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日本赤十字社 全国で活躍する女性医師 2026-02-27

秋田赤十字病院(秋田県)

全国の赤十字病院の中から、秋田県の秋田赤十字病院にお伺いしました。勤務内容や1日のスケジュール、家庭と仕事の両立など、女性医師ならではの声が聞けるインタビューです。

Female doctor Interview
富樫先生プロフィール写真 福岡先生プロフィール写真

Profile

富樫 嘉津恵 (とがし かずえ)
秋田赤十字病院 婦人科 副部長

富樫先生
  • 1982年に秋田県秋田市で生まれる。
  • 2009年に秋田大学を卒業後、秋田大学医学部附属病院で初期研修を行う。
  • 2011年に秋田赤十字病院総合周産期母子センター、2012年に秋田大学医学部附属病院で後期研修を行う。
  • 2014年に秋田大学医学部附属病院に勤務する。
  • 2015年に中通総合病院に勤務する。
  • 2015年に秋田赤十字病院総合周産期母子センターに勤務する。
  • 2016年に秋田赤十字病院総合周産期母子センター副部長に就任する。
  • 2017年に秋田赤十字病院婦人科副部長に就任する。
  • 2019年に秋田大学医学部附属病院に勤務する。
  • 2021年に北秋田市民病院に勤務する。
  • 2022年に秋田赤十字病院婦人科に副部長として着任する。

日本専門医機構認定産婦人科専門医、日本生殖医学会生殖医療専門医、日本産科婦人科学会産婦人科指導医、日本周産期・新生児医学会周産期専門医(母体・胎児)、日本産科婦人科内視鏡学会腹腔鏡技術認定医、日本内視鏡外科学会技術認定証(産科婦人科)、日本周産期・新生児医学会新生児蘇生法「専門」コース(Aコース)インストラクター、臨床研修指導医、がん等の診療に携わる医師等に対する緩和ケア研修会修了など。

福岡 日向 (ふくおか ひなた)
秋田赤十字病院 婦人科専攻医

福岡先生
  • 1996年に秋田県秋田市で生まれる。
  • 2020年に東京女子医科大学を卒業後、秋田赤十字病院で初期研修を行う。
  • 2022年に秋田大学医学部附属病院産婦人科専門研修プログラムを開始し、秋田大学医学部附属病院で専攻医研修を行う。
  • 2023年から能代厚生医療センターで専攻医研修を行う。
  • 2024年10月から秋田赤十字病院産科で専攻医研修を行う。
  • 2025年4月から秋田赤十字病院婦人科で専攻医研修を行っている。

がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会修了など。

Contents

Interview

Section01

 #01 秋田赤十字病院

ー 病院の特徴は?

富樫秋田市近郊で空港と駅のちょうど中間地点にあり、ドクターヘリがある県内唯一の救命救急センターで、ウォークインから3次救急まで幅広く対応しています。診療規模は、病床数447床、年間救急搬送数3582台で診療科20と、幅広く研修できる病院です。産婦人科に関して言えば、当院には秋田県で唯一の総合周産期母子医療センターがあります。当院は産科と婦人科で分かれているのですが、合わせると7、8人の常勤医師がおり、比較的規模の大きな診療科となっています。

ー 初期研修での人気の秘密は?

福岡私は初期研修を当院でさせていただいたのですが、診療科の数が多いこと、病院の規模が市中病院の中では大きいこと、三次救急をしていることからドクターヘリに乗る研修もあることなどが人気の秘密だと思います。幅広い内容の初期研修ができます。

Section02

 #02 医師を目指す

ー 医師を目指したきっかけをお聞かせください。

福岡父が医師だったこともあり、何となく医師という職業を身近に感じていたので、自然に目指すようになりました。

富樫私は両親とも公務員という家庭で育ったのですが、おばが助産師だったことや弟が双胎だったことがきっかけです。5歳ぐらいの物心がついた時期に母がしばらく入院したのですが、それが当院だったんですよ。そのときに頻繁に面会に来ていたのですが、「ああ、お医者さんって、こういう人たちなんだ」と思ったことを覚えています。そのときの産婦人科の先生方はきっとお忙しかったはずなのに私の面倒を見てくださり、色々と話しかけてくださったんです。それが何となく心のうちにあり、医師を目指したのではないかという気がしています。それだけではなく、ほかの理由もありそうですが、医師を目指したきっかけの一つですね。

