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国試過去問解説 2025-09-03

国試過去問解説 子宮筋腫 国試 国試(117E26)

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117E26
28歳の女性(0妊0産、挙児希望あり)。息切れとめまいを主訴に救急車で搬入された。6か月前から月経血量が増え、夜中に夜間用ナプキンを超えて出血する回数が多くなった。最近は階段を昇るときに息切れを自覚していた。1週間前に産婦人科を受診し、骨盤部MRI検査を行った。3日前から月経が始まり、昨晩から多量の性器出血があり、朝にはめまいが出現し起立できず、救急車を要請した。1年前の子宮頸がん検診で異常は指摘されていないという。顔面蒼白だが、意識は清明。身長160cm、体重52kg。体温36.4℃。心拍数120/分、整。血圧80/42mmHg。呼吸数22/分。SpO2 99%(room air)。血液所見:赤血球182万、Hb 4.5g/dL、Ht 17%、白血球6,700、血小板21万、PT-INR 1.0(基準0.9~1.1)。血液生化学所見:総蛋白6.7g/dL、アルブミン3.2g/dL、直接ビリルビン0.3mg/dL、AST 24U/L、ALT 22U/L、LD 138U/L(基準120~245)、γ-GT 17U/L(基準8~50)、尿素窒素20mg/dL、クレアチニン0.6mg/dL、Na 140mEq/L、K 4.4mEq/L、Cl 105mEq/L、Fe 14μg/dL、フェリチン10ng/mL(基準20~120)。心電図に異常を認めない。腟鏡診で腔内に多量の凝血塊を認める。内診(双合診)で子宮長は10cmを超えるが可動性は良好、子宮下部に弾性硬の腫瘤を触知する。骨盤部単純MRI T2強調矢状断像を別に示す。
この患者で酸素投与、静脈路確保、心電図モニタリングに引き続き直ちに行うべき治療法はどれか。


(A)
答え
不正解

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若年女性に血液検査で著明な赤血球数の低下、Hbの低下がみられる。貯蔵鉄のマーカーである血清フェリチンも基準値を下回っており、高度の鉄欠乏性貧血が存在するとわかる。原因としては、骨盤部MRI T2強調画像にて境界明瞭で均一な低信号を示す腫瘤の存在から、子宮筋腫(粘膜下筋腫)による過多月経が疑わしい。赤血球輸血のトリガーは原疾患や症状の有無により異なるが、慢性貧血であればHb 6.0g/dL以下で考慮される。

a Hb 4.5g/dLと高度の貧血があり、高拍出性心不全などの循環不全状態を防ぐためにも、まずは赤血球輸血を行う。

b 鉄剤投与も有効だが、病態の改善には時間がかかる。高度の貧血がある本症例ではまずは赤血球輸血を行う。

c 子宮筋腫の薬物治療として内分泌(ホルモン)薬が用いられることはあるが、本症例では貧血の是正が優先されるため、直ちに行うべき治療法とはいえない。

d 挙児希望のある若年女性であり、子宮全摘出術は禁忌と考えられる。

e 手術療法を希望しない患者で考慮する治療法ではあるが、妊孕性を悪化させる可能性があり、本症例では適切ではない。

時間のある方は参考資料としてこちらをご覧ください。

連載: 国試過去問解説