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国試過去問解説 2025-07-30

国試過去問解説 妊娠糖尿病 国試(117D49)

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117D49
生後1時間の男児。在胎38週、体重4,100g、帝王切開で出生した。Apgarスコアは8点(1分)、9点(5分)。母親は33歳、初産で妊娠糖尿病と診断されていたが、定期的な妊婦健康診査を受診していなかった。体温37.2℃。心拍数140/分、整。血圧72/48mmHg。呼吸数50/分。SpO2 98%(room air)。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は軽度の膨隆を認める。肝臓を右肋骨弓下に1cm触知するが、脾臓は触知しない。皮膚は赤く、末梢性チアノーゼを認める。
直ちに行うべき検査はどれか。

答え
不正解

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妊娠糖尿病の既往がある妊婦で妊婦健診未受診であることから、胎児は妊娠期間中に高血糖にさらされていたと考えられる。母体高血糖にさらされた胎児は出生後に母体からの糖の供給が絶たれると、高インスリン血症によって低血糖となりやすい。血糖は出生後1〜4時間後に最低になるとされ、生後1時間で低血糖症状がなくても否定できない。また、新生児では低血糖症状は非特異的であり、けいれんなどの症状がなくとも、なんとなく元気がない(not doing well)だけで疑う必要がある。

a 低血糖の持続は不可逆的な中枢神経障害をきたすため、リスクがあればただちに血糖測定をおこなうべきである。

b 末梢性チアノーゼはあるがバイタルサインやSpO2は正常であり、生後1時間としては生理的な範囲と考えられる。

c 新生児では大泉門が閉鎖していないため、頭蓋内病変の評価に超音波検査を用いることができる。頭蓋内出血や水頭症を疑って実施する検査であり、本症例で直ちに行うべき検査とはいえない。

d 生後24時間以内に肉眼的黄疸がみられる早発黄疸であれば、病態の評価のため血清ビリルビン値の測定が必要である。現時点では黄疸を認めておらず、直ちに行うべき検査とはいえない。

e 呼吸窮迫症候群(RDS)や新生児一過性多呼吸など胸部エックス線検査が鑑別に有効な疾患はあるが、呼吸状態の安定している本症例で直ちに行うべき検査とはいえない。

時間のある方は参考資料としてこちらをご覧ください。

連載: 国試過去問解説