Section03

 #03 初期研修

ー 秋田赤十字病院を研修先に選ばれたのはどうしてですか。

福岡実際に病院に見学に来て、先生方の雰囲気の良さを感じました。研修医室も見学させていただいたのですが、過ごしやすい環境だと思いましたし、先ほど「人気の秘密」でお話ししたような特徴にも惹かれ、そういった総合的な面から当院を選びました。

ー 初期研修で印象に残っていることについて、お聞かせください。

福岡今は産婦人科の専攻医をしていますが、学生時代の臨床実習のときから産婦人科は面白そうだと感じていたんです。それで1年目の5月という早い時期に産婦人科を回り、「この診療科で将来もやっていきたい」という気持ちが芽生えたことが印象に残っています。ほかにはドクターヘリに乗る研修も良かったです。ほかの病院ではなかなか経験できない研修なので、勉強になりました。

Section04

 #04 専門を選ぶ

ー ご専門を選ばれたきっかけについて、お話しください。

福岡私は女子医大出身なのですが、女性しかいない大学で学んでいるうちに女性を診る科が気になるようになりました。大学での臨床実習では手術や周産期の研修をスパルタ的に厳しく教育されたのですが、逆に私にとっては興味深く感じたんですね。それで初期研修が始まって、ラパロの縫合練習なども実際にさせていただいたことで、面白いなと思ったことが産婦人科を目指したきっかけになりました。

富樫私は医師を目指した理由でお話しした背景から、産婦人科は気になる診療科の一つではありました。大学の臨床実習ではなかなか病状が改善されない白血病の患者さんの担当になったり、お薬が効かず、治療の転帰が難しい悪性腫瘍の患者さんに出会ったりなど、悲しい症例に当たることが少なくなく、気持ちが滅入っていたんですね。そんなときに産婦人科で周産期のグループを回ったときに、もちろん大変な症例も経験しましたが、それよりも患者さんに「おめでとう」と言って、喜んで帰っていただける科はとても働き甲斐があるなと思ったことが大きなきっかけです。それと上の先生方が笑顔で働いていらっしゃる瞬間が多い科なんじゃないかなと思ったことも理由の一つです。

ー 秋田赤十字病院に来られた経緯をお聞かせください。

富樫大学院の研究や専門医の取得の後に秋田大学産婦人科医局より配属されました。

福岡私もそうです。私は秋田大学医学部附属病院産婦人科の専攻医プログラムに乗っているので、その研修の一環で当院に来ています。

ー 医師として、影響や刺激を受けた人はいますか。

スケジュール画像を掲載します

富樫教授も、今までの上司の先生方も、同僚も、たくさんお世話になって。本当にたくさんいらっしゃいまして、お伝えしきれないほどです。私が医師になって一番最初にお世話になった先生についてお話ししますと、私は初期研修では秋田大学医学部附属病院のプログラムに乗っていたのですが、そのときのメンターの先生が当時の産婦人科で医局長をされていた方でしたし、多くの先生方に支えられて、影響を受けてきたと思っています。

福岡自分の産婦人科医人生を振り返ってみると、当院で最初に執刀させていただいたときの指導医の先生が富樫先生でした。初期研修2年目の2月か3月のことで、春から専攻医になるという直前の時期に産婦人科を回っていたんですが、病状説明をしたり、手術を組むという、今では当たり前のようにしていることでも研修医時代の私にはとても緊張することでした。もちろん今も緊張するべきことなのでしょうが、私にとっての初めての患者さんだったので、患者さんや症例にとても真剣に向き合っていたんです。そういう姿を私に教えてくださったのが富樫先生でした。執刀のノウハウを教えていただいただけでなく、私も将来はこうなりたいなと思えました。それが私の産婦人科医人生の始まりだったので、富樫先生にはとても感謝しています。

富樫ありがとうございます(笑)。

Section05

 #05 救急

ー 秋田赤十字病院の救急はいかがですか。

富樫三次救急の病院です。産婦人科医が立ち会うところとしては母体搬送ですね。当院にはドクターヘリも飛んできますし、県内で最大規模のNICUもあるので、県内の各地から早産のリスクが高い患者さんが母体搬送されていらっしゃいます。そのまま手術をして、当院に長く入院されることもありますし、地元の病院にお戻りになる方もいれば、当院でお産になって新生児治療が必要になる方もいます。産婦人科医としても、救急医としても濃厚な経験ができる病院です。緊急帝王切開、産科大量出血のシミュレーションや新生児蘇生、外傷外科診療の講習など、救急関連の自分の知識をアップデートする機会も多く、今になっても学ぶことが多いです。

