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プロフェッショナルインタビュー 2025-10-28

第2回「日本で一番忙しい病院はどこだ」湘南藤沢徳洲会病院 機能的神経疾患センター(機能神経外科) 山本一徹センター長

話題沸騰!数々の人気番組に出演している医師たちが語る 「キャリア」「信念」「未来」そのすべてに迫るインタビュー! どのようにしてスキルを高め、逆境を乗り越えてきたのか?日常の葛藤、医師としての信条、そして描く未来のビジョンとは――。

【出演番組一部抜粋】
情熱大陸、クローズアップ現代

今回は【湘南藤沢徳洲会病院 機能的神経疾患センター長】山本一徹先生のインタビューです!
湘南鎌倉総合病院にて初期研修をした理由。離島医療にて得られた経験。
留学した経緯やどのようにして手技スキルを高めていったのかなど、語っていただきました――。

テーマは 第2回「日本で一番忙しい病院はどこだ」をお話しいただきます。

目次

プロフィール

名 前:

山本(やまもと)一徹(かずあき)

病院名:

湘南藤沢徳洲会病院

所 属:

機能的神経疾患センター(機能神経外科)

資 格:

日本定位・機能神経外科学会技術認定医
日本脳神経外科学会専門医・指導医
日本脊髄外科学会認定医
日本脊椎脊髄病学会認定脊椎脊髄外科専門医など。

学 位:

博士(医学)
先生の写真
先生の写真

経 歴:

・1984年 北海道札幌市で生まれる。
・2010年 札幌医科大学を卒業後、湘南鎌倉総合病院で初期研修を行う。
・2012年 湘南鎌倉総合病院で脳神経外科の後期研修を行う。
・2016年 湘南鎌倉総合病院脳神経外科に勤務する。
・2019年 東京女子医科大学病院に勤務し、平孝臣氏に師事する。
・2020年 トロント大学Toronto Western Hospitalに勤務し、トロント大学のアンドレス・ロザーノ氏に師事する。
・2022年 帰国後に湘南藤沢徳洲会病院機能的神経疾患センターのセンター長に就任する。

━━ 前回、基礎力をつけられる病院で初期研修をしたかったとおっしゃっていました。

 そうです。医師である以上、最低限、目の前の困っている方、目の前で危険な状態にある方を死なせないようにするための基礎力を身につけた医師になることを目指していました。そこで、私より早く病院見学に行っていた友人に「日本で一番忙しい病院はどこだ」と聞くと、「湘南鎌倉総合病院だ」という答えが返ってきました。友人も実際に見学に行き、「あそこはヤバい。忙しすぎるから危険な病院だ」と言うんです(笑)。確かに忙しい病院だと夜に眠れず、疲弊するかもしれません。でも、私はその当時で一番忙しい病院に行き、多くの症例を経験し、とにかく身体を動かすことで、基礎力のある医師になりたかったんです。どの医師もそうでしょうが、私も最低限の知識や技術を身につけたかったですし、それを手っ取り早く身につけるには忙しい病院に行くことがベストだと感じましたので、湘南鎌倉総合病院に見学に行きました。また、基礎力を身につけたいという根底には、医師免許を持っている以上、飛行機の中で急患が出たような場合に『医師の方はいますか』と尋ねられた際、名乗り出ることのできないような医師にはなりたくないという強い想いがありました。

━━ 見学ではどのような印象を持たれましたか。

 見学してみると、噂に違わぬ病院でした。私は2回、見学に行きました。2回目に行ったときは初期研修医の先生から「お前、また来たのか」と言われましたが、その先生は当直明けで眠いはずなのに、目がぎらぎら輝いて少しも疲れを感じさせなかったんです。そういうモチベーションの高い先輩方ばかりでしたので、魅力的な病院だな、こういう病院で働きたいなと思い、湘南鎌倉総合病院を選びました。

