a 浸潤の程度や転移の有無にもよるが、基本的に胃癌が存在することで腹腔鏡下胆嚢摘出術の適応が禁忌となることはない。胃癌に対する胃切除術と同時に胆嚢摘出術が行われることもある。よってaは×である。
b 胆嚢癌を損傷した場合、血行性に肝臓に播種する、胆汁に癌細胞が漏出することで腹腔内などに撒かれるなどのリスクが考えられるため、原則禁忌とされている。よってbが〇である。
c 胆管結石については内視鏡的もしくは外科的除去療法があるが、胆嚢結石が合併する場合、胆嚢摘出術も同時に行うことがある。よって腹腔鏡下胆嚢摘出術においても、とくに禁忌とはならない。よってcは×である。
d 以前は急性胆嚢炎が落ち着くのを待って胆嚢摘出術を行っていたが、現在では急性胆嚢炎の治療の基本が早期の腹腔鏡下胆嚢摘出術となっている。よって適応があり、禁忌ではないといえる。ゆえにdは×。
e 胆嚢線筋腫症は、無症状の場合は腹腔鏡下胆嚢摘出術の適応ではない。しかし症状があり胆嚢癌との鑑別が難しい場合などは、腹腔鏡下胆嚢摘出術を考える場合もある。よってeは×である。
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