ー 当直の回数はどのぐらいですか。

福岡私は月に4回程度です。

富樫私は月に3回か、4回です。何も問題ない通常分娩でも少子化の影響から10年前とは比べものにならないぐらい減っているのですが、それでも午前3時から4件ぐらい立て続けにあったりすることもあります。年に5回ぐらいは夜中に救急車で来られた患者さんの緊急手術をすることもあるので、そういう意味では県内のほかの病院よりは忙しいかもしれません。

ー 救急外来の当直はないのですか。

富樫私たち産婦人科医は救急外来当直からは外れて必要時の応援体制になっています。救急外来は全科当直で上級医2名、研修医2名の4名体制で対応されています。産婦人科はどうしても分娩の当直や何かあったときの緊急帝王切開などの産婦人科医で担当しないといけないこともあるので、救急外来の当直からは外していただき、産婦人科に特化した当直をしています。救急外来のほうは新型コロナウイルス感染症やインフルエンザもありますし、脳梗塞、心筋梗塞、血管系の症例が増える季節は忙しそうです。秋田県はくま被害も出ており、救急科、形成外科、耳鼻科など複数科対応でのくま外傷の緊急手術や集中治療にも対応しています。

Section06

 #06 キャリアを積む

ー 秋田赤十字病院での勤務内容をお聞かせください。

富樫当院産婦人科は週5日外来3枠(産科1枠婦人科2枠)で、週4枠の手術+帝王切開を行います。分娩数は年間550件程度で、手術件数は帝王切開を含めて350件程度、そのうち腹腔鏡は100件を超えました。私は月曜日は病棟業務のほか、臨床研修センターの仕事もしていますので、様々な事務業務をしています。夕方は産科婦人科の合同のカンファレンスがあり、周産期と婦人科の症例の検討をします。火曜日は朝から晩まで悪性腫瘍の手術です。早く終われば18時、遅いと22時です(笑)。水曜日は午前中は病棟の対応や何かあったときの緊急対応の応援、午後からは腹腔鏡の手術です。水曜日は大学病院から応援の医師が来ますので、比較的難しい腹腔鏡の手術を組んでいることが多いです。木曜日と金曜日は午前中が外来、午後が手術です。

スケジュール画像を掲載します

ー 福岡先生はどのような専攻医研修を行っていらっしゃいますか。

福岡専攻医研修3年目ですので、学会で決められたノルマのような症例数は達成できている状態です。1週間の流れとしては外来も手術もまんべんなく行い、今日は病棟業務をしています。外来は週に1、2回担当させていただいていて、時には珍しい症例に当たることもあります。ガイドラインとにらめっこして勉強していますが(笑)、先生方に相談しながら伸び伸びと研修させていただいています。

スケジュール画像を掲載します

ー 専攻医研修で勉強になっているのはどのようなことですか。

福岡手技的な経験はもちろんですが、やはり患者さんとの接し方ですね。先生方それぞれに違い、多様性がありますので勉強になりますし、自分に取り入れられるところは取り入れていけるよう、励んでいます。

ー 診療方針をお聞かせください。

富樫あえて申し上げるとすれば、患者さんのお気持ちを尊重しながら最適な医療をお届けできるように、患者さんとよくよく話し合うことです。「標準治療はこうですよ」と言っても、それが患者さんご本人に本当に適切なのか、ご本人がそれを希望されるのか、受け入れる余地がない部分はないのかといったことはどうしても実診療とはズレが出ることでもあります。「私はアレルギーだから、その薬は使えない」といった身体のこともそうですし、「その治療には費用がかかる」といった経済的なこともそうです。悪性腫瘍に限らず、良性疾患であっても、お薬を使うか使わないのか、手術をするのかしないのか、更年期の患者さんにホルモン補充療法をするのか漢方療法にするのかなど、様々な選択肢があるのが婦人科の診療の独特のところかなと思います。こういうことは患者さんとお話をして、ある程度の相互理解がないと、私が提案して、患者さんが納得して、一番いい結果をもたらすというところにたどり着かないものです。とても難しいことではありますが、患者さんが何を希望されていて、どう考えていて、受けている治療についてどう思っていらっしゃるのかということを気にしながらお話しすることを心がけています。

福岡私は自分が患者さんだったらということを意識することにしています。「私がこう話したら、患者さんはどう思うかな」のように、自分が患者さんだったらということを常に考えながら計画やスケジュールを立てるようにしています。

