インタビュー

2021-03-15

総合病院 国保旭中央病院 | 初期研修インタビュー

総合病院 国保旭中央病院の初期研修のインタビュー。全国病院からメッセージ・求める研修医、プログラム・募集要項、ジュニア・シニア・指導医・院長のインタビューを掲載。進路選択の判断材料としてお役立てください!

総合病院

国保旭中央病院

旭市イ-1326番地

医師近影

名前 衣斐 恭介(いび きょうすけ)医師
出身地・出身大学 / 医師免許取得年度 大阪府豊中市・ 東京大学 / 2015年

医師を目指したきっかけをお聞かせください。

小さい頃は生物学などの研究者に憧れていたのですが、高校生になってからは生身の人を相手にする臨床医になりたいと考えるようになりました。

学生生活ではどんなことが思い出に残っていますか。

バドミントン部に入っていて、部活動中心の毎日を過ごしました。東医体で3位に入賞したこともあります。また、塾で英語の講師を務めていました。中学生や高校生が対象の塾で、1クラスが30人規模なのですが、人前で話すのが楽しかったですね。

臨床実習はいかがでしたか。

大学病院のほか、系列の病院にも行きました。私は小児科を志望しているのですが、この志望が固まったのがポリクリ中です。小児科の魅力は治療によって、未来が変わることです。治療の角度が少し変わっただけで、その先が大きく違ってくるので、遣り甲斐がありそうだと思いました。また、私は外科には向いていないことも分かりましたね(笑)。ポリクリは時間を拘束されるので好きではないという人もいますが、私はそう感じることはなかったですし、いい経験ができました。

大学卒業後、研修先として大学病院でなく、国保旭中央病院に決めた理由をお聞かせください。

国保旭中央病院には母校から毎年2、3人が行っていましたし、部活動の先輩も初期研修をした病院ですので、名前は知っていました。以前は研究者志望ではありましたが、臨床の方が向いていそうだと思ったときから大学病院よりも市中病院での初期研修を考えていました。都内の病院をはじめ、いくつか見学に行ったのですが、当院が一番、楽しそうだったんです。私は土地にこだわりがなく、遠いことがデメリットになりませんでしたので、当院を選びました。

医師近影

国保旭中央病院に見学に来られたときの印象はいかがでしたか。

6年生のときに2泊の見学に来ました。塩尻先生をはじめ、後期研修医の先生方が「こんな面白い症例があったよ」と報告し合っているのを見て、教えることが好きな人たちの文化があるのだと感じました。話すのが好きな私に合っていると思いましたね。

国保旭中央病院での初期研修はイメージ通りですか。

教えることが好きという文化があることはイメージ通りです。私もその流れに乗れているといいなと思っています。初期研修前は窮地に立たされることが多いというイメージがありましたが、そこは違いました。確かに人手は少ないのですが、相談できる相手が若手にも上の先生方にもいるので、一人で重症の患者さんに向き合うことはありません。

国保旭中央病院での初期研修の特徴をお聞かせください。

1学年が30人ぐらいと多いので、皆でやろうという雰囲気があります。勉強会やカンファレンスも指導医の先生からのものだけでなく、初期研修医による企画のものもあるんです。忙しいですが、経験をシェアして、高め合っていこうという感じですね。人数の多さを活かせています。一人で考え、温めていった方が伸びる人もいますが、皆でやろうというスタンスが嫌いでない人にはいい病院です。

指導医の先生のご指導はいかがでしょうか。

診療科の方針もありますので、一概には言えないですが、初期研修医の指導に慣れていらっしゃる先生方が揃っています。皆さん、よく働いていらっしゃるなと思います(笑)。私が年齢を重ねたときに、あのように頑張っていけるのか不安になるぐらいです。

国保旭中央病院での初期研修で勉強になっていることはどんなことでしょう。

救急の初療の際の判断力です。当院で経験を積んでいたら力がつきますし、他院との違いもその点にあるような気がします。軽症から重症まで、多くの患者さんの治療をディシジョンメーキングしながら進めていくのは楽しいです。当院だからこそ、できている初期研修ですね。