━━ 実際に初期研修が始まってみて、いかがでしたか。

 やはり忙しかったですね(笑)。実際に働くとなると見学とは違い、忙しいというだけでなく、責任も伴います。症例曝露という言葉通りに、忙しい中で数多くの症例に触れることができました。症例曝露すれば、もちろん知識や技術、経験が身につきますが、それだけでは荒波に揉まれたままになります。自分で努力して取りにいこうとしないと得られない知識や技術もありますので、忙しい中でもより一層の努力をして、できる限り吸収しようとしながら2年間を過ごす必要があるということも身をもって理解しました。初期研修医が各領域の専門知識を持った先生方ほどの専門知識を身につけられないのは当然ですが、初期研修の目標であった「目の前の患者さんを死なせないように、最低限の知識や技術、経験を身につけること」は達成できたのかなと思っています。

━━ 湘南鎌倉総合病院のベストレジデントに選ばれたのですね。

 湘南鎌倉総合病院にはベストレジデントを毎年選ぶという慣例があり、3位までが選出されます。私は1年目は3位でしたが、2年目は1位に選んでいただけました。初期研修医の知識や技術は知れているものなので、その中から選ぶことは難しいと思うのですが、何かしらの努力が評価されて、努力が報われた結果なのかなと解釈しています。

━━ 産婦人科や小児科など、ほぼ全科をローテートされた結果ですよね。

 厚生労働省が示している必須の診療科やローテートの案があり、それに則ったものに加えて、自分でも選びました。産婦人科や小児科は必須でしたし、ほかの必須である内科、外科、救急科、麻酔科、精神科を回り、地域医療研修では離島に行きました。自分で選択したのは当然ながらもともと興味のあった脳神経外科などです。ただ、脳神経外科に進むことは決まっていましたので、脳神経外科は最低限の期間にしました。そのうえで、ほかに身につけたい技術があったので、形成外科を回りました。

━━ 形成外科にも興味がおありだったのですね。

 大学のときの授業では脳神経外科は集中して聞いていましたが、同じぐらい形成外科にも興味があったんです。形成外科の魅力は結果が目に見えるところです。特に美容はそうですね。機能神経外科の魅力はまた改めてお話ししますが、それと通じるところがあります。例えば、縫い合わせた皮膚が綺麗かどうかという結果が歴然と分かるんですね。私は脳神経外科に行き先を決めてはいましたが、傷を綺麗に縫いたいという思いから、縫合をできるだけ上手に行えるようにということで、形成外科を回りました。

先生の写真

━━ 離島医療はいかがでしたか。

 私は与論島に2カ月間、行きました。離島での医療はやはりこちらで行う医療とは違います。離島では医療資源が限られているとよく言われますが、確かにそれもあります。しかし、それだけでなく、こちらにいるとなかなか診ないような医療も経験します。例えば、珊瑚礁を踏んでしまい、足に珊瑚礁が刺さっているという患者さんも来ました。あるとき、皮疹が出ている女子高生が来たのですが、これは見たことがある皮疹だぞと気づき、「これはダニなので、ダニ退治用のくん煙剤を使用してください」と言うと、後日綺麗に治っていたんですね。なぜ、気づいたかというと、私が与論島での最初の数週間でダニ攻撃に遭い、自分の皮膚に出たブツブツと同じだったからです(笑)。私はダニ退治用のくん煙剤を焚くことで治癒したので、同じ対処法を患者さんに助言しました。お薬も何も出さずに「くん煙剤を焚いてください」と言っただけで、綺麗に治ったんです。これ以外にも、限られた医療資源の中で何とかしようという医療技術が身につきましたし、湘南鎌倉総合病院で学んだ救急の知識や医療技術の枠組みのみで対処するのではなく、与えられた環境に応じて最大限のパフォーマンスを発揮するという姿勢も身につきました。湘南鎌倉総合病院の上司の先生から「救急という医療は多少オーバートリアージで、過剰な検査をしてしまったとしても仕方のない部分がある程度はある。でも検査が足りないよりは余程いい」と教わりました。確かに「やり過ぎ」は良くはないのですが、上司の言うことも理解できますので、湘南鎌倉総合病院ではできる限り患者さんのためになる検査を一通り行っていました。しかし、離島ではCTやMRIがすぐに撮れる環境ではないですし、エコーをオーダーしても自分でしないといけないとか、オーダーできる検査に限界があったりもしました。それでも与論島は離島の中では比較的恵まれた環境であり、そういう中で知識や技術をさらに身につけていきました。

連載: プロフェッショナルインタビュー

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