ー 秋田赤十字病院で実現したキャリアはどのようなものですか。

富樫私は当院に在籍している間に腹腔鏡手術の技術認定に必要な症例数を経験することができました。これは結構な数が必要なのですが、当院ではそれが可能です。今は子宮鏡技術認定医にチャレンジしているところです。当院は悪性腫瘍も良性疾患も症例数が多く、そのような技術認定が取れる施設になっていますので、その意味ではキャリアアップできる病院です。このほか、周産期・新生児専門医の資格も持っているのですが、これも当院で経験した症例で取らせていただきました。

福岡私はまだ研修段階ですが、今後、産婦人科の専門医試験を受ける予定です。

ー 富樫先生は副部長としてのお仕事にはどのようなものがあるのですか。

富樫手術室での機材調整を担当しています。新しい機械を導入するのか、入れ替えをするのかといったことですね。ほかには院内で行っている薬剤勉強会の調整もしています。診療全般に関しては部長と相談しながら行っています。それから臨床研修センターでの仕事もあり、これが少し大変です。初期研修医の先生方が一生懸命に頑張っている病院ですし、どの診療科に進んでも応援していくという病院なので、忙しくなってしまいます(笑)。

ー 女性の管理職は多いですか。

富樫部長職医師で数えますと、4人ほどいらっしゃいます。私が最初に当院に勤務したのは卒後3年目で、ちょうど今の日向先生と同じぐらいの年頃でしたが、当時は女性部長は1人いらっしゃるかどうかでしたので、その頃からすると女性医師も女性管理職も増えていますね。

ー これまでの勤務で印象に残っていることはどんなことですか。

富樫印象に残っている患者さんは産科でも婦人科でも大勢いらっしゃるので、一人に絞るのは難しいですね。そこで挙げるとすれば、神経内科の患者さんでしょうか。当院は神経内科の先生方がとても精力的に診療されているのですが、ときどき「婦人科で卵巣腫瘍を取ってきませんか」という症例があります。NMDA受容体抗体脳炎の場合が多く、これまでに複数例経験したのですが、症状の出方がとても多彩なんです。ある患者さんは風邪を引いてからあっという間の1週間以内に意識状態が悪くなって、人工呼吸器をつけて集中治療室に入らないといけなくなったのですが、その脳炎の原因が本当に小さな卵巣腫瘍でした。ご本人とお会いしたときはお話もできず、ご家族が泣いていらっしゃいました。私としては1センチの卵巣腫瘍のために、若年女性の卵巣を摘出することに葛藤もありましたが、診断もしっかりついていましたし、神経内科の先生方ともカンファレンスをしたのちに摘出を決めました。半年後に患者さんは転院されたのですが、1年後に元気に歩いていらっしゃって、再会することができました。思い出に残る患者さんは多くいらっしゃいますが、ご家族が号泣されている中、皆で悩みに悩んで診療して、良い結果が得られたということで、印象に残っている患者さんです。

福岡私の場合はどの病院も勤務期間が短く、一番短いところだと半年で異動になりました。当院は長く、産科に半年、婦人科に1年いる状況ですが、病気を発見してから治療して元気になってという一連の全ての流れを見られた患者さんはいらっしゃらないかなと思います。もしかしたら、とても小さな卵巣の手術の患者さんならいらしたかもしれませんが、患者さんとの関係性を構築するにはある程度の勤務期間は必要だなと感じています。でも今、担当させていただいている患者さんとは比較的長めにお付き合いさせていただいていて、ある程度は良好な関係性を得られているので、これから先にときどき思い出す患者さんになるのだろうなと思いながら診療させていただいています。

ー 初期研修医の指導にあたって、心がけていることはありますか。

福岡先生写真

福岡つい3年前までは私も回っていました(笑)。そのとき、私はどうだったのかなと思い出すようにしています。産婦人科には1カ月しか回れないので、表現は良くないのですが、どうしてもお客さんのようになりかねません。そのため、なるべく診療に参加してもらえるような関係性を作ることを心がけています。

富樫私は初期研修医の皆さんとは最初に臨床研修センターで会っているので、立ち位置として既に「母」の気持ちが芽生えてしまっています(笑)。少し甘いのかもしれませんが、自分の子供に向き合うように、研修医の「やりたい気持ち」を育てたいなと思いながら指導しています。産婦人科は短い期間ながら必修にしていただいているので、全員が回ってきます。その時間の中で、その研修医の進む科が決まっている場合はその科に関連した症例を多めに当てたり、逆に産婦人科に興味が全くないという場合は手術と手術の合間に帝王切開や分娩が挟まったりなどの色々な場面に立ち会えるようにしたりしています。例えば小児科に興味がある場合はNICUを一緒に見学する時間を作ったりなど、個別に対応しています。

