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国試過去問解説 2025-07-23

国試過去問解説 出血傾向 国試(117D24)

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117D24
10歳の男児。繰り返す鼻出血と皮下出血を主訴に母親に連れられて来院した。乳児期から同様の症状を繰り返しており、鼻出血は数時間以上止血困難なことがたびたびある。父親も出血傾向があるという。意識は清明。眼瞼結膜は軽度貧血様で、眼球結膜に黄染を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。両側下腿に紫斑を認める。血液所見:赤血球328万、Hb 10.2g/dL、Ht 31%、白血球8,400、血小板35万、出血時間10分以上(基準7分以下)、PT-INR 1.0(基準0.9~1.1)、APTT 50.3秒(基準対照32.2)、血漿フィブリノゲン280mg/dL(基準186~355)、血清FDP 5μg/mL(基準10以下)。ADP血小板凝集能は正常。
最も考えられるのはどれか。

答え
不正解

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出血傾向を示す小児で家族歴を有することから、先天的な要因による血液疾患を鑑別する。血友病では関節内出血が多い、血小板減少性の疾患では鼻出血が多い、など疾患ごとの特徴はあるが、最終的には検査結果を加味して最も考えられる疾患を選ぶ。出血時間延長は血小板数の減少もしくは血小板機能の異常を、APTT延長は内因系の凝固異常を示唆する。

a APTT延長から血友病Aも考えられるが、出血時間延長はきたさない。また、遺伝形式が伴性潜性(劣性)遺伝のため、父親に同様の症状が出現することは考えづらい。

b 若年女性の下肢に好発する良性の点状出血斑で、凝固系の検査異常を伴わない。

c 出血時間延長から血小板無力症も考えられるが、APTT延長はきたさない。また、血小板無力症ではADP血小板凝集能は低下することが多い。

d ビタミンK依存性凝固因子はⅦ・Ⅸ・Ⅹ・Ⅱの順で半減期が短いため、ビタミンK欠乏症ではAPTTよりも先にPT-INRが延長する。また、出血時間延長はきたさない。

e von Willebrand因子は血小板粘着に関わるだけでなく、第Ⅷ因子の輸送体としての役割をもつ。出血時間延長とAPTT延長を同時にきたす疾患として、von Willebrand病が最も考えられる。

時間のある方は参考資料としてこちらをご覧ください。

連載: 国試過去問解説