専門研修インタビュー

2022-03-01

今村総合病院(鹿児島県) 専攻医 中村大悟先生・加倉健太郎先生(内科) (2022年)

今村総合病院(鹿児島県)の専攻医、中村大悟先生・加倉健太郎先生(内科)に、病院の特徴や研修プログラムについてなど、様々なエピソードをお伺いしました。この内容は2022年に収録したものです。

公益財団法人慈愛会 今村総合病院

〒890-0064
鹿児島県鹿児島市鴨池新町11-23
TEL:099-251-2221
FAX:099-250-6181
病院URL:https://www.jiaikai.or.jp/imamura-general/

中村先生の近影

名前 中村 大悟 専攻医
出身地・出身大学 / 医師免許取得年度 鹿児島県鹿児島市・ 福岡大学 / 2019年
初期研修施設 今村総合病院
専攻医研修 救急・総合内科(ER)

加倉先生の近影

名前 加倉 健太郎 専攻医
出身地・出身大学 / 医師免許取得年度 鹿児島県霧島市・ 鹿児島大学 / 2019年
初期研修施設 今村総合病院
専攻医研修 救急・総合内科(ER)

医師を目指したきっかけをお聞かせください。

中村
 私は診療放射線技師を目指していて、国家試験に合格したのですが、その頃に医師の方が楽しそうかなと思ったんです。それから受験勉強を頑張りました。再受験は大変でしたね。何年か浪人して、医学部に入ったのは27歳のときでした。

加倉
 実家は曽祖父のときからの開業医で、今は父が継承しています。私は祖父がその医院で働いていた背中を見て育ったので、自然と医師を目指していました。専攻医のプログラムを選んだ理由もそこにあります。現在は週に1回、実家の医院を手伝いに行っています。

学生生活はいかがでしたか。

中村
 思い出と言えば、アルバイトばかりです。最初は肉体労働をしていましたが、途中からは家庭教師をしていました。旅行にも行っていました。

加倉
 水泳部に入っていました。西医体などで上位を争うようなレベルではなく、緩い感じの部活動でしたが、メリハリがあり、色々なイベントも楽しんでいました。勉強もほどほどにして、6年間の学生生活を無事に終えました。

初期研修の病院を今村総合病院に決めたのはなぜですか。

中村
 私は脳卒中に興味があり、鹿児島に帰るという条件もあったので、鹿児島で脳卒中に強い病院を探していたときに当院を知りました。脳卒中に強いのはもちろんですが、病院の雰囲気も私に合いそうでしたので、あっさり決めました。見学も当院にしか行っていません。

加倉
 市中病院か大学病院かの選択では市中病院にしようと決めていました。そこで沖縄、福岡、栃木などの県外の病院にも見学に行ったのですが、そこまで内容が変わらないのだなと気づき、鹿児島県内で探すことにしました。やはり初期研修では救急で学ぶことが多いので、救急が活発で、ジャンルにとらわれない総合内科のある今村総合病院を選びました。これは本当に正解でしたね。

初期研修が始まってからはイメージ通りでしたか。

中村
 イメージ通りですが、きつさに関してはイメージしていたよりきつくなかったです。

加倉
 最初の数カ月は思ったよりも動けず、困ることや苦しいことが多かったのですが、1年が過ぎると思っていたような感じになっていきました。

初期研修を振り返って、いかがですか。

中村
 あっという間に過ぎました。自分が思い描いていた医療とは違う医療にも出会えました。当院は高齢の患者さんが多いのですが、寝たきりの患者さんに対してどのような医療を提供するのかといった倫理的な部分などもそうですし、患者さんの背景を考えて医療を行うといったことなどで悩むこともありました。その悩みは今も続いています。

加倉
 色々なことをバランスよく学べました。指導医の先生について回るだけでなく、主治医としての重い責任もある中で悩むこともありましたが、良い初期研修だったと思っています。

