インタビューが繋ぐ全国で活躍する女性医師


高槻赤十字病院
 平松 昌子先生 副院長 /消化器外科
高槻赤十字病院
  副院長 /消化器外科
 平松 昌子先生
高槻赤十字病院 副院長 /消化器外科 平松 昌子先生

平松 昌子先生 プロフィール

1984年3月
大阪医科大学 卒業
1984年6月
大阪医科大学 一般・消化器外科 臨床研修医
1986年6月
大阪医科大学 一般・消化器外科 専攻医
1987年4月
関連病院出向(藍野病院・高槻赤十字病院・三島救命救急センター等)
1992年4月
大阪医科大学 一般・消化器外科 専攻医
1994年4月
大阪医科大学 薬理学教室 副手
1994年12月
Washington University School of Medicine (St. Louis) Research fellow
1997年11月
医学博士号 授与
1998年2月
大阪医科大学 一般・消化器外科 専攻医、食道グループに所属
1998年6月
大阪医科大学 一般・消化器外科 助手
2000年4月
大阪医科大学 一般・消化器外科 学内講師
2001年5月
大阪医科大学 一般・消化器外科 講師、食道グループ チーフ
2013年2月
大阪医科大学 一般・消化器外科 准教授
2013年4月
高槻赤十字病院 副院長
大阪医科大学 臨床教育教授 兼任
大阪医科大学 外科学講座 非常勤講師 兼任
現在に至る
指導医・専門医等
日本外科学会:専門医・指導医
日本消化器外科学会:専門医・指導医・消化器がん外科治療認定医
日本消化器内視鏡学会:専門医
日本食道学会:食道科認定医・食道外科専門医
日本腹部救急医学会:暫定教育医
日本がん治療認定医機構:がん治療認定医
Infection Control Doctor (ICD)
学会評議員・世話人・会員・委員等
日本臨床外科学会:幹事・評議員
日本食道学会:評議員・選挙管理委員
日本腹部救急医学会:評議員
日本外科学会:邦文誌編集委員・総務委員・CST推進委員
近畿外科学会:評議員
阪神食道疾患検討会:世話人
近畿GIST研究会:世話人
近畿過大侵襲研究会:世話人
手術手技懇話会:世話人
北摂癌治療研究会:世話人
ISDE (International Society of Disease of Esophagus):member
OESO:member
Japan-Hungary-Poland Surgical Society : Scientific Committee
日本癌治療学会:会員
日本消化器病学会:会員
日本胃癌学会:会員
日本胸部外科学会:会員
日本救急医学会:会員
日本shock学会:会員
日本乳癌学会:会員
日本女性外科医会:会員
専門分野
消化器外科
上部消化管外科(特に食道外科)
腹部救急疾患
消化管間葉腫瘍(GIST)
れまでの勤務歴
大阪医科大学を卒業後、一般・消化器外科学教室に入局しました。
2年間大学で研修の後、高槻赤十字病院や三島救命救急センターなどの関連病院で臨床の研鑽を積みました。
その後いったん大学に戻って研究室に入ったのですが、当時興味を持っていた臓器不全や敗血症に関する研究がしたくて、医局を辞めて渡米し、St. LouisWashington University School of Medicineresearch fellowとして勤めました。1998年に帰国して再び大阪医大の古巣に戻り、食道外科の道に進むことになりました。数多くの手術を経験させていただき、学会活動なども活発に行い、充実した日々を過ごさせていただきました。

2013年にご縁があって現在の高槻赤十字病院に副院長としてお招きをいただき、現在に至っております。

現在の勤務内容

副院長・外科医・学会役員・医師会副会長と多方面で活躍中!
副院長として
副院長として種々の会議や経営・管理業務に日々追われています。
外科医として
現役の外科医として臨床業務もしっかりこなしています。最近は残念ながら手術には週2回程度しか入れませんが、このときが一番外科医であることを実感できる時間です。ほとんどは指導的助手として入り、自身で執刀するのは食道癌などの高難度手術や巨大な後腹膜腫瘍などの非典型例など、応用問題の症例に限られていますね。外来は週2回の午前、新患を中心に担当しています。
学会役員・医師会役員として
国内外を含め、多くの学術集会・研究会等における講演や司会、学会の理事会や各種委員会への出席などで、月数回の出張があります。今年から医師会の副会長も拝命したので、この関係の対外的な業務も激増しました。