ー これまでのキャリアを振り返られて、いかがですか。

富樫あっという間でしたね。自分がそんなに年数を重ねた実感がなく、色々な仕事を担当させていただいていることに戸惑っているところもあります。先ほど日向先生が「3年前は初期研修医だった」と言っていましたが、私にとっては17年前なんだなということに今になって気づき、衝撃を受けました(笑)。

富樫先生写真

Section07

 #07 家庭との両立

ー 出産されたのはいつですか。

富樫初期研修を始める2009年4月です。そのため半年遅れの10月から初期研修を始めました。初期研修1年目の12月はまだ3カ月目でしたので、何をしていいのか分からないぐらいの立ち位置でした。子どもは男の子で、今は高校1年生です。

ー 仕事と育児をどのように両立されてきたのですか。

富樫先生写真

富樫両立というと「立つ」ということですが、どちらも立っている気はしないです(笑)。子どもは比較的大きな問題もなく、すくすくと育っているようには見えています。夫は5歳年上の医師ですが、2人とも当直があった5年間は少し大変でした。その後、夫が開業し、夜の当直だけはなくなりましたし、営業時間外の仕事はほとんどないので、私がオンコールになってもあまり気にならないようです。私はせっかちなところがあるので、色々なことを夫に丸投げしていたりもします(笑)。

Section08

 #08 今後のキャリアプラン

ー 今後のビジョンをお聞かせください。

福岡直近の目標は専門医を取ることですが、ワーク・ライフ・バランスをどうしていこうかなということを考えないといけないなとも思っています。

富樫子どもがいて、ワーク・ライフ・バランスは大事だという話をしながら働いていたはずなのですが、気がついたら高市首相のような「働いて働いて」になっていました(笑)。後輩に今の自分をお勧めできるかと言われると考える部分もありますね。働きたいときは働けばいいのですが、そうではない選択肢もあるんだよと言いたいですし、後輩がそういう生き方を選べるような職場環境を実現していかないといけないと思っています。

Section09

 #09 育児短時間勤務制度

ー 育児短時間勤務制度を使われている先生方は多いですか。

富樫産婦人科にもいらっしゃいますし、院内全体ではそこまで多くはありませんが、数人います。

Section10

 #10 院内保育所

ー 院内保育所も完備されていますよね。

富樫「ちえの和」という院内保育所があります。病院の敷地内に新しく作られた保育所で、医師よりも看護師さんが多く利用している印象ですが、評判はいいです。私自身は大学病院の研修医時代に出産したので、大学病院の院内保育所を使っていました。そのときにママ友になってくださった、子どもの同級生のママさんたちの多くが今は当院でご一緒なので、昔話も今の子育ての話もまた一緒にしています(笑)。

Section11

 #11 病児保育所

ー 病児保育所もありますか。

富樫まだありませんので、子どもさんが何かあったときに悩まれている職員はいるのではないかと思います。大学病院には小さい枠ながら病児保育所がありますし、秋田市内にも病児保育ができる保育所がいくつかあります。私はそこに事前登録しておき、緊急時には順番にあたっていく形で対応していたので、今の子育て中の方々も同じようにされているのではないでしょうか。

Section12

 #12 女性医師の会

ー 女性医師の会のようなものはありますか。

富樫私が当院に最初に勤務した10年ほど前は女性医師だけで飲み会をしたりすることが年に1、2回はありました。でも今は多くの科で女性医師が多くなっていることもあり、なかなか難しいですね。

Section13

 #13 秋田赤十字病院の福利厚生

ー 福利厚生についてはいかがですか。

富樫当院には院友会というものがあり、旅行に行く前に申請すると補助金をいただけるほか、部活動や運動会への支援があります。院内コンサートもときどき開催されますが、今年のイチオシは日向先生のヴァイオリンコンサートでした。

福岡小学生のときからヴァイオリンを習っていましたが、大学でオーケストラ部に入ると結構楽しかったので、今も秋田市の管弦楽団に所属して演奏会に出たりする活動をしています。院内コンサートはヴァイオリンをされている女性の先生からお声がけをいただいたので、デュオ演奏をしました。

富樫素敵なヴァイオリン二重奏でした。

福岡クラシックのよく知られている曲を二重奏仕様に編曲してあるものを何曲か演奏しました。

ー 秋田赤十字病院での女性医師の働きやすさはどのようなところにありますか。

富樫当院はどの診療科も複数主治医制にしており、夜中も呼ばれるかもしれないという勤務体制ではなくなっています。そのため、日中の可能な時間帯の救急外来に当番する女性医師の枠もありますし、働きやすい病院ではないかと思います。

