年の年間手術件数は480件の見通しになります。
市中病院でありながら、この数字は大学病院に比肩しうるでしょう。
このように、脳神経外科疾患などの救急領域に強いことが当院の大きな特徴だと思います。

一宮西病院の初期研修の特徴もお願いします。

私は卒後臨床研修センター長を務めさせていただいていますが、大きく一言で言えば、非常にフレキシビリティが高いことに尽きますね。
全科を細かく回るよりも、初期研修医の将来の希望や展望を踏まえており、希望している科を長く回ったり、満遍なく回りたい人には細かく回ることももちろん可能です。
これを自由に決めて、勝手に回るのではありません。当院にはメンター制度があり、卒後7、8年目前後のいわゆる生きのいい若手医師、初期研修医の兄貴分、姉貴分にあたる医師をマンツーマンで割り当てています。
卒後臨床研修センターでもそれぞれの初期研修医と面談を行いながら、彼らの希望や夢を聞き、それに合わせたオーダーメイド型の研修体制を敷いているのが特徴です。

安田先生がいらっしゃる脳神経外科の特徴をお聞かせください。

脳神経外科のスタッフは全部で6人います。
神経内科のチームとタイアップし、365日24時間体制でストロークコールというシステムを持っていることが強みですね。
これは神経内科、ないしは脳神経外科の神経系専門の当番医師が院内に24時間おり、脳卒中疑いの患者さんが生じた場合は救急隊から直接の入電を受け、即応できる体制です。
神経内科の医師と一緒に仕事をすることで、脳神経外科医にとって馴染みの浅い神経内科疾患の勉強もさせていただけます。
神経内科の医師も合わせると10人になりますので、合同チームとして、神経系の急性期治療を中心に、地域のニーズを担っています。
脳神経外科単体の特徴としては、民間病院ですと手術症例や疾患の種類に偏りが出やすいのですが、当院は良性、悪性を含めた脳腫瘍、血管障害、外傷、脊椎・脊髄疾患、もちろん血管内治療などの疾患を満遍なく、バランス良く経験できることにあります。
初期研修医に限らず、後期研修医も臨床的な経験値を上げることができる環境が整っていると思います。

指導される立場として心がけていらっしゃることを教えてください。

私も若い頃には「今の若い者は」というふうに言われ続けていたわけです。
そんな私も指導医となり、若い医師と一緒に勉強する立場になって思うことは私自身の若い頃とは比べずに、今の若い人たちのスタイルや考え方、立場を尊重して一緒に勉強していきたいということです。
当院は大学病院とは異なり、そもそも地方の一個人病院ですから、初期研修医が自動的に来る環境ではありません。それをあえて選んでくれた初期研修医は私たちにとって大きな存在意義なのです。
初期研修医がいて当たり前、来て当たり前という感覚を持つことがないですし、奢ることがありません。
初期研修医に来てもらった以上は彼らの大事な人生の2年間をお預かりするということ、その背景にあるご両親やご家族、ご親族のことも忘れずに接するようにしています。
一宮西病院で2年間を過ごして良かったと思ってもらえるように、私もその輪の中に入って、一緒に学んでいきたいということをいつも心がけているつもりです。

先生の研修医時代はどのようにお過ごしでしたか。

1996年に大学を卒業しましたが、当時は卒業した途端に特定の病院や診療科に入局していました。
私は母校の脳神経外科に卒業と同時に入局し、それ以後は脳神経外科医という肩書で研修したんですね。
今のように初期研修と後期研修に分かれている制度もありませんでした。
20数年間ずっと一つの領域でやってきましたが、その中で出会う患者さんは脳だけに問題を抱えているわけではなく、色々な内科の持病があったり、お子さんだったり、妊婦さんだったりしました。
私自身は脳神経外科の中で、そういう方々の診療を通して、内科疾患や小児科、婦人科を学びました。
一つのところに長く落ち着いて、患者さんの入院から退院までをじっくり見届けることができましたし、責任を持った判断を下す経験もできたことはそれなりに重要な意味があったと感じています。