研修医同士の意見交換や情報共有も活発ですか。

初期研修医は医局にいますので、医局に行けば誰かに会えますし、相談しやすいです。また、初期研修医、後期研修医のための大部屋もあります。

何か失敗談はありますか。

1年目の終わりから2年目のはじめの頃は慣れてきたと勘違いしやすい、いわゆるヒヤリハット期です。最初の頃は経験の母数が少ないので「トラブルがあったら、どうしよう」と常に心配しているのですが、慣れてくると、前に経験したことと同じように進んでいくと思ってしまうんですね。それで、「まあ、いけるでしょう」と考えていたら、うまくいかないことがあり、反省しました。

初期研修プログラムで改善を望みたいことはありますか。

プログラムに関しては厚生労働省からの指示で決まっている部分もありますので、問題はないです。個人的には病院内に裁量権がある人が増えるといいなと思っています。初期研修医に責任を持たせた方が良くなるというのも違いますが、初期研修医は案外、守られています。

当直の体制について、お聞かせください。

救急外来は全科当直で、月に5回あります。指導医1人、2年目の初期研修医が2人、1年目の初期研修医が1人か2人という体制です。また、各科を回っているときに「待機」があります。救急や病棟に呼ばれるもので、内科なら4日に1回ですね。院内PHSを持って、部屋に待機しますが、必要なければ部屋で休めます。循環器科は夜の方が忙しいので、「待機」では寝られないですね。

当直では、どんなことが勉強になっていますか。

多くの患者さんの初療を自分で進めていかないといけないことです。指導医の先生もいらっしゃいますが、体力のある2年目の初期研修医が頑張っています。トリアージして、具合の悪さや検査の進み具合を考えながらマネージメントしていきますが、軽症だからといって、お待たせできるものではありません。難しいですが、楽しいです。

カンファレンスなどの雰囲気はいかがですか。

診療科によっては入院の患者さんについてのカンファレンスが中心になるところもありますが、脳神経外科は学術的にも面白かったです。スタッフが4、5人で毎朝7時30分から1時間ぐらいあり、症例を提示して、画像を見ながら、先生方が話されるのを聞いていました。スーパーローテートではそれぞれの診療科のナラティブな部分を聞いておくことが大事だと思います。脳神経外科では「こういう患者さんはこうなるよ」という予測を聞けたり、「前にこういう患者さんがいたよ」と、その辺からファイルを出してこられる先生もいて、楽しかったですね。私は外科に行くわけではありませんが、外科の先生方が術後の感染を気にされているなど、それぞれの科の先生方が大事にしていることを学べる機会になっています。

コメディカルの方たちとのコミュニケーションはいかがですか。

科によりますが、初期研修医が担当でついている場合は初期研修医にコールが来ますので、そこから進めていかないといけません。「どうなっていますか」と聞かれて、やり取りをしますが、それ自体はいいことだと思います。脳神経外科の看護師さんであれば、患者さんの瞳孔などの細かい変化に気づきますし、キャリアの長い看護師さんからは学べることも多いですね。

研修医用の宿舎にお住まいなんですよね。

敷地内にあります。安くて、近いのがいいですね。1Kサイズで、自己負担は1万円ぐらいです。

今後のご予定をお聞かせください。

後期研修は当院の小児科で行います。その中で半年から9カ月間はほかの病院に行きますし、海外での1カ月の研修も予定されています。2年上の先生も今、海外に行っていらっしゃるんですよ。救急にも興味があるので、引き続き後期研修で勉強します。

ご趣味など、プライベートの過ごし方について教えてください。

休みの日で一番楽しい過ごし方は飲みに行くことですね。このあたりはお肉もお魚も美味しいんです。見学に来た医学生にも「何でも美味しいよ」と言っています(笑)。

現在の臨床研修制度に関して、ご意見をお願いします。

他院では24カ月のうち、必修科目以外の14カ月を全て選択科目の研修にあてる人もいますが、当院の選択期間は短いです。小児科では耳鼻咽喉科や皮膚科の知識も必須ですが、初期研修は他科の先生方に恥も外聞もなく質問できる期間なのがいいですね。小児科に進んでしまったら、耳鼻咽喉科医や皮膚科医と一緒に働く機会はなくなりますから、今のうちに「それ、どんな意味があるんですか」と堂々と質問しています(笑)。それぞれの専門の先生方がどんなことを重視しているのかを学んでいきたいですね。

最後に、これから初期臨床研修病院を選ぶ医学生に向けて、メッセージをお願いします。

一般論ではありますが、初期研修医がよく動いていて、楽しい病院がいいですよ。辛い病院だと、研修の内容が頭に入らないです。当院の売りは自分で進めていけることですし、救急が楽しいことです。でも、その良さは全員にとっていいわけではないので、私のように、そういう病院が楽しいと思える人、皆でやっていくのが苦にならない人は是非、お越しください。

