チームWADA

2021-06-16

チームWADA特別インタビュー PART3 チームWADAの展望について

NPO法人「チームWADA」の代表、北原大翔医師のスペシャルインタビュー。 第3回は「チームWADAの展望について」。

海外で活躍する医師、看護師、薬剤師、その他さまざまな職種の情報をリアルタイムで発信する NPO法人「チームWADA」の代表北原大翔医師のスペシャルインタビュー。
第3回は「チームWADAの展望について」。チームWADAの活動内容や今後の展開などをうかがっていきます!

北原 大翔 Kitahara Hiroto

北原 大翔医師

アメリカ合衆国の首都、ワシントンD.C.で心臓外科医としてはたらく現役の医師。 慶應義塾大学を卒業後、日本で8年間研修を受けたのち、心臓外科のフェローとして留学。
2年間の研修を終え、仕事内容に魅力を感じたことから、アメリカで勤務することを選択。
非営利団体「Team WADA」代表理事として、海外留学・就労をめざす医療関係者、 医学生の支援活動を積極的に行っている。

「チームWADA」とは

チームWADAは海外で活躍する医師、日本国内の医師や医学生を中心に構成されたNPO法人です。
海外からの情報発信を礎に、医療関係者、医学生の海外留学・就労の支援や海外で働く医師同士の交流の場を提供しています。
情報が欲しい、きっかけが欲しい、自らを鼓舞してくれる先輩・同僚・ロールモデルが欲しい、あるいは自分でもまだわからない何かが欲しい人達にとっての、 その“何か”になれればいいな、という思いの下、活動をしています。

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インタビュー動画 part3 ~チームWADAの展望ついて~

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(12)チームWADAの名称の由来や活動について、お聞かせください。

私は2016年8月にシカゴ大学に留学したのですが、2017年の夏に二つの出来事がありました。一つはブログを書き始めたことです。当時、「若手心臓外科医の会」というサイトがあり、留学体験記を載せたり、留学の情報を出していました。それを見た若手が「留学したら、こんなに手術ができるんだな」と夢を描いたりしていたんです。そのサイトで、世界各国に留学している人にブログを書いてもらおうという企画ができ、アメリカに留学している人の中で私にお声がかかりました。それでブログを書き始めたんです。
もう一つはワダくんがシカゴ大学に来たことです。ワダくんは留学を考えている初期研修医で、シカゴ大学に見学に来ました。ただ、アメリカの手術室見学には色々な手続きが必要なのですが、ワダくんはその手続きがうまくいかず、手術室に入れなかったんです。それでもワダくんから「とりあえず行きます」という連絡をもらったので、手術室に入れないのはかわいそうだから、せめてワダくんをきちんともてなしてあげようということになり、1週間の滞在中、シカゴ大学やノースウェスタン大学などに留学している先生たちをゲストに呼んで、ワダくん、太田先生、私で毎日、食事会を開きました。それがチームWADAの由来です。シカゴに来たワダくんをもてなす意味でのチームWADAだったんです。そのときにTシャツも作り、とにかく色々なTシャツを作ろうということで、Tシャツ先行、TシャツありきでのチームWADAでした。
そしてワダくんが帰国し、チームWADAの話をブログで取り上げ、チームWADAとしてこういうことをしましたという話を書いていきました。その後、シカゴに見学に来る学生や研修医がいたら、ワダくんのときと同じようにもてなしていこうというのがチームWADAの活動になりました。とにかく食事会などでチームWADAと言っていたら、いつの間にか留学などの情報を発信することで支援していこうという団体に変わっていったんです。
一方で、「若手心臓外科医の会」はなくなったわけではないのですが、ホームページがなくなったんです。2019年10月に情報発信の大きな役割を果たしていたブログも閉鎖になってしまったので、チームWADAとしてホームページを作ることにしました。そしてブログを継続するだけでなく、You Tubeでも情報発信を始めました。さらに任意団体で続けても仕方ないので、NPOにしようということで、イリノイ州のNPO団体として法人化し、現在に至っています。もともとワダくんハシリでチームWADAができたんです。