平松先生の診療方針

個々の患者さんの人生の哲学を尊重

救命センターに勤務していた時期は、医師の仕事の根源は人の命を救うことであると確信していました。
その考えは今も間違っているとは思いませんが、その後多くの癌患者さんや高齢者を診療させていただく中で、必ずしも「命を永らえること=患者さんにとっての幸せ」という例ばかりではないことにも気付かされました。
喉頭摘出により声を失っても、上手な食道発声を習得して明るく前向きに生きておられる方もいれば、術後の合併症や後遺症が何一つなくても、気力を失ってほとんど寝たきりのような生活をおくっておられる方もいらっしゃいます。
いくつかの癌を次々と克服してきた患者さんが、「最後にひとつくらい死に至る病気を持っておきたい。」と言って、新たにできた早期癌の治療を断られたケースもありました。
ガイドラインに沿った治療法を提案することは医師としてもちろん大切ですが、個々の患者さんがそれまでの人生の中で作り上げてきたご自身の哲学を尊重しながら、治療を決めていく必要があると感じています。

数多くの引き出しを

最近は専門領域が細分化されすぎ、特定の臓器、特定の治療法しか扱えない医師が増えつつありますが、病気を診るのでなく患者さんを診るためには、医療の知識以外も含めた数多くの引き出しが必要です。いつも総合力を持った医師でありたいと思っています。
平松先生に直撃!
Q  &  A
Q1
医師として影響や刺激を受けた先生はありますか
A1
先にも述べましたが、救命センターでの経験を通じて臓器不全や敗血症に関する研究をしたいと思い、当時Johns Hopkins大学でこの方面の研究をされていたProf. Timothy G. Buchmanのもとを訪ねました。
何のつても紹介もなく、今思えば無謀な話です。ちょうど彼はWashington University School of Medicine in St. Louis(Barnes Hospital) に移ることが決まっており、研究者を探していたこともあったのでしょう。Research fellowとして雇ってもらえることになりました。
独特な発想を持った非常に頭の良い方で、彼のもとで3年半、マウスの敗血症モデルを用いてリンパ組織のapoptosisについて研究しました。アメリカでの生活は毎日が新鮮で刺激的で、日本とは違う医師の環境や働き方、ともに仕事を持つ夫婦の役割分担などを間近で見られたことも、今思えばとても良い経験でした。帰国して食道グループに所属してからは、尊敬するお二人の食道外科医に出会うことができました。
いずれも私の直接の上司ではないのですが、手術を見学に行かせていただいたり、学会や研究会などで度々ご指導を受ける機会に恵まれました。食道癌のような治療の難しい疾患に対するsurgeon’s mindを教えていただきました。
Q2
女性医師の働き方について
A2
私が入局した当時は、周りに女性外科医はほとんどいませんでした。僅かにおられた先輩は一様に独身で男勝りな印象で、その姿を見て私自身もだんだんそのように変貌していったように思います(笑)。まあ、そうでなければ男性ばかりの外科の中で生き残っていけなかった時代だったのでしょう。ここ10数年は、外科を志望する若手が減少していること、医学部生の女性の占める割合が40%近くまで増加していることなどから、外科系の診療科も女性の入局に対して門戸を広げています。子育てをしながら外科医を続けている女性も稀ではなくなりました。
様々な支援策もとられていますが、支援というのは女性が家事・育児をしやすい環境を整えることが目的ではありません。女性も男性と同様にキャリア・アップできるようにサポートすることが、本当の女性医師支援です。女性の方も当直やオンコール免除などの優遇にいつまでも漫然と甘んじていては、自身の経験やキャリアを狭めることになります。できるところから早めに復帰していくのが望ましいと思います。そのための労働環境の改善には、男性の上司・同僚などを巻き込むことが重要ですね。
Q3
ご自身が女性医師という立場で苦労された経験などはございますか
A3
幸い私の場合は、女性だからと不当な差別を受けた記憶はあまりありません。
しかし同僚男性の1.5~2倍くらい頑張ってやっと同等と認めてもらえた、という感じは持っていますね。
逆に、「女の子だからもう帰っていい。」とか、「この手術は入らなくていいから。」と言われて、周りの男性と同じように指導してもらえなかったという経験はありますね。気を遣っていただいたのでしょうけど、修練時期にはこういうのは逆差別になるかもしれませんね。
Q4
女性医師の可能性はどんな風に広がっていくと思いますか
A4
外科領域の中でも女性が増えつつあると言っても、これまでは乳腺外科や婦人科、形成外科など、比較的手術時間も短く緊急も少ない、かつ女性患者さんからのニーズの高い診療科に集中していましたが、ごく最近は心臓・血管外科、食道外科、肝胆膵外科などの分野にも女性が進出しつつあります。内視鏡外科手術やその他の機器の開発、手術手技の定型化などにより、過度の体力を要しない手術になってきたことや、チーム制などをとることにより、術後管理や休日出勤などが分担されるようになって、頑張れば女性にも手が届く領域になってきたのかもしれません。「女性だから、これは無理」というのでなく、本当にやりたい領域を自由に選択できるようになるといいですね。
Q5
ワーク・ライフ・バランスをどのように実現していらっしゃいますか
A5
働き方改革が叫ばれるようになった昨今は、多くの施設がチーム制をとり、時間外や休日は当番制で対応しておられるところが多いかと思います。しかし受け持ちの重症患者や自分が執刀した術後患者の様子は気になるものです。正直言って、自分で診に行った方がその日一日気持ちが落ち着くということもあるのですが、上司が休日出勤すると若手も休めなくなりますから、ぐっと我慢しています(笑)。最近は様々なデバイスもありますから、個人情報に配慮した上で、チーム内で夜間休日の患者さんの情報を共有することも可能です。
一方、子育てをする女性の働き方を見ていると、保育所へのお迎えの時間などがありますから、それまでに仕事が終わるように、すきま時間などを有効に使って効率的に仕事をこなしている方も多いですね。逆に家に帰って家事をする予定もない男性陣は、結構医局でだらだらと時間を過ごしている人もいます。普段の仕事では、「終了時間にリミットをつける」姿勢が重要かと思います。
Q6
趣味などプライベートの楽しみについて教えてください
A6
趣味は乗馬とドライブです。乗馬は学生の頃やっていて、しばらくブランクがあって、数年前にまた始めました。週1回くらい行ければいい方ですが。車は昔からオープンタイプのスポーツカーが好きで、現在は某ボンドカーに乗っています。運転自体が好きなので、400-500kmくらいなら平気で走ります。
自宅には2匹の大型犬と1匹の猫がいます。愛犬を通じたお友達も多くて、時々オフ会をしたり、訓練競技会などに参加することもあります。
こうしてみると動物系、生き物系が好きですね(笑)。