国保旭中央病院での初期研修を終えたお二人の後期研修医にもお話を伺いました。

医師近影

名前 青木 華古(あおき はなこ)医師
出身地・出身大学 / 医師免許取得年度 徳島県名西郡 東京医科歯科大学 / 2014年

医師近影

名前 臺藏 綾霞(だいぞう あやか)医師
出身地・出身大学 / 医師免許取得年度 埼玉県さいたま市・ 金沢大学 / 2014年

医師を目指したきっかけをお聞かせください。

青木 小学生の頃に身体の仕組みに興味を持ったのがきっかけで、医療関係の仕事に就きたいと思うようになりました。その中で医師を目指したのは人を助けることに尊敬の気持ちを持ったからです。
臺藏 私は中学生の頃でした。周りの人の死が重なったことがきっかけです。医学の勉強に関心が芽生え、特に終末期医療に興味を持ちました。

ポリクリはいかがでしたか。

青木 患者さんと初めて接する機会でした。それまでペーパー上でしか医療知識を学んでこなかったので、患者さんやご家族の気持ちを考えながら医療を行うのは難しいと感じましたね。
臺藏 長崎県の五島列島にある上五島病院に行きました。小さな島で生まれ、暮らし、亡くなる人々の生活を丸ごと支える医療、看護、保健、福祉のあり方を見て、医療の仕組みなどを考えさせられました。

初期研修の病院を国保旭中央病院に決めたのはなぜですか。

青木 関東圏内で探していたのですが、国保旭中央病院は患者さんの数が多く、初期研修医が主体となっているところ、後期研修にも残れそうなところに惹かれました。見学に来てみたら、雰囲気も良かったですね。ただ、忙しいのはネックかなと思いました。
臺藏 初期研修医が主体となれるし、勉強できる病院だからです。患者さんが多く、上級医も多いですが、初期研修医が前に出ることができます。同期同士や縦の繋がりが強いところも良かったです。見学の段階で、皆で一緒になって上達しよう、上に行こうと思える仲間に出会えました。

初期研修を振り返って、いかがですか。

青木 塩尻先生を筆頭に、上級医の先生方が揃い、毎日のレクチャーがあったのが一番の良い点です。珍しい疾患を診ることもできましたし、初期対応は本当に勉強になりました。いい2年間だったと思います。
臺藏 一緒に頑張る仲間の存在があり、勉強会も充実していましたし、症例の復習も皆でやっていました。内視鏡のほか、耳鼻咽喉科、皮膚科、眼科といったマイナー科を勉強できたのは武器になったと思っています。

医師近影

どのようなローテーションだったのですか。

青木 1年目は総合診療内科3カ月、皮膚科1カ月、小児科2カ月、消化器内科2カ月、救急1カ月、整形外科1カ月、循環器科2カ月です。2年目は麻酔科2カ月、地域医療1カ月、総合診療内科3カ月、耳鼻咽喉科1カ月、脳神経外科1カ月、外科1カ月、精神科1カ月、救急1カ月、感染症1カ月です。
臺藏 1年目は消化器内科2カ月、精神科1カ月、救急1カ月、麻酔科2カ月、総合診療内科3カ月、小児科1カ月、脳神経外科1カ月、眼科1カ月です。2年目は感染症と緩和ケア1カ月、皮膚科1カ月、循環器科1.5カ月、アレルギー・膠原病内科1.5カ月、救急1カ月、整形外科1カ月、外科1カ月、地域医療1カ月、総合診療内科3カ月です。

指導医の先生はいかがでしたか。

青木 当院は屋根瓦式の教育体制がしっかりしています。2年目の初期研修医は1年目を教えますし、後期研修医や上級医も揃っています。上級医の先生方の指導は熱心ですし、何でも聞ける環境です。
臺藏 毎日、細かいところまで一緒に考えてくださり、手厚い指導を受けることができました。

