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プロフェッショナルインタビュー 2026-02-24

第10回「モチベーションがなければ、この仕事を続けられません。」湘南藤沢徳洲会病院 機能的神経疾患センター(機能神経外科) 山本一徹センター長

話題沸騰!数々の人気番組に出演している医師たちが語る 「キャリア」「信念」「未来」そのすべてに迫るインタビュー! どのようにしてスキルを高め、逆境を乗り越えてきたのか?日常の葛藤、医師としての信条、そして描く未来のビジョンとは――。

【出演番組一部抜粋】
情熱大陸、クローズアップ現代

今回は【湘南藤沢徳洲会病院 機能的神経疾患センター長】山本一徹先生のインタビューです!
湘南鎌倉総合病院にて初期研修をした理由。離島医療にて得られた経験。
留学した経緯やどのようにして手技スキルを高めていったのかなど、語っていただきました――。

テーマは 第10回「モチベーションがなければ、この仕事を続けられません。」をお話しいただきます。

目次

プロフィール

名 前:

山本(やまもと)一徹(かずあき)

病院名:

湘南藤沢徳洲会病院

所 属:

機能的神経疾患センター(機能神経外科)

資 格:

日本定位・機能神経外科学会技術認定医
日本脳神経外科学会専門医・指導医
日本脊髄外科学会認定医
日本脊椎脊髄病学会認定脊椎脊髄外科専門医など。

学 位:

博士(医学)
先生の写真
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経 歴:

・1984年 北海道札幌市で生まれる。
・2010年 札幌医科大学を卒業後、湘南鎌倉総合病院で初期研修を行う。
・2012年 湘南鎌倉総合病院で脳神経外科の後期研修を行う。
・2016年 湘南鎌倉総合病院脳神経外科に勤務する。
・2019年 東京女子医科大学病院に勤務し、平孝臣氏に師事する。
・2020年 トロント大学Toronto Western Hospitalに勤務し、トロント大学のアンドレス・ロザーノ氏に師事する。
・2022年 帰国後に湘南藤沢徳洲会病院機能的神経疾患センターのセンター長に就任する。

━━ 機能神経外科は今後、どのような発展をしていくと思われますか。

 今後、ますます研究を重ねて発展させていかなくてはいけない領域ですし、我々臨床家を含め携わる人々の努力により、発展していくのだろうなとも思います。脳機能の解明も進むでしょうが、デバイス自体も進歩しています。例えば、脳深部刺激療法(DBS)という手術では始まった当初よりデバイスが多機能になって種類も増えており、デバイスの進歩には目覚ましいものがあります。医工連携により使っている機械類が改良されていくことがこの領域の進歩には欠かせません。

使うデバイスがより小型化・軽量化されてきており、この傾向はさらに続いていくかもしれません。DBSで言いますと、今は刺激の設定を手動で行っていますが、そのときどきでより理想的な刺激になるように自動化されるという技術も出現しており、ますます改良されていくと考えられます。患者さんの調子が悪いときには自動的に調整して刺激を強めてくれるなどの自動化が進み、近い将来一般的になる可能性もあるかもしれませんね。

━━ AIも入ってきますか。

 AIを介入させることも当然、検討されるでしょう。先ほど申し上げたような画像解析の領域でも今はAIが応用されてきています。この領域での難しい診断があったとしても、脳画像や神経生理学的手法などを用いたりして、その診断にAIを活かせれば、精度をより高めることができる可能性は考えられます。また、手術においてもより理想的なターゲットはどこかということをAIに解析させたり、DBSの理想的な設定をAIに自動調節させたりといったことも可能になるかもしれません。

いずれにせよ、ディープラーニングを含めたAIの応用は今後ますます重要性を帯びてくるのではないかと考えています。

━━ 患者さんの数も増えるのでしょうか。

 超高齢社会の進展というのも重要な視点です。世界規模で平均寿命が延び、高齢化が起きています。日本の高齢化はよく知られていますが、世界規模での高齢化率の上昇に関してもWHOが試算しており、今後ますます高齢化が進展するという推計が出ています。これに伴い、機能神経外科領域の疾患を有する患者さんも一層増えてきます。

例えば、年齢と関係していることが知られている疾患の中に本態性振戦という疾患があります。主な症状として、手が震えてしまう病気ですが、頭が震えたり、声が震えたりすることもあります。この震えてしまう病気は年齢と密接に関わっていますので、本態性振戦の患者さんも増えるでしょう。

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━━ 超高齢社会ではほかにどのような疾患が増えますか。

 一例として、パーキンソン病も挙げられます。パーキンソン病も年齢と関わりが深いことがよく知られている病気の一つで、65歳以上の方は100人に1人がパーキンソン病だと言われています。そのぐらい、非常に多い病気なんですね。だからこそ、日本国内においてはもちろん、世界的にもパーキンソン病の患者さんは今後ますます増えていくであろうと推計されています。そうすると、機能神経外科はその重要性を一層、帯びていくと思われます。

━━ パーキンソン病の治療も変わってきますか。

 パーキンソン病の治療の三本柱は薬を使うこと、手術をすること、リハビリテーションで体力を維持・向上させることであり、これらの要素はいずれも欠かすことのできない重要なものです。そんな中で、機能神経外科による手術がより強く認識される時代になっていくといいなと思いますし、それに向けて、私も周りの力や助けを借りて、一層努力していきます。

手術の重要性がますます大きくなることに伴って、手術を受けられる方々もさらに多くならなくてはいけません。今は私のところのほか、限られた施設の中でしか受けられない治療であり、一般的に広く受けられる治療とは言いがたいですが、これをより身近な治療として受けられるようにしていかなければ、この治療を十分に提供していくことができません。そのため、機能神経外科に携わっている、世界中の医師が皆そうだと思いますが、私も今後は後進の育成を進めていく必要があると考えています。

━━ 機能神経外科を目指している若手医師へメッセージをお願いします。

 機能神経外科は難しい領域の疾患を対象として治療を行うことが前提になっていますので、ものすごく苦労して治療を行うことも多々あるわけです。そのため、モチベーションを維持することがとても重要な要素になります。少しずつ進行していってしまう疾患を対象として治療を行い、5年、10年と経って、症状がまた悪くなってくると、どうしようかなと悩みますし、考え込みます。そんなふうに悩みますし、考え込みますけれども、患者さんに寄り添って、次の治療を考えていくことがとても重要なのです。そこで、患者さんにいい医療を提供する、患者さんに寄り添った医療を提供するためには自身が高いモチベーションを維持できていないといけません。そうでないと、患者さんを中心に置いた医療を行えません。したがって、本領域を志す方には、患者さんファーストで考えられる方であってほしいですね。

手術自体が好きであるということも大事です。しかし、手術を行っても、手術をやりっ放しにするのではなく、手術を行ったあとも患者さんに正面から向き合い、寄り添っていける方がこの領域に向いている人です。もちろん、以前お話ししたように、知識、技術、経験、術中の判断能力などもとても大切ですし、その前段階として診断能力も大事なので、疾患についての知識が深くないといけません。どれも欠かすことはできない要素です。しかし、それらの要素がいくらあったとしても、患者さんを第一に考える姿勢とモチベーションがなければ、この仕事を続けられません。何よりも大事にしていただきたいのは患者さんに寄り添うというスタンスであり、これを持ち合わせた方に本領域を目指していただきたいなと願っています。

連載: プロフェッショナルインタビュー

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