指導医インタビュー

東京女子医科大学附属八千代医療センター

千葉県八千代市大和田新田477-96

名前
正岡 直樹 母体胎児科・婦人科教授
職歴経歴
1955年に愛媛県今治市に生まれる。1979年に日本大学を卒業、大学院入学とともに日本大学産婦人科学教室に入局する。1990年にカリフォルニア大学アーバイン校に留学する。1992年に帰国し、日本大学医学部附属板橋病院に勤務する。1999年に日本大学医学部附属板橋病院産婦人科科長に就任する。2009年に東京女子医科大学八千代医療センターに着任する。2011年に東京女子医科大学八千代医療センター母体胎児科・婦人科教授に就任する。日本産婦人科学会専門医、日本産科婦人科学会代議員、千葉産科婦人科医学会理事、日本母

東京女子医科大学八千代医療センターの特徴をお聞かせください。

東京女子医科大学八千代医療センターは2006年に開設された新しい病院です。成人、小児を問わない救急医療、周産期医療、地域連携を特色とする21世紀型の大学病院です。救急医療では徒歩来院患者も受け入れる北米型ERシステムを採用し、年間約28000人の時間外救急患者を受け入れているほか、小児救急も年間約18000例を数えています。周産期医療では千葉県内に2施設しかない、総合周産期母子医療センターを併設しており、産科救急の受け入れも国内有数です。医師会、周辺の医療機関との密接な関係による地域医療も特色の一つです。
 初期研修では多くのプライマリケア、救急症例を骨格とした研修環境を研修医に提供していますが、後期研修でも多くの疾患を学ぶことが可能です。内科研修では全ての専門領域の専門医が指導にあたっています。外科研修では3300件の年間手術が行われていますので、多くの経験を積むことができます。完全電子化病院となっており、近くの電子カルテを利用して、指導医から指導を受けることが可能です。86人の豊富な指導陣に加え、救急科、病理診断科も充実しています。

東京女子医科大学八千代医療センターの母体胎児科・婦人科の特徴もお聞かせください。

当院は千葉県の総合周産期センターに認定されており、NICUとの連携で年間250例を優に超える母体搬送を受け入れている施設であるとともに、婦人科の良性、悪性疾患治療にも力を入れています。不妊治療も体外受精以外は積極的に対応しています。また、外来は女性科と隣接していることから連携も速やかで、女性の一生涯の健康をサポートします。

母体胎児科・婦人科での後期研修の特徴として、どういったことが挙げられますか。

一昨年の統計で、年間約900例の分娩と、帝王切開を含めて約600例の手術をこなしています。スタッフが現在11人と少ないため、研修医一人一人が十分な産科、婦人科疾患を経験できます。

当直はどのような体制ですか。

安全性と有効な指導のため、指導医1人、後期研修医1人の2人当直に、オンコール1人の体制をとっています。当直回数は月に6回から7回と、自ずと多くなりますが、全員、頑張っていますよ。

母体胎児科・婦人科での後期研修で、どのようなキャリアアップが望めますか。

3年間の研修後、産婦人科専門医の受験が可能となります。その後、各自の希望で専門領域を決定します。当院の総合周産期センターとしての機能から専門医取得後3年で周産期母体胎児専門医、超音波専門医の受験資格などが得られます。腫瘍、不妊治療など、さらなるキャリアアップを希望する場合は女子医大の本院を含め、適切な施設への出向を考慮します。

女性医師の働きやすさに関してはいかがでしょうか。

現在、勤務中の女性医師の中で2人が育児をしながら勤務しています。当院は育児施設が充実しており、また本年から病児保育も開始し、極めて勤務しやすい環境にあると思います。女子医大全体として女性医師の就労環境改善の取り組みがなされており、短時間勤務も可能です。短時間勤務は週に何時間と勤務時間を決めて、契約を交わすのですが、常勤扱いで勤務できる制度ですので、大いに利用してもらいたいですね。

正岡教授はどのような研修医時代を過ごされたのでしょうか。

私の時代は当然、初期研修制度はありませんでした。当時はまだ、産婦人科の希望者が多く、私の年は同級生8人が同時に入局しました。上級生も多く、カルテ整理の仕事ばかりで、今思うと、重要な仕事なのですが、なかなか手術の執刀などは回ってこなかったですね。当直でもないのに、遅くまで医局でうろうろしていましたよ。医局にいると、急患のときなどに執刀させてもらうチャンスがあったからです。1年目は産科、婦人科を半年ずつ回り、2年目は関連病院に出張となりましたが、私は帝王切開を一度も執刀することなく出張となり、不安で一杯でした。3年目からは大学院のために大学に戻りましたが、仕事の後、飲みに行っても、夜中に大学に帰ってきて、翌朝の医局研究会の資料を作ったり、実験をしたりと、ともかく、よく遊び、よく学べを実践していたと思います。

研修医に指導する際、心がけていることはどんなことでしょうか。

分娩、手術において、それぞれの行為はサイエンスであることを理解してもらうとともに、私自身が現在までに経験したことをもとに、教科書には載っていない、それらのコツといったものを伝承していきたいと思っています。

研修医に対し、「これだけは言いたい」ということはどんなことでしょうか。

ノーブレスオブリージュですね。医師となった時点で、我々は対価を求めない崇高な使命を持つわけであって、一般社会からもそのように見られています。特に、人類の誕生という場に立ち会う我々はそうあるべきだと思っています。医師でもQOLが大事とおっしゃる先生がいますが、その仕事の重要性を良く認識して、使命感に燃える研修医になってもらいたいですね。

現在の臨床研修制度について、感想をお聞かせください。

将来、専攻したい科が決まっている人にはすぐにその科に行けないという点がありますが、学生時代に机上の知識だったものを広く経験できるのは、長い目で見ると、良い制度だと思っています。産婦人科に入職する後期研修医も麻酔科、救急救命などを既にローテートしていますので、頼もしい限りですね。また、多くの診療科をローテートしてきますので、病院内の横の連携がスムーズです。

これから後期研修の病院を選ぶ初期研修医にメッセージをお願いします。

自分のprofessional careerを実りあるものにするためには「勤務が楽である」、「高収入である」ことなどではなく、症例数が多く、指導体制が充実した施設を選択してください。