(13)チームWADAとして、伝えたいことや今後の展望をお聞かせください。

二つあるのですが、この二つの両立は難しいと思っています。
一つ目は今は医療者の留学という形で運営していますが、情報発信がまだ少ない部分があります。特に留学準備をどのようにするという情報はあっても、実際にどう働いているのか、日本とは何が違うのかといったリアルな声が少ないので、こうした発信を増やし、留学をしたいという気持ちを惹起させたり、留学したい人をエンカレッジできる団体であれば面白いかなと思っています。これが私自身のしたいことかと言われれば違うかもしれませんが、私たちが今ここで働いているということを強みとして活かすこと、ただ生きて生活しているだけだけれど、それが誰かにとってはとても貴重な情報だったりするので、私に限らず、関わってくれている留学中の人たちの情報によって、インスパイアされる学生、医学生、医療職の人がいれば、お互いにとって面白いことです。そういう情報発信を続けていきたいです。
二つ目は私自身がしたいことで、色々とあります。医療職の留学の情報発信でなくても、自分たちが面白いことをしたいんです。それが突拍子もないことだったり、マイナスイメージになることかもしれないけれど、チームWADAとしてはそのバランスを取っていくのが大事かなと考えています。その情報発信を続けることで、同じようなことに興味を持ってくれたり、共感してくれる人が集まってくれたら、できることがさらに広がっていくので、より面白くなりそうです。

(14)この動画をご覧になっている学生や医師にメッセージをお願いします

私自身は学生時代に、例えば1、2、5、10年後に何をしているのかなど、大きな何かを考えたことがない人間なので、こうした方がいい、ああした方がいいということも全くありません。若い人たちがしたいことをすればいいと思います。そこに、もし私が手伝えることがあったら、もちろん手伝いたいし、何かをしてあげたいという思いを持っています。
一つだけ、これは過去の私にも言いたいことがあります。何かをしようとするときに、ネガティブなことを言ってくる人がいたり、ネガティブなことを言われるだろうなという感覚は必ずあります。例えば、英語が話せないなら留学なんて無理だろうとか、不器用だから心臓外科の手術は無理だろうというものですね。それで自分には留学は無理だとか、外科には向いていないんだと悩んでしまう人がいます。そういう意見は半分は信じて尊重したとしても、半分はその人の意見に過ぎないのだから、自分が考えることの方が大事です。どれだけ尊敬している人で、どれだけその人の意見を聞こうとしても、それは半分ぐらいにしておいた方がいいです。これを言っている私の意見も半分だけ聞いておけばいいです(笑)。
私たちの団体の情報発信で心掛けていることはこうだ、ああだという絶対的な伝え方をしないことです。力強い発信に引っ張られる人もいるのかもしれませんが、私はそういうことをあまりしたくありません。この人はこう言っている、あの人はああ言っているということを漠然と伝え、それを受け取る側がこれは面白そうだ、いいな、良くないなという判断をしてもらえる形になるといいですね。彼らの選択肢みたいなものの一つに私たちの情報が入っていくようにしたいです。
だから、自分の思っていることが大事であって、人から何か言われたりということによって、自分の考えを変えたり、不安になって落ち込んだりすることはしないでほしいですね。

(15)実際にモテているのですか。

かなりいい質問ですね(笑)。何をもってモテるかということですが、モテるはモテると言えますね。ただ自分が期待していたほどモテないです。この人いいなと思った人とどれぐらいの確率で付き合えるかがモテる、モテないの感覚としてありますが、そういう意味では別に変わらないです。
心臓外科を選んだときも心臓外科ならモテるかもと期待しましたが、心臓外科医でも外科医でも内科医でもモテ具合が変わることはないでしょうし、留学したらモテるかもと想像していましたが、留学すると多分モテないですね。
 医師に限らず、ある程度きちんとした役職で仕事をしている人はモテるのではないでしょうか。医師だから特別モテるかというと、そうでもないことに37にしてようやく気づきました(笑)。これに15年ぐらい前に気づいていたら、人生をもう少し変えることができたかもしれません。でも、どうしようもないです。ここまで来てしまったから、この道でどうにかしてモテる道を探していかないといけないと考えています。

(16)ほかに何かメッセージがあれば、お願いします。

私は今、心臓外科医としての仕事を3割、You Tubeを7割ぐらいの感覚で、You Tubeに興味がシフトしています。もちろん心臓外科医として働いていますが、心臓外科への興味がかなり薄れてきています。向こう側に持っていかれているのですが、それを面白いと思っているので、You Tubeを是非ご覧になってください。心臓外科への興味を失わせるほどのYou Tubeの世界とはどういうものかというものを是非見ていただきたいです。

(17)You Tubeのチャンネル登録の目標数はありますか。

現在は1770人です。日本全国に医学部が82あり、1学年100人いるとしたら、1学年で8200人、これが6学年だと5万人ほどの医学生がいることになります。これに、卒後1年目から10年目までの医師を加えると、13万人になります。このうち8割で10万人ですが、これは難しいので、1割だと1万人は超えますから、まずはここを目指します。
一般の方も巻き込んで100万人を目指すのではなく、医学生、医師、看護師や薬剤師といった医療職の人たち、医療のことを聞きたい人たちが登録してくれればいいです。一般の方よりも1万人の医療職のうちの8000人が登録してくれれば嬉しいですね。

〜チームWADAチャンネル〜


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