指導医インタビュー

社会医療法人財団 池友会

新行橋病院

福岡県行橋市道場寺1411

名前
原田 修治 先生
職歴経歴
福岡県出身。1995年に産業医科大学を卒業後、産業医科大学泌尿器科に勤務し、1995年11月から福島労災病院に勤務する。1998年に国立病院九州がんセンター(現 国立病院機構 九州がんセンター)を経て、1999年に産業医科大学に帰任し、2001年に助手に就任する。2001年に九州労災病院、2002年に産業医科大学、九州労災病院、2004年に産業医科大学に勤務を経て、2006年に新行橋病院に着任する。
学会等
日本泌尿器科学会 指導医、西日本支部評議員、日本Endourology ・ESWL学会、日本癌治療学会。

新行橋病院の特徴をお願いします。

当院は、行橋市・京築地域の急性期疾患に対応できる病院として、救命救急医療、高度医療に取り組んでいます。また、近隣の開業医の先生方との病診連携を推進し、症例検討会(月1回)、学術講演会(年1回)を実施し、名実ともに地域に求められる基幹病院としての運営を行っています。標榜科23科、一日平均外来患者数400人、一日平均入院患者数240人、新規入院400人(月)、平均在院日数15日、年間救急車搬入件数約3,600件、年間手術件数2,000件、職員数600名で運営しています。

泌尿器科の特徴をお聞かせください。

泌尿器科としては泌尿器科の全般的な治療を目指して「泌尿器科の悪性腫瘍の手術」「尿路結石に対する治療」「血液透析(人工透析)」を3つの柱としてやっています。この地域には泌尿器科の全般的な治療を行える病院がほとんどありませんので、開業医の先生からの紹介が非常に多く、治療の内容が多岐にわたっています。例えば、体外式衝撃波結石破砕装置(ESWL)はこの地域では当院にしかないため、尿路結石の患者さんは当院に必然的に集まってきます。また、この地域にはいくつかの透析施設がありますが、総合的な治療や合併症を伴う患者さんに関しては当院に紹介をいただくことが多いです。最近は新しい治療にも携わっていて、腹腔鏡手術の症例も増えています。

研修プログラムの特徴をお聞かせください。

当院では自主性を重んじているのが特徴です。内容としての一番大きな特徴は救急車の数が非常に多いことでしょうか。救急医療、その中でも一次救急から三次救急、高度な救急まで様々な患者さんが来ますので、研修医にはより多くの救急の患者さんに携わる機会を与えるようにしています。
 また、関連病院を通しての研究会、勉強会、短期留学制度があるので、学術講演会や短期留学など病院外でも様々な研修を受けることができます。希望によっては福岡和白病院、新水巻病院、新小文字病院などの関連病院で研修を受けることもできます。

指導される立場として心がけていらっしゃることを教えてください。

心がけていることは研修医が患者さんに多く接することです。身体所見や検査でも、患者さんを診て、自分でどういうふうに考えるかという自主性を重視しています。
 手技に関しても、初期研修では4、5人と少人数制なので、基本的な手技から応用的手技まで指導医がマンツーマンで指導できるようにしています。
 また、救急車が来ると、各科の研修医に連絡が入るようになっています。救急科を回っていない研修医にも、どのような救急の患者さんが来るのか連絡が回るので、時間が少しでもあれば、救急の現場に携わることができます。研修医と指導医が集まるので、その場その場でディスカッションをしながら解決をしていくようにしています。

以前に忘れられない、すごい研修医がいたという経験があれば教えてください。

非常に優秀な研修医もいますし、飲み会や付き合いなどで本領を発揮する研修医もいます(笑)。当院に専修医で残る場合でも、ほかの病院に行く場合でも、研修医には全面的にバックアップをしています。

研修医に「これだけは言いたい」ということがあれば教えてください。

目の前にいるのは患者さんなので、人としてきちんと接してほしいです。手技的なことに関しては「何でもやりたい」ではなく、一つ一つ確実に身につけていってほしいです。「何でも早くできるようになりたい」という気持ちを持つことはいいことですが、手技は確実に身につけてほしいということと、何をするにしても相手は一人の人間だということを忘れないでほしいですね。

初期研修病院を選ぶにあたってのアドバイスをお願いします。

一番は人間関係が良い病院を選んでほしいです。当院は医局が一つしかなく、休憩する場所も同じなので、研修医から上級医に直接質問をしたり、研修している科が全く違っても、色々な面で相談をしやすい環境です。

環境がいいと、医療にも、研修にも入っていきやすいということですね。

そうですね。当院には病院全体の野球部やそのほかのサークルがあり、活発に活動しています。これは院長も非常に推進しています。また医局だけでなく、コメディカルとの飲み会など病院全体のイベントが盛んで、仕事以外でも付き合うことが多く、研修医でも年齢がかけ離れた医師と仲良くなれます。田舎だからこそ団結力があるのかもしれません(笑)。雰囲気が非常に良く、一体感があり、我々もそうですが、研修医も相談がしやすいんですね。ここまで聞きやすい病院はないのではないかというぐらいです。真面目な話よりも冗談のような話をして盛り上がっていることも多いんですけどね(笑)。

ほかに良い点はありますか。

当院が断れば、遠くの病院に行かなければいけないので、救急車を基本的に断わりません。そこで一次から三次救急まで全てを診ることができます。また、研修医の人数があまり多くないという良さもありますね。研修医の数が多いと全て診ることはできませんし、指導医の指導も全員に行き届かない面もあると思いますが、当院では色々なチャンスが回ってきます。したがって、地域の基幹病院としての役割を十分学ぶことができ、研修医でも病院の役割を実感することができはずです。

今回改定された臨床研修医制度に関して、ご意見をお願いします。

良いところとマイナスなところの両方があると思うので、一概にどちらがいいとは言えないのではないでしょうか。今までのように全ての科を回れば、どうしても一つの科が1カ月程度という短い期間になることが多く、麻酔科、小児科、産婦人科、精神科といった科はやっと慣れた頃に終わるということになってしまいがちです。分かったような、分からないような感じで終わってしまうので、そういう科が多くなれば、達成感が少なくなるのかなと思います。ただ小児科、産婦人科、精神科などはなかなか経験できないので、回ることで得られるメリットもあるでしょう。
 今回の改定の「2年目から将来のキャリアに応じた研修も可能」というのは、研修医が行きたいところに行けることになり、モチベーションの向上に繋がるのではないでしょうか。自主性を伸ばすという点でも、研修医のためにはいいのではないかと個人的には思っています。
 さらに、地域医療を重点化するような政策もありますが、そういう意味では研修医の確保に関しても地域での研修も1カ月だけでなく、病院として研修医の確保などができるようになればいいですね。来てもらえれば、良さが分ると思うのですが、どうしても都会や大規模な病院へ行きたいという希望が多いようですので、こういう地域にももっと見学に来てもらう機会が増えることを期待します。

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