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国試過去問解説 2025-12-03

国試過去問解説 大動脈弁狭窄症 国試(113B49)

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113B49
68歳の男性。一過性の意識消失を主訴に来院した。

現病歴:買い物中に突然目の前が真っ暗になり,意識を失って転倒した。居合わせた家族によると 30秒後に速やかに意識を回復したとのことであった。そのまま家族に連れられて受診した。 既往歴:10年前から高血圧症で自宅近くの診療所に通院中。
生活歴:喫煙は10本/日を68歳まで40年間。飲酒は機会飲酒。
家族歴:父親は70歳時に大腸癌で死亡。
現 症:意識は清明。身長168cm,体重64kg。体温36.1℃。脈拍88/分,整。血圧128/88mmHg。呼吸数16/分。SpO2 98%(room air)。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。 心臓の聴診で胸骨右縁第2肋間を最強点とするⅣ/Ⅵの駆出性雑音を認める。 心音・心雑音の模式図を以下に示す。

この患者で予測されるのはどれか。

(A)
答え
不正解

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過性の失神、聴診所見により大動脈弁狭窄症を強く疑う。

a ①は、Ⅱ音より始まり漸減する高調音で、拡張期灌水様雑音という。拡張早期雑音ともいう。大動脈弁閉鎖不全症でみられる。最強点はErb領域(第3肋間胸骨左縁)である。よってaは×である。

b ②はⅠ音から離れて始まり漸増し、収縮中期に最大となり漸減する収縮期駆出性雑音である。肺動脈弁狭窄症、大動脈弁狭窄症、閉塞性肥大型心筋症にてみられる。よってbが○である。

c ③はⅠ音からⅡ音まで連続して音量はほぼ一定であり収縮期逆流性雑音である。全収縮期雑音ともいう。心室中隔欠損症や僧帽弁閉鎖不全症で聴取される。僧帽弁閉鎖不全症においては心尖部にて最強となる。よってcは×。

d ④は収縮期~拡張期にⅡ音を越えて続く連続性雑音である。聴取される主な疾患は動脈管開存症やValsalva洞動脈瘤破裂である。よってdは×である。

e ⑤は前収縮期雑音であり、拡張末期に始まりI音まで続く。僧帽弁狭窄症にて、心尖部を最強点として聴取される。僧帽弁狭窄症ではⅠ音亢進や拡張期ランブルなども生じる。よってeは×。

大動脈弁狭窄症では、症状が出てからでは予後不良なので、聴診などで疑った場合は循環器内科に紹介し、心エコー検査などを行うことが重要である。

時間のある方は参考資料としてこちらをご覧ください。

連載: 国試過去問解説