Section14

 #14 ワーク・ライフ・バランス

ー ワーク・ライフ・バランスをどのように心がけていらっしゃいますか。

福岡富樫先生は「働いて働いて」ではなく、もっと休んでほしいと思っています(笑)。臨床研修センターのお仕事などが大変そうです。

富樫日向先生が怒ってくれていることがワーク・ライフ・バランスが大事だというきっかけになるかもしれません(笑)。

福岡当院は週末の当番に際し、当番の医師だけが来て働くというシステムがほかの病院よりも整っていますし、オンオフの切り替えがしやすいです。週末に用事があったりすると当直もある程度は融通を利かせていただきやすいので、そのようにしてバランスを取っています。

富樫婦人科は部長は男性ですが、その下の3人は全て女性なので、働きやすくないと働けないところはあります。それぞれが特性や得意なことを最大限に活かさないと終わらないので、手術にあたっては研修医も交えてチーム医療を行っています。執刀医が最初から最後まで完遂するのは難しいことですし、疲労感が蓄積すれば医療安全の面からも良くないですので、もちろん監督者は絶対にいますが、交代しながら執刀したりなど、皆で取り組んで、何とかお休みを取れるようにしています。

ー ほかにご趣味など、プライベートについて、お聞かせください。

富樫働きまくっているように思われていますが、趣味も結構多いです(笑)。この冬はさらしの生地に刺繍糸でチクチクと刺し子をしようと思い、セットを準備しています。ゴッホの星月夜の模様に刺繍して、布巾に仕上げていく予定です。編み物も趣味で、一冬に一靴下を編んでいます。また、高校生男子のためにお弁当を作っているのですが、ちょっと凝った料理も意外と好きです。冬になると栗を買ってきて、渋皮煮にするために、一人で夜な夜なキッチンにこもったりしています(笑)。

福岡私は先ほどお話ししたヴァイオリンのほかは1年ほど前からホットヨガをしています。当院の近くにスタジオがあり、夜のクラスも開講されているので、仕事が終わって元気なときはスタジオに行っています。

ー 座右の銘などはありますか。

富樫「一期一会」です。色々な方々に出会う機会を通して、自分の可能性も伸びていくなということをこの10年ぐらい実感しています。私は学会の委員会活動の仕事もさせていただいているのですが、そこで経験した仕事がなぜかまた回ってきてという繋がりがあったりすると、「あのときの出会いは大事だったな」と思います。日向先生にしても、数年前の学生さん時代にお会いしたときは今こうやって2人で並んでいるとは思いもしませんでしたし、そのときそのときの出会いは大事だなと思っています。

福岡「毎日一生懸命」です。頑張れる限りは何事も全力で頑張りたいです。

Movie

Hospital introduction

概要

名称秋田赤十字病院
所在地〒010-1495 秋田県秋田市上北手猿田字苗代沢222番地1
電話番号018-829-5000(代表)
開設年月大正3年7月1日(平成10年7月1日新築移転)
院長河合 秀樹 (かわい ひでき)
休診日土曜・日曜・祝日・年末年始 12/29 ~ 1/3・創立記念日 7/1
病床数許可病床:447床、一般病床:311床

標榜科目

内科、腎臓内科、代謝内科、血液内科、神経内科、呼吸器内科、消化器内科、循環器内科、腫瘍内科、精神科、小児科、消化器外科、乳腺外科、呼吸器外科、心臓血管外科、小児外科、整形外科、形成外科、脳神経外科、皮膚科、泌尿器科、産科、婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、放射線科、麻酔科、リハビリテーション科、救急科、緩和ケア内科、病理診断科(以上31科)

各制度の認定

機関指定

  • 救命救急センター(第三次救急指定病院)
  • 救急告示病院
  • 臨床研修指定病院
  • 総合周産期母子医療センター
  • DPC対象病院
  • 外国医師臨床修練指定病院
  • 秋田県災害拠点病院(地域災害医療センター)
  • 秋田県難病診療分野別拠点病院(神経・筋疾患)
  • 臓器提供病院
  • エイズ治療拠点病院
  • 地域がん診療連携拠点病院
  • 地域小児科センター
  • (財)救急振興財団救急救命士実習施設
  • 秋田県立衛生看護学院助産科実習施設
  • 日本赤十字秋田看護大学看護学科実習施設
  • 日本医療機能評価機構認定病院(3rdG:Ver2.0)
  • 秋田DMAT指定病院
  • 人間ドック健診施設機能評価認定病院(Ver4.0)
  • 秋田県ドクターヘリ基地病院
  • 卒後臨床研修評価認定病院
  • 地域医療支援病院
  • 労災保険指定医療機関
  • 労災保険二次健診等給付医療機関
  • 第一種協定指定医療機関
  • 看護師特定行為研修指定研修機関
  • 紹介受診重点医療機関

