まず慢性腎臓病(CKD)の定義は、
1 尿検査で、蛋白尿、または蛋白尿+血尿、画像診断で腎の形態的異常、血液検査で血清Crなどの上昇、腎生検の病理所見で、腎障害がみられる。
2 