先生が脳神経外科に進んだ理由について、お聞かせください。

外科系が非常に好きだったので、学生のときから外科系に進むことを希望していました。
救急にもすごく興味がありましたね。
脳神経外科医にはよくある話ですが、最終的には脳神経外科と心臓外科で迷ったんです。
それと同時に、医師になったら人間とは何かということをおぼろげながらでも理解するきっかけが掴めるのではとずっと思っていたので、その点からすれば診療の中心に脳を据えている脳神経外科は私の意向に合っていましたし、なおかつ外科手技で患者さんを元気にできるという遣り甲斐を感じたので、脳神経外科を選びました。

現在の臨床研修制度についてのご意見をお願いします。

個人的には、広く浅く満遍なくというよりは、科の数を絞り、一つ一つの科をじっくり勉強する方がいいのではないかと思っています。
前任地では大学の教官もしていましたが、1カ月やそれ以下の単位での研修になりますと、結果的には学生実習と大して変わらないクオリティの教育しか提供できないんですね。
もう一つの問題は初期研修医も指導医も人間である以上、分野の興味に多少のムラが出ることです。これがモチベーションの違いにも繋がりかねません。
そういう初期研修医と接しているうちに指導する側に気持ちの緩みが生じたり、教えても一緒だと受け取られるような心理が生じてしまうと、教える側も教わる側も教育の質を落とします。
したがって、ある程度、興味のある科を中心に、その初期研修医ならではのプログラムを用意し、自分で選びとったのだからという責任もしっかり求めつつ、初期研修医のモチベーションを維持できれば、教える側のモチベーションにも繋がり、双方がwin-winの関係になれるのではないでしょうか。
全ての科を自動的に回ることに遣り甲斐を感じる初期研修医ならともかく、全ての初期研修医がそのように受け取るとは思えません。
以前とは違い、初期研修先を選ぶマッチングは競争でもありますし、選択肢が増えていることはいいことですが、もう少しプログラムに落とし込み、当院のようなオーダーメイド型初期研修の風潮が広まってもいいのかなと考えています。

最近の研修医をご覧になって、どう思われますか。

良い意味で、上の人に変な気を遣わないですし、物怖じせず、自由な発想の人が増えているのは非常にいいことですね。私はそういう人間関係が嫌いではありません。
この制度になり、選択肢が広がった一方で、初期研修医の中には満遍なくローテートする制度が合わないという人もいるので、そこはかわいそうに思います。
私は最初から好きな脳神経外科に特化して専念できましたが、これが2年も後にずれてしまうんですよね。
やはり場合によっては日本の医療にとってマイナスな面もある気がします。

これから初期臨床研修病院を選ぶ医学生に向けて、メッセージをお願いします。

当院も含めて、初期研修病院として名乗りを上げている病院は好条件を提示したりなど、初期研修医に来てもらいたいという工夫を色々と凝らしています。その意味ではどの病院も魅力的に見えるでしょう。
ただ、最終的な判断は、若いといえども立派な大人として、ご自身がしましょう。自分の性に合っていると思った病院に飛び込んでいくことがとても大事です。
当院に見学にいらして、私がお話しさせていただける機会があればと思います。
私をはじめ、卒後臨床研修センターのメンバーと病院全体で初期研修医の皆さんのキャリア形成のお手伝いをさせていただきますので、ご縁があれば嬉しいです。

一宮西病院のPRをお願いします。

一宮西病院はご利用いただいた患者さんやご家族にハッピーになっていただくだけではなく、そこで働いているチームのメンバー同士、職員同士もハッピーになりたいと願いながら仕事ができる病院です。
これは職員皆の共通した気持ちなんです。初期研修医の皆さんもハッピーで、豊かな医師人生を歩み、人生の糧にしていただきたいです。
是非、お待ちしています。

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