専門医研修施設等の認定

  • 日本内科学会認定医制度教育病院
  • 日本透析医学会認定医制度教育関連施設
  • 日本腎臓学会認定研修施設
  • 日本糖尿病学会認定教育施設
  • 日本神経学会専門医制度教育施設
  • 日本呼吸器学会認定施設
  • 日本アレルギー学会認定アレルギー専門医教育研修施設
  • 日本超音波医学会認定超音波専門医研修基幹施設
  • 日本消化器内視鏡学会認定専門医制度指導施設
  • 日本消化器病学会専門医制度認定施設
  • 日本循環器学会認定循環器専門医研修施設
  • 日本小児科学会小児科専門医研修施設
  • 日本周産期・新生児医学会新生児認定施設
  • 日本周産期・新生児医学会母体・胎児認定施設
  • 日本消化器外科学会専門医制度修練施設
  • 日本外科学会外科専門医制度修練施設
  • 日本大腸肛門病学会認定施設
  • 日本乳癌学会認定施設
  • 日本整形外科学会専門医研修施設
  • 日本脊椎脊髄病学会椎間板酵素注入療法実施可能施設
  • 日本肝臓学会認定施設
  • 日本リウマチ学会教育施設
  • 日本航空医療学会認定指定施設
  • 日本形成外科学会専門医制度認定施設
  • 日本リハビリテーション医学会研修施設
  • 日本脳神経外科学会専門研修連携施設
  • 呼吸器外科専門医合同委員会認定専門研修連携施設
  • 日本泌尿器科学会専門医教育施設
  • 日本産科婦人科学会専攻医指導施設
  • 日本耳鼻咽喉科学会認定専門医研修施設
  • 日本医学放射線学会放射線科専門医修練機関
  • 日本麻酔科学会認定病院
  • 日本病理学会研修認定施設(B)
  • 日本臨床細胞学会認定施設
  • 日本脳卒中学会認定研修教育施設
  • 日本脳卒中学会認定一次脳卒中センター
  • ​日本脳卒中学会認定一次脳卒中センターコア
  • マンモグラフィ(乳房エックス線写真)検診施設
  • 日本精神神経学会精神科専門研修連携施
  • 日本臨床腫瘍学会認定研修施設
  • 日本静脈経腸栄養学会認定NST稼働施設
  • 日本がん治療認定医機構認定研修施設
  • 日本急性血液浄化学会認定施設
  • 日本消化管学会胃腸科指導施設
  • 日本皮膚科学会認定専門医研修施設
  • 日本女性医学学会専門医制度認定研修施設
  • 日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会インプラント実施施設
  • 日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会エキスパンダー実施施設
  • 日本人間ドック学会人間ドック健診専門医研修施設
  • 日本血液学会専門研修施設
  • 日本心血管インターベンション治療学会研修施設群連携施設
  • 日本脳神経外傷学会認定研修施設
  • 日本産科婦人科内視鏡学会認定研修施設
  • 日本炎症性腸疾患学会IBD指導施設
  • 日本婦人科腫瘍学会専門医制度指定修練施設
  • 日本胃癌学会認定施設A