平松先生のこれからのチャレンジ!

男女双方満足できるために

先に述べましたような経過から、私は「女性外科医の先がけ」的に取り上げていただくことが多くて、ここ10数年くらいでしょうか、様々な女性医師支援の活動に携わらせていただきました。やっと女性も外科医としてやっていける環境が整ってきたように思います。その一方で、女性医師支援の負担が男性にかかっていると感じる場面もあります。男女双方がワーク・ライフ・バランスを維持し満足できるような労働環境改善のために、学会や行政、医師会などを通じて、今後も活動を続けていきたいと思っています。

医学生・若手医師にメッセージ

「私には無理」、「自分にはその能力はないだろう」と、夢を諦めないでほしい

医師としてこれから進む道を選ぶことになるのでしょうが、自分自身で可能性にリミットをつけないことですね。「私には無理」とか、「自分にはその能力はないだろう」とか考えて、夢を諦めないでほしいと思います。
 それから、医師という職業はやはり命を預かる責任ある仕事であることを忘れないでいただきたい。日々進歩する医療を学び続ける姿勢も必要です。その中で患者さんの命を助けたり、よりよい人生を提供できる喜びを実感できるのはまた、医師としての特権なのです。

病院アピール

わたしたちは人道・博愛の赤十字精神に基づき
高度で安全な医療を提供し、地域の人々が誇りにする病院となるよう努めます。

概要

名称 高槻赤十字病院
院長 古川 福実
所在地 高槻市阿武野一丁目1番1号
敷地 58,603.39m2
建物建築面積 11,242.47m2
建物延面積 30,154.96m2
病床数 446床
付属施設 高槻赤十字病院訪問看護ステーション
所在地:高槻市阿武野一丁目1番1号

診療体制

(23科)

内科(内科、緩和ケア科、緩和ケア診療科)、糖尿病・内分泌内科(糖尿病・内分泌・生活習慣病科)、血液内科(血液腫瘍内科)、神経内科、呼吸器科、消化器科、循環器科、小児科、外科(乳腺外科、血管外科)、消化器外科、整形外科、形成外科、脳神経外科、呼吸器外科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、放射線科、麻酔科、リハビリテーション科、病理診断科

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