医師を目指したきっかけをお聞かせください
診察の様子
大澤私の家族には学校の教員が多いんです。職業を考えるときにはやはり家庭環境に影響を受けますし、数学が得意だったこともあり、高校生になった頃は教員志望でした。ところが、高校1年生のときの担任の先生が数学の先生で、その先生から「お前は教員に向いていないから、医師にでもなれ」と言われたことがきっかけで、医師を目指すようになりました。今も続けているので、医師の仕事は私に合っていたのだと思います。
竹川家庭教師や塾の先生が医学部の学生だったこともあり、私も何となく医学部に行きたいと中学生の頃から考えていました。でも子どもの頃の夢は歯科医師でした。小学生のときに近くの歯科医院に通っていたのですが、女性の先生がとても優しくて、「私も歯医者さんになりたいな」と漠然と思っていたんですね。高校1年生のときの担任の先生が歯科医師の仕事についてはよくご存じなかったのか、「口を診たいなら、全身を診てからでいいじゃない」と言われ、「そうか、なら医学部に行きます」みたいな感じで医学部を目指すようになりました。
学生時代に思い出に残っていることはどのようなことですか
竹川部活動の思い出が強いですね。私は4年生まで弓道部で活動していて、弓道ばかりの毎日でした。平日は講義が終わったら練習に行き、週末も練習でしたし、部活動がない日も友だちと自主練習をしていました。その結果、4年生の最後の大会では個人で優勝することができました。
初期研修で福井赤十字病院を選ばれたのはどうしてですか
初期研修医時代
竹川部活動の仲のいい先輩が当院で初期研修をされていて、「日赤、楽しいよ」とおっしゃっていたんです。その先輩から、救急での研修の良さに加えて、どの科をローテートしても熱心に教えていただけること、それも指導医や部長クラスの先生方だけでなく、中堅の先生方も丁寧に面倒を見てくださると聞いたことが大きかったですね。
見学での印象はいかがでしたか
竹川5年生の夏に初めて来て、産婦人科を見学させていただきました。手術も見学させていただいたのですが、先生が手術をしながら「これは多分、国試に出るからね」という話をしてくださったことがとても好印象でしたし、有り難かったです。
福井赤十字病院での初期研修はイメージ通りですか
竹川どの科の先生方も「一緒にやってみよう」という視点で教えてくださったし、目指している科でなくても「これは役に立つよ」と教えてくださるんです。循環器内科では「先生は外科系に行くかもしれないけど、循環器の疾患に出会うことは絶対にあるから、知っておいた方がいいよ」とマンツーマンでレクチャーしていただいたり、本当に楽しい初期研修でした。
初期研修での人気の秘密は?
竹川私の頃は1人、現在は2人の救急の専門医がおられ、その先生方が救急の現場で初期研修医に1対1で指導していただけるのが大きな魅力です。
福井赤十字病院の救急はいかがですか
大澤2人の救急専門医がおり、年間4,000台以上の救急車を受け入れています。私の診療方針は「来る者拒まず」ですが、当院自体が「来る者拒まず」という方針です。
当直の回数はどのぐらいですか
大澤以前は月に2回ぐらいしていましたが、最近は月に1回か、2カ月に1回です。
竹川最近は若手の外科系医師が多いこともあり、連休が少ない月だと1回、ゴールデンウィークのように連休が多い月だと2回ぐらいなので、少ない方だと思います。内科系医師の方が多く、月に3回という人もいます。
当直ではどんなことが勉強になりますか
竹川初期研修医と一緒に入りますので、一緒に頑張っています。まだ救急科をローテートしていない初期研修医には「こういう感じでやっていくといいよ」「これはレクチャーがあるよ」と話しています。また、当院はほとんどの診療科が揃っているので、患者さんに「明日、この科に行ってください」と言ったあとで、自分の診断が間違っていなかったのかどうかをカルテで確認するようにしています。
大澤当院の場合、消化器内科、循環器内科、整形外科の医師は頻繁に救急外来に呼ばれていますが、鼻血だけは誰も止めてくれないので、鼻血に関してはよく呼ばれます。
初期研修のプログラムについてはいかがでしたか
竹川現在のプログラムとは変わっているところもありますが、1年目はほぼ必修科のみを回りました。内科系を6カ月ですが、1カ月ごとに違う科を回ってもいいし、神経内科を3カ月みたいなローテートもでき、選択の幅が広かったです。私はその頃から内科系に進む気持ちはなかったので、色々な内科を回ることができ、それがとても良かったです。
初期研修で勉強になったことはどんなことでしたか
竹川一番は救急ですね。2年目、3年目の専攻医研修をした真生会富山病院は全科当直でしたので、救急の初期研修で学んだことを活かすことができました。
指導医の先生のご指導はいかがでしたか
大澤私は耳鼻咽喉科をローテートする初期研修医にはまず選んだ理由を聞きます。そうすると、マイナー外科を志望する人、めまいを学びたい人だけでなく、腎臓内科に行きたいので扁桃を取る手術を学びたい、血液内科志望なのでリンパ節生検の方法を学びたいなど、何を学びたくて来たのかが分かります。そこで、それぞれの研修スケジュールを変えています。4年前の竹川先生も外科系志望だと言っていたので、手術メインで研修をしてもらいました。
竹川私は1年目に1カ月、耳鼻咽喉科をローテートしたときは外科系志望かな、内科ではないなぐらいの気持ちでいました。それを大澤先生やほかの先生にお話ししたら「なら手術に入ろう」と言ってくださり、できるところをさせていただいたのですが、それがとても楽しかったです。先生方は私のことをよく気にかけてくださって、耳鼻咽喉科に行きたいなという気持ちになっていきました。当院では長時間におよぶ手術をあまりしないこともあり、「これならやれるのかな」と思い、2年目にもう一度、耳鼻咽喉科をローテートして、決めました。
コメディカルの方々とのコミュニケーションはいかがでしたか
竹川当院はコメディカルの方たちとコミュニケーションを取りやすいです。初期研修が始まるときにコメディカルの方々や事務の方々といった、同じ年に入職する職員全員での宿泊研修があります。その研修で同じグループになった人たちとはプライベートで遊びに行ったりして、職場でもコミュニケーションが取りやすいです。