褐色細胞腫ではカテコラミン(アドレナリン、ノルアドレナリンなど)の過剰分泌により5H(高血圧、高血糖、代謝亢進、発汗過多、頭痛)を起こす。
a 腫瘍摘出により、急激にカテコラミンの量が低下することで心拍数を増加させるβ作用は減弱するのでむしろ徐脈となる。よってaは×である。
b 腫瘍摘出により、カテコラミン過剰によって起こっていた頭痛は、高血圧やα作用による血管収縮の弛緩などによりむしろ軽快する。よってbは×。
c 腫瘍の摘出によって、カテコラミンの過剰によって起こっていた高血圧(α1作用による血管収縮、β1作用による心収縮力増強による)は解消し、むしろ低血圧に対する注意が必要となる。よってcは○。
d 腫瘍を摘出することで、カテコラミンの過剰により起こっていた高血糖(β2作用による血糖値上昇、糖新生促進による)は改善し、むしろ低血糖に対する注意が必要となるので、dも○となる。
e 腫瘍を摘出することにより、カテコラミンの産生過剰によって起こっていた発汗過多の症状は改善が見込まれる。(α1作用の減弱による) よってeは×である。
時間のある方は参考資料として日本内科学会雑誌第107巻第4号をご覧ください。