国保旭中央病院での初期研修でどんなことが勉強になりましたか。

青木 救急外来です。トリアージされてきた患者さんを診て、どんなことを聞き、どんな検査をするのかといった対応を考える癖がつきました。ショックで緊急性のある患者さんへの初期対応も学べましたし、色々な検査ができたのも良かったです。
臺藏 私は総合診療内科です。初期研修医にも責任があり、毎朝、毎夕にチーム内のメンバーや上級医と相談しながら仕事をします。一人ではおざなりになりがちなプロブレムを一つ一つ確認しながら、患者さんの問題点をしっかり把握してアセスメントを立てる思考力を鍛えていただきました。

病院に改善を望みたいことはありますか。

青木 必修科目が多いので、好きな科を取れなくなる問題がありますね。私もローテートが始まる前はどうして、ここまで決められているのだと思っていました。でも、実際にローテートしてみると必修科目は大切だと分かりましたし、そこで学んだことはとても役に立っています。
臺藏 担当制ですから、患者さんに責任を持つのは当然なのですが、夜間にPHSが鳴ると疲れが取れず、辛いことがありました。ただ、それを改善してほしいとまでは望んでいません。

何か失敗談はありましたか。

青木 細かい失敗は多かったですね。救急外来では患者さんを危険な目に遭わせてしまいかねないこともありました。
臺藏 怒られることもありましたが、患者さんの命がかかっていることですから、受け止めていました。

研修医同士のコミュニケーションは活発でしたか。

青木 救急外来や病棟で出会った特殊な疾患などの情報交換をしていました。研修医室には電子カルテもあるので、たまたま来た人が話し出すと、初期研修1年目から後期研修1年目までの研修医が学年を超えて集まってきます。それぞれの研修医の力を集めながら、症例をシェアできたのは楽しかったです。
臺藏 1学年30人近くいるのですが、顔なじみですし、周りの人同士で相談できる空気感がありました。失敗したことを反省したり、うまくいったことを話し合ったりしていましたね。もちろん、雑談もしていました。

コメディカルのスタッフとのコミュニケーションはいかがですか。

青木 臨床検査技師さんにはいつでも頼めますし、プロフェッショナルな専門性をお持ちなので、感染症や細菌についてなど、時間を作って教えていただいていました。看護師さんの気づく力もすごいですね。バイタルの変化など、しつこいなと思えるぐらい気づきます(笑)。採血などの面倒なこともフットワーク軽く、やってくださいますよ。優秀な方が多いです。脳梗塞の患者さんや高齢の患者さんが多いので、リハビリのスタッフも熱心な方ばかりです。
臺藏 各病棟の看護師さんの気づく力はすごいと私も思います。細かいところまで、よく気づきますね。分からないことを相談したり、アドバイスをいただくこともあります。リハビリのスタッフも、管理栄養士さんも熱心ですね。

初期研修医の指導にあたって、気を付けていることはありますか。

青木 個性と能力はそれぞれ違います。こちらが言って、すぐにできる人もいれば、時間がかかる人もいるので、その人に合わせたサポートを心がけています。
臺藏 とりあえず誉めています(笑)。私が初期研修のときに間違えたことやミスをしがちだったことを一緒に押さえていくようにしています。

今後のご予定をお聞かせください。

青木 神経内科を志望しています。最初から後期研修にも残りたいと決めていたので、当院で後期研修をしています。後期研修後は大学病院に戻る予定です。
臺藏 緩和ケアに進みたいと思っています。そのために内科的な素養を身につけたいので、当院で内科や消化器内科の後期研修を行っています。

現在の臨床研修制度について、ご意見をお願いします。

青木 短期間で色々な診療科を回れるのがいいですね。プログラムの中で多くの疾患と幅広い知識を学び、どの科に相談するのかを考えることができるのも良いと思います。
臺藏 学生の頃もポリクリで各科を回りますが、初期研修医として回るのは全く違います。風邪、脳梗塞などの患者さんの初期対応が多少なりともできるようになりましたし、整形外科や耳鼻咽喉科といったプログラムも良かったです。ある程度は自分で勉強したうえでアセスメントを取り、「お任せします」ではなく、総合的に診ていく勉強ができました。

これから初期研修の病院を選ぶ医学生にメッセージをお願いします。

青木 新専門医制度が始まるので、大学に残っておいた方が安全だとか、楽できるとか、迷っている人も多いでしょう。でも、初期研修の2年間は今後の診療科を気にせずに、好きなところに行けるんです。自分で考えることができる病院、幅広い知識を持てるようになる病院をお勧めします。
臺藏 興味があることでも、ないことでも、初期研修の間は色々な経験を積んでほしいです。楽しんで、勉強してください。