専門研修インタビュー

2024-03-01

相澤病院(長野県) 専攻医 能重久太郎先生(救急科) (2024年)

相澤病院(長野県)の専攻医、能重久太郎先生(救急科)に、病院の特徴や研修プログラムについてなど、様々なエピソードをお伺いしました。この内容は2024年に収録したものです。

相澤病院

〒390-8510
長野県松本市本庄2-5-1
TEL:0263-33-8600
FAX:0263-32-6763
病院URL:https://aizawahospital.jp/

能重先生の近影

名前 能重(のうじゅう) 久太郎(きゅうたろう) 専攻医
出身地・出身大学 / 医師免許取得年度 東京都世田谷区・北里大学 / 2019年
初期研修施設 聖路加国際病院
専攻医研修科目 救急科

医師を目指したきっかけをお聞かせください。

 小さい頃に小児喘息だったこともあり、病院に行くことが頻繁にあったんです。それで先生方と接触する機会が多かったので、私も医師になりたいと思うようになりました。

学生生活はいかがでしたか。

 部活動やサークルをいくつか掛け持ちしていたので、色々と活動できて楽しかったです。ゴルフ、登山、スキューバダイビングをしていました。スキューバダイビングでは日本だけでなく、海外にも行きました。メキシコのセノーテに行ったのですが、鍾乳洞で淡水なんです。ものすごく透明度が高くて、本当に綺麗でした。もう一度、行きたいですね。

初期研修先を聖路加国際病院に決めたのはなぜですか。

 見学に行ったときに初期研修医の先輩方がとても優秀で、会話のキャッチボールをスムーズにされていたところを見て、私もこうなりたいなと思ったのがきっかけです。初期研修医が病棟の患者さんに一番近い立場として、全てを主体的に診療していくという研修のあり方に惹かれて、聖路加国際病院を志望しました。

初期研修はイメージ通りでしたか。

 レクチャーが多く、同期も優秀で、話も弾むし、とても勉強になったというのはイメージ通りでした。イメージと違ったのは残業と雑務の多さでしょうか(笑)。書類仕事も頑張りました。

初期研修を振り返って、いかがですか。

 非常に勉強になった2年間でした。初期研修の終わり頃、周囲に比べても劣等感を覚えることはなかったので、きちんと研修できていたのだと思います。聖路加国際病院は人に教えることで、自分も勉強していくスタイルを全面に押し出しています。
私も1つ下の初期研修医に教えたり、レクチャーの内容を考えたりすることで、自分の勉強になりました。その姿勢は続けていきたいので、今も後輩の指導には積極的に取り組んでいます。

能重先生の写真

専攻医研修先を相澤病院の救急科に決められたのはどうしてですか。

 登山が好きだったので、長野県の山にはよく来ており、将来は長野県で働きたいということは決めていました。そこで救急科の研修をするにあたっては三次のみの高度救命救急センターではなく、一次から三次までをER型で診る病院がいいと思い、そうなると相澤病院一択ということで、相澤病院を選びました。

専攻医研修で特に勉強になっていることを教えてください。

 当院は一次から三次までの幅広い患者層を扱っていますので、重症患者さん、マイナープロブレム、小児を含めて、網羅的にしっかり勉強できていることが一つです。もう一つは当院の救急科では入院管理もしていますので、集中治療を学べることです。

専攻医研修で遣り甲斐を感じるのはどのようなときですか。

救急外来ではウォークインの患者さんの重症例を見抜いたときはやはり遣り甲斐を感じます。また、当院では専攻医がERでの診療から入院した重症患者さんの集中治療管理、退院や転院させるまでを担当しますので、患者さんが回復していく過程を主治医として、しっかり診られることも遣り甲斐になっています。

専攻医研修で辛いことはどのようなことですか。

ほとんどないですね。当院は驚くほどホワイトな病院なんです。時間外勤務や休日に呼ばれることもほとんどありません。
ただ、院外研修は慣れない環境なので、慣れるまではストレスだったなと個人的には思います。でも、それも慣れてしまえば、楽しかったです。
当院の院外研修は短くて3ヶ月、希望すれば半年から1年間、行かせていただけます。1年間の院外研修ができる病院はなかなかないので、それも当院の専攻医研修の特徴ですね。

指導医の先生方のご指導はいかがですか。

距離感がちょうどいいです。専攻医なので、過保護で色々と言われすぎても疲れてくるし、やる気もなくなりそうですが、逆に指導されないと勉強になりません。
その点、当院では適度な距離感があり、見守ってくださっている感じです。何かあれば指導してくださいますが、重症患者さんであっても基本的には任せて頂けるので、自主性が生まれますね。

能重先生の写真

カンファレンスはいかがですか。

ICUなどの救急科が担当している入院患者さんについては毎日、カンファレンスがありますが、基本的には夜勤明けの医師とその日の日勤の医師だけで行っており、それ以外の医師の出勤はありません。時間も短く、30分以内に終わるので、本当に素晴らしいなと思っています。
水曜日には救急科全体でのカンファレンスがあり、入院患者さんの細かいフルプレゼンテーションをしています。でも、そのカンファレンスも簡潔で、長くても1時間以内に終わります。

初期研修医の指導はどのようにしていらっしゃいますか。

ERではローテートしている初期研修医に対し、日勤の終わる時間に振り返りを行っています。そこではその日の日勤の医師が集まり、疑問点や方針を確認したり、画像をきちんと読んだりなどをしています。
ICUでは初期研修医に人工呼吸器などの集中治療ならではのミニレクチャーを行っています。

コメディカルのスタッフとのコミュニケーションはいかがですか。

当院では採血や血液培養など、医師でなくてもできるものをコメディカルスタッフの方々がしてくださっています。事務のスタッフの方々も外来の予約や書類出しなどをしてくださるので、医師の仕事量がとても減っています。コミュニケーションも取りやすく、本当に働きやすい病院なので、お勧めです。

今後のご予定をお聞かせください。

現在、専攻医3年目ですが、このあとは相澤病院にスタッフとして就職する予定になっています。
既に長野県内に家を建築し始めました(笑)。まもなく完成するので、楽しみにしています。
夏は登山、冬はスキー。住みやすいし良いところですね。

能重先生の写真

専門医制度についてのご意見をお願いします。

詳しいわけではないのですが、救急科だと症例をエクセルファイルに登録していく作業があります。この入力に関しては今の時代に合わない気がしています。カルテが勝手に読み取ってくれないかなと思いますね(笑)。

【動画】能重先生

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