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    国試対策ノート 2023-08-28

    腎臓と尿 ~利尿薬について~

    まずは医師免許取得!症例や問題を取り上げ、傾向と対策を分かりやすく説明しています。

    みなさん腎臓内科の勉強は進んでいますか?「糸球体疾患いろいろありすぎー」とか「糸球体の顕微鏡の組織の写真区別つかん!!」とか
    「酸塩基平衡とか電解質いろいろ出てきてわからん」とかいろんな声が聞こえてきそうですが、
    今日はそもそもの腎臓の尿をつくる働きを復習し、そこから代表的な2つの利尿薬について使い分けを学んでみたいと思います。それでは行きましょう。

    1.糸球体と尿細管

    腎臓ではネフロンという尿をつくる仕組みの単位があり、糸球体で血液がろ過されて原尿がつくられ、
    その後尿細管を通って再吸収などが行われて最終的な尿がつくられるというのはみなさんわかっているかと思います。
    一番下の模式図を見てください。糸球体のあと、まず原尿が通るのが近位尿細管です。大部分のNaや水をここで再吸収します。
    グルコースやアミノ酸もここでほぼ100%再吸収されます。ここに働く利尿薬は炭酸脱水素酵素阻害薬と浸透圧利尿薬です。
    それぞれ緑内障治療薬や脳圧低下を目的として使われることが多いです。
    次につづく細くなっている部分がヘンレループの細い下行脚と細い上行脚です。
    細い下行脚では浸透圧差による水の受動的再吸収が行われます。ちなみにループ利尿薬が作用する部位はここではありません。注意しましょう。
    次に通る部分が今日の一つ目の主役ループ利尿薬が作用するヘンレループの太い上行脚です。Na+/K+/Cl-共輸送体を阻害して効果を発揮します。
    そして二つ目の主役サイアザイド系利尿薬はヘンレループ太い上行脚に続く遠位曲尿細管のNa+/Cl-共輸送体を阻害し作用を発現します。
    遠位曲尿細管に続く集合管では、アルドステロンがNa+再吸収とK+分泌を促している一方、
    バゾプレッシンがアクアポリンによる水の再吸収を促し、水・電解質の最後の調整が行われています。

    2.ループ利尿薬とサイアザイド利尿薬の使い分け

    ループ利尿薬もサイアザイド利尿薬もNa+の輸送体を阻害するということで同じような働きをしそうではあります。
    ループ利尿薬はNa+の再吸収を抑制しNa利尿を引き起こしますが、その先の遠位曲尿細管や集合管でNa+の再吸収が代償されます。
    そのため本来のNa利尿より水利尿に傾く傾向があります。このことにより、心不全などの浮腫などの病態に、
    体内の余分な水分を排出するために用いるのがよい適応であると考えられます。
    一方サイアザイド系利尿薬は、ループ利尿薬と同じくNa+の輸送体を阻害し、Na+の再吸収が抑制されますが、
    それ以降のNa+の再吸収はアルドステロンなどの調節を受けているため、再吸収の代償は起きにくいと考えられます。
    そのためNa利尿の傾向が強く、塩分過多による高血圧などに対して用いるのがよい適応であるといえます。


    糸球体と尿細管の様式図

    時間のある方は参考資料として

    日本内科学会雑誌第111巻第2号 (jst.go.jp) に目を通しておきましょう。

    著者プロフィール

    ペンネーム:まる
    プロフィール:近畿一円をまたにかけ、
    ある時はクリニックで総合内科診療を、ある時は上場企業で産業医を、また様々な会社の健康診断の診察医も務めている。
    日々の診療を行いながら、CES医師国家試験予備校で、「気づきのあるインプットと自力のアウトプットがある授業」
    をモットーとして学生の指導に当たっている。僕のコラムが何らかの形で皆様の力になれば幸いです。一緒に頑張りましょう!

    連載: 国試対策ノート