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国試過去問解説 2025-10-22

国試過去問解説 慢性腎臓病・慢性腎不全 国試(117F45)

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117F45
58歳の男性。定期受診で来院した。高血圧性腎硬化症による慢性腎臓病で半年前から自宅近くの診療所に通院している。喫煙は35年前から20本/日。飲酒はビール350mL/日を週2回。身長170cm、体重84kg。BMI 29.0。脈拍72/分、整。血圧136/88mmHg。尿所見:蛋白2+、糖(-)、潜血(-)。血液所見:赤血球392万、Hb 12.8g/dL、Ht 37%、白血球5,600、血小板21万。血液生化学所見:総蛋白7.0g/dL、アルブミン3.8g/dL、尿素窒素28mg/dL、クレアチニン1.8mg/dL、尿酸7.8mg/dL、Na 140mEq/L、K 4.9mEq/L、Cl 103mEq/L、Ca 9.4mg/dL、P 5.6mg/dL。1か月前の食事調査で蛋白質摂取量168g/日(2.0g/kg)、食塩摂取量9.5g/日であった。
この患者の腎機能維持に有用性が低いのはどれか。

答え
不正解

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慢性腎臓病患者への食事・生活習慣指導は、患者数の増加を背景に、近年の国家試験で頻出である。肥満患者への減量指導など感覚的に正答できる選択肢もあるが、蛋白質摂取量や食塩摂取量などはある程度の基準値を暗記しておく必要がある。すべてを暗記することは難しいので、国家試験を解くうえで必要な基準値を抑えておく。

a 禁煙指導は、すべての疾患で実施すべきと考えてよい。喫煙が発症リスクを低下させる疾患もあるが、喫煙の害を上回るメリットがあるというコンセンサスはない。

b 適度な飲酒量の目安は、1日の平均純アルコール摂取量で男性40g以内、女性20g以内とされている。参考までに、アルコール度数5%のビール500mlに含まれる純アルコール量は500(ml)× 0.05 × 0.8(アルコールの比重) = 20(g)である。アルコール代謝に関わる遺伝要因により個人差はあるが、男女ともに1日に缶ビール350ml程度までは許容範囲と考えてよい。

c 日本肥満学会の基準ではBMI 18.5≦〜<25を普通体重としており、BMI 29.0は減量指導が必要である。

d 日本高血圧学会の基準では、高血圧のない一般人の食塩摂取量について男性は1日7.5g未満,女性は6.5g未満に抑えることを目標にしている。本症例は高値血圧の慢性腎臓病患者であり、食塩摂取量は6.0g未満が目標となる。

e 慢性腎臓病患者における蛋白質摂取量の目安は、おおまかに体重1kgあたり1.0g(G3b以降は0.6〜0.8gとさらに厳しくなる)と覚えておく。本症例では明らかに過剰摂取である。

時間のある方は参考資料としてこちらをご覧ください。

連載: 国試過去問解説