~神経編~ 脳梗塞|国試対策コーナー ~MedicosField~

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~神経編~ 脳梗塞

脳梗塞は、脳に血液を供給する血管が何らかの原因により閉塞し、最終的には潅流領域の神経細胞死が生じることを主徴とする疾患である。

<脳梗塞の分類>
臨床カテゴリーに基づいて分類する場合
1. アテローム血栓性梗塞
2. 心原性塞栓症
3. ラクナ梗塞
4. その他の梗塞
に分類される。

本稿では、
心原性塞栓症について、
1) 原因
2) 臨床的特徴
3) 画像診断(頭部CT・MRI検査)
4) 治療
に分けて述べることとする。

心原性塞栓症:脳梗塞の20~30%を占める。

原因

表1に示す心疾患を背景に、心腔内に形成された血栓の遊離・遊出と脳動脈への流入によって起こるものである。リウマチ性弁膜症や心房細動のみならず、心臓に右左シャントが存在する場合の静脈内血栓、感染性心内膜炎、粘液種の存在なども塞栓源となりうることも念頭に置いておく。
心房細動は加齢とともに増加し、とりわけ脳塞栓症の原因の中で重要である。心房細動がある人はない人に比べ、脳塞栓症のリスクが高まり、
高血圧
糖尿病
低心機能
高齢
などの因子が加わると脳塞栓症のリスクがさらに増す。

心原性塞栓症の臨床的特徴

臨床的特徴をアテローム血栓性梗塞と比較すると理解しやすいので、表2に示す。

臨床の現場では、脳梗塞発症急性期に両者を鑑別することが困難のこともある。
*心原性塞栓症の約10%は発症時に広範な半球症候を呈しても、数時間から数日のうちに著明な改善を認めることがある。これは、閉塞血管が比較的早期に再開通したためと考えられている。

画像診断(頭部CT・MRI検査)

画像上の病巣の特徴
心原性塞栓症は、正常に潅流されていた動脈が突然閉塞されるため、側副血行路の発達する時間的余裕がない。

⇒①閉塞動脈の潅流領域とほぼ一致
②境界明瞭で皮質を含み拡がりも大きいことが多い(図1B)。
また、複数の塞栓子が異なる動脈に同時に流入することがあるため、
⇒③多発性病巣を形成することがある。
さらに、閉塞血管再開通のため、虚血巣への再潅流が生じて梗塞巣内出血
⇒④出血性梗塞を生じることがある(図2)。

脳梗塞病巣の早期検出という点ではMRIの方が優れているが、MRIにはペースメーカー装着患者などの禁忌症例があること、出血や梗塞の鑑別、撮像時間の短さ、簡便さなどから頭部CT検査が最初に行うべき検査であることには変わりない)。

経時的変化


出血性梗塞は発症後数日以内及び2~3週以内に多い。



心原性塞栓症(小脳梗塞)の頭部MRI
発症5時間後のT1強調画像(A)では低信号域の出現は認めないものの、T2強調画像(B)では右小脳半球に弱い高信号を認める。発症3日後のT1強調画像(C)では低信号域、T2強調画像(D)で明瞭な高信号域を認める。

治療

治療急性期、慢性期とに分けられる。

急性期:血栓溶解療法
発症3~6時間以内でCT上明らかな出血・虚血所見がなければ血栓溶解療法により、閉塞血管の再開通を促進する。当然のことながら出血性梗塞のリスクはある。成功すれば、臨床症候の改善が得られる場合が多い。

慢性期:抗凝固療法
再発予防のためワーファリンを使用する。やはり、出血のリスクは避けられない。
本稿では脳梗塞のうち、心原性塞栓症のエッセンスを述べた。芸能人、著名人の脳梗塞がマスコミで報道され、関心が高くなっているcommon diseaseの一つである。脳梗塞後の麻痺・寝たきりの問題は社会的関心事でもある。基本事項をおさえておいてもらいたい。

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