総合内科を専攻しようと決めたのはどうしてですか。

中村
 総合内科は内科のベースなので、色々な患者さんがいらっしゃいますし、色々な病態を診ることができるからです。そこでしっかり学びたいと思いました。

加倉
 どの臓器に興味があるというわけではなかったですし、内科か外科かなら内科に行きたいと思っていたので、まずはジェネラルに診たいということで総合内科を選びました。

今村総合病院の内科専門研修プログラムを選ばれたのはどうしてですか。

中村
 西垂水和隆先生、市來征仁先生といった素晴らしい先生方のもとで学べるからです。また当院の内科専門研修プログラムは「ここで研修したい」という希望が全て通るので、自由度が高く、私に合っているなと思いました。メリハリのある研修ができ、休みもあって、転勤もない点も良かったです。総合内科を専攻しようと決めた時点で、当院のプログラムで研修したいと考えたので、他院への見学にも行っていません。

加倉
 大学に入局すると学べる内容が自ずと限られてきますので、当院の内科専門研修プログラムで幅広く研修させていただきたいと考えました。私も総合内科に決めたときに、当院のプログラムで研修したかったので、ほかの病院は検討しませんでした。

専攻医研修で特に勉強になっていることを教えてください。

中村
 専攻医になると、自分で治療を選択し、自分で決断する機会が増えているので、それが勉強になっています。一方で、初期研修であやふやだったところを教科書などを見ながらもう一度、勉強しています。

加倉
 この1年間は病棟管理が主な仕事で、初期研修医の指導にあたる機会が多くあります。指導にあたっては自分がきちんと学んでいないと教えられません。それで2年間を結構なあなあに過ごしてきたのだなと思い知らされています(笑)。今は勉強する機会が増えましたし、責任を取らないといけない立場にもなりますので、仕事の厚みがより増してきたと実感しています。

専攻医研修で遣り甲斐を感じるのはどのようなときですか。

中村
 当直では上級医の先生方もいらっしゃるのですが、自分で決めることが多く、そういうときに遣り甲斐を感じます。

加倉
 初期研修医のときはかなり長い期間の入院を必要とする方を診る場合でも、数カ月で専攻医にお渡しし、あとは分からないという感じになっていましたが、今はずっと総合内科にいますので、入院から退院まで診ることができます。その中で、途中で危なくなって、何度もICUに入った患者さんがいらしたのですが、何とか退院まで漕ぎ着けたことがありました。その後、転院先で安らかに亡くなられたということをご家族からのお手紙で知ったときは遣り甲斐を覚えました。

中村先生の写真 加倉先生の写真

専攻医研修で辛いことはどのようなことですか。

中村
 特に辛さはないです。強いて言えば、当直明けが眠くて辛いです(笑)。当直の回数は初期研修の頃と変わらず、週に1回、月に4、5回です。

加倉
 救急にいらした患者さんをそのまま総合内科で受け持ったときに、来院時に心肺停止の方ももちろんいらっしゃいますが、入院して数日後に亡くなられる方も少なくありません。専攻医になると、最後まで責任を持ってお看取りをするケースも増えてきたので、そういう死別の機会や悲しいお伝えの機会はやはり辛いですね。

指導医の先生方のご指導はいかがですか。

中村
 とても丁寧に教えてくださって、いつも助けていただいています。手取り足取りといった感じのご指導ではないのですが、しっかりフォローしてくださいます。

加倉
 全国的にも有名なベテランの先生方ですので、ぱっと飛んでくるヒントや知識が本当に得難いものだと思いながら診療しています。何かあったときに頼りにできて、ほかではもらえないような知識がいただけるのは有り難いです。

カンファレンスはいかがですか。

中村
 毎朝あります。雰囲気は和気あいあいとしていますが、なあなあな感じの日もあります(笑)。大学病院とは少し違いますね。カンファレンスでは受け持ちの患者さんについての方針などをプレゼンし、上級医の先生方にお伝えしています。緊張することはないのですが、状態の良くない患者さんのことをうまく説明するのが難しいです。

