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国試過去問解説 2025-11-12

国試過去問解説 糖尿病腎症 国試(113D46)

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113D46
63歳の男性。下腿の浮腫を主訴に来院した。12年前に糖尿病と診断され、自宅近くの診療所で経口糖尿病薬を処方されている。2年前から尿蛋白を指摘されている。1か月前から夕方になると顔面および両下腿に浮腫が出現するのが気になり受診した。身長170cm、体重78kg。脈拍68/分、整。血圧168/92mmHg。顔面と両側脛骨前面に軽度の圧痕性浮腫を認める。尿所見:蛋白3+、糖(-)、潜血(-)。血液所見:赤血球425万、Hb 13.0g/dL、Ht 39%、白血球6,700、血小板24万。血液生化学所見:アルブミン3.8g/dL、尿素窒素28mg/dL、クレアチニン1.6mg/dL、eGFR 40mL/分/1.73m2。血糖114mg/dL、HbA1c 6.8%(基準4.6~6.2)。24時間蓄尿検査:尿量1,600mL/日、蛋白2.4g/日、クレアチニン1.24g/日、Na 5.6g/日、Cl 8.9g/日。
この患者で正しいのはどれか。

答え
不正解

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高血圧、尿蛋白、糖尿病の病歴、eGFRなどから糖尿病性腎症による慢性腎臓病(CKD)を考える。

a Naの1日当たりの摂取量が5.6gということで食塩量に換算すると14g程度となる。慢性腎臓病のステージや腎臓の保護の観点から多すぎる。推奨は1日6g以下である。よってaは×。

b eGFRが30ml/分/1.73m2を越えており、G5期ではない。eGFRが30以上45未満はG3b期である。よってbも×である。

c ①蛋白尿3.5g/日、②血清アルブミン値3.0g/dl以下(血清総蛋白値6.0g/dl以下)の両方の基準を同時に満たさないのでネフローゼ症候群とは診断されない。よってcは×。

d 腎生検は行っていないが、ネフローゼ症候群ではない、血尿がないことなど副腎皮質ステロイドが適応となる積極的な理由は見当たらない。逆に糖尿病腎症であれば、血糖上昇作用のある副腎皮質ステロイドを治療に用いることはリスクを伴う。よってdは×と考えられる。

e Ⅱ度高血圧、尿蛋白の持続などから、さらに腎障害が進行するリスクが高いと予想される。高血圧の治療や食事療法における減塩などを早急に行うべきと考えられる。よってeが〇となる。

時間のある方は参考資料として日本内科学会雑誌第105巻第9号 をご覧ください。

連載: 国試過去問解説