施設基準

基本診療料

  • 初診料 注16 医療DX推進体制整備加算
  • 一般病棟入院基本料 急性期一般入院料1
  • 救急医療管理加算
  • 急性期充実体制加算2
  • 超急性期脳卒中加算
  • 診療録管理体制加算2
  • 医師事務作業補助体制加算1 15対1
  • 急性期看護補助体制加算 25対1
  • 注2ハ 夜間100対1急性期看護補助体制加算
  • 注3 夜間看護体制加算
  • 注4 看護補助体制充実加算
  • 看護職員夜間配置加算 16対1配置加算1
  • 療養環境加算
  • 重症者等療養環境特別加算
  • 無菌治療室管理加算1・2
  • 放射線治療病室管理加算(治療用放射性同位元素による場合)
  • 緩和ケア診療加算
  • 栄養サポートチーム加算
  • 医療安全対策加算1
  • 感染対策向上加算1
  • 注2 指導強化加算
  • 注5 抗菌薬適正使用体制加算
  • 患者サポート体制充実加算
  • 報告書管理体制加算
  • 重症患者初期支援充実加算
  • 褥瘡ハイリスク患者ケア加算
  • ハイリスク妊娠管理加算
  • ハイリスク分娩管理加算
  • 呼吸ケアチーム加算
  • 後発医薬品使用体制加算1
  • バイオ後続品使用体制加算
  • 病棟薬剤業務実施加算1
  • 病棟薬剤業務実施加算2
  • データ提出加算2イ
  • 入退院支援加算2・3(注7に掲げる入院時支援加算)
  • 入退院支援加算(注4に掲げる地域連携診療計画加算)
  • 認知症ケア加算1
  • せん妄ハイリスク患者ケア加算
  • 排尿自立支援加算
  • 地域医療体制確保加算
  • 精神疾患診療体制加算
  • 医療安全対策地域連携加算1
  • 特定集中治療室管理料5
  • ハイケアユニット入院医療管理料1
  • 総合周産期特定集中治療室管理料
    新生児集中治療室管理料
  • 新生児治療回復室入院医療管理料
  • 小児入院医療管理料4
  • 小児入院医療管理料(注7に掲げる養育支援体制加算)

特掲診療料

  • ウイルス疾患指導料
  • 外来栄養食事指導料の注2に規定する施設基準
  • 外来栄養食事指導料の注3に規定する基準
  • 外来腫瘍化学療法診療料1・2
  • 注8 連携充実加算
  • 遠隔モニタリング加算(心臓ペースメーカー指導管理料)
  • 糖尿病合併症管理料
  • がん性疼痛緩和指導管理料
  • がん患者指導管理料イ・ロ・ハ・二
  • 外来緩和ケア管理料
  • 糖尿病透析予防指導管理料
  • 婦人科特定疾患治療管理料
  • 一般不妊治療管理料
  • 二次性骨折予防継続管理料1・3
  • 下肢創傷処置管理料
  • 院内トリアージ実施料
  • 外来放射線照射診療料
  • 療養・就労両立支援指導料
  • 開放型病院共同指導料
  • ハイリスク妊産婦共同管理料(Ⅰ)
  • がん治療連携計画策定料
  • 肝炎インターフェロン治療計画料
  • 薬剤管理指導料
  • 医療機器安全管理料1・2
  • 注18検査・画像情報提供加算
  • 電子的診療情報評価料
  • 外来排尿自立指導料
  • 持続血糖測定器加算及び皮下連続式グルコース測定
  • 救急患者連携搬送料
  • 在宅腫瘍治療電場療法指導管理料
  • 先天性代謝異常症検査
  • 遺伝学的検査
  • 遺伝学的検査(注6に掲げる遺伝カウンセリング加算)
  • 骨髄微小残存病変量測定
  • BRCA1/2遺伝子検査1腫瘍細胞を検体とするもの
  • BRCA1/2遺伝子検査2血液を検体とするもの
  • HPV核酸検出及びHPV核酸検出(簡易ジェノタイプ判定)
  • ウイルス・細菌核酸多項目同時検出
  • ウイルス・細菌核酸多項目同時検出(髄液)
  • 検体検査管理加算(Ⅳ)
  • 胎児心エコー法
  • ヘッドアップティルト試験
  • 神経学的検査
  • 小児食物アレルギー負荷検査
  • CT透視下気管支鏡検査加算
  • CT撮影及びMRI撮影
  • 抗悪性腫瘍剤処方管理加算
  • 外来化学療法加算1・2
  • 無菌製剤処理料
  • 心大血管疾患リハビリテーション料(Ⅰ)
  • 脳血管疾患等リハビリテーション料(Ⅰ)
  • 運動器リハビリテーション料(Ⅰ)
  • 呼吸器リハビリテーション料(Ⅰ)
  • がん患者リハビリテーション料
  • リハビリテーション料初期加算
  • 急性期リハビリテーション加算
  • 摂食嚥下機能回復体制加算2
  • 静脈圧迫処置(慢性静脈不全に対するもの)
  • 多血小板血漿処置
  • 人工腎臓1
  • 導入期加算1
  • 透析液水質確保加算・慢性維持透析濾過加算
  • 下肢末梢動脈疾患指導管理加算
  • ストーマ処置 注4 ストーマ合併症加算

連載: 日本赤十字社 全国で活躍する女性医師