加倉
 チームごとにラウンドして、そこでカンファレンスという形です。チームの先生方とは風通しも良く、冗談を言いながらのカンファレンスになることもあります(笑)。和気あいあいと相談もし合っています。

初期研修医の指導はどのようにしていらっしゃいますか。

中村
 初期研修医のときに言われたのですが、選択肢が2つあり、どちらを選んでもいいときには初期研修医の意見を尊重するということです。それから、あまり怒らないようにと心がけています(笑)。

加倉
 座学で聞くだけでは分からないことももちろんありますが、それを教えながら「この状況なら、まず何をしますか」「先生なら、何をどうしますか」と尋ね、自分の中で意識してもらっています。そして講義が終わったあとに、実際の患者さんに活かせるように、質問しながら教える態度を取りたいと思っています。

コメディカルのスタッフとのコミュニケーションはいかがですか。

中村
 専門職の方が大勢いらっしゃるので、それぞれの意見を尊重することを心がけています。

加倉
 メイン病棟はもちろんですが、そうでない病棟でも、看護師さんに患者さんの様子や夜間のことなどを聞きやすいです。病院全体が優しい雰囲気なので、リハビリのスタッフの方々も優しく、話しやすいです。

今後のご予定をお聞かせください。

中村
 新型コロナウイルスの影響もあり、来年度はそのまま当院に残ります。私は当院で不調の原因が分からない患者さんを診たのがきっかけで、膠原病に興味を持つようになりました。膠原病は病態が難しいのですが、治療がきちんとしていると寛解する方も多いので、遣り甲斐がありそうです。今後は膠原病に強みを持つ医療施設に学びに行きたいと考えています。総合内科にいると認知症の患者さんや高齢の患者さんを診る機会が多いのですが、膠原病の診療だと普通に話している方が対象なので、そういう患者さんとしっかりお話ししながら診療を進めていけることを楽しみにしています。

加倉
 来年度は夏に手稲渓仁会病院の循環器科、冬に獨協医科大学病院の総合診療科をそれぞれ3カ月ずつ回らせていただく予定になっています。獨協医科大学病院の総合診療科には有名な志水太郎教授がいらっしゃるので、こちらではなかなかできていないフレームワークを使った診断を技術として身につけたいです。どんな雰囲気なのかを見に行きたくてご相談させていただいたら、研修のチャンスをいただき、有り難く思っています。専攻医研修ではやがて実家の医院を継承することになったら、そこで活かせるような知識や技術を学び、専攻医研修後は臓器別に進んで勉強したいですね。今は分かりやすく成果が得られる循環器が遣り甲斐がありそうだと興味を持っています。

専門医制度についてのご意見をお願いします。

中村
 以前の制度を知らないので、はっきりしたことは言えませんが、不安に思っていることとしてはCPCの件数が足りるのかどうかということです。

加倉
 色々と問題のある制度ですが、少しずつ整備されてきたのは意味があると思いますので、これからさらに良くなることに期待したいです。

中村先生の写真 加倉先生の写真

これから専攻医研修の病院を選ぶ初期研修医にメッセージをお願いします。

中村
 内科を学びたかったら、まずは総合内科で基本的な急変時の対応や感染症などをきちんと勉強したうえで、各専門科に進んでもいいのかなと思っています。大学の医局は自由度が限られてきますが、市中病院は意外と自由度が高く、専門に進んだとしても自分の好きなように学べますので、自分の意志がしっかりある人には市中病院をお勧めします。

加倉
 専攻医研修の病院を選ぶにあたっては、どこまでその施設で研修するのか、特に内科専攻医の場合はほかの病院で症例集めをする必要があるのか、県外に出られるのか、出られないのかが大事になってきます。当院の場合は総合内科に切れ目なく症例が集まりますので、他院に行く必要はありません。加えて、県外にも色々なパイプがあり、そうした病院で武者修行もできるプログラムです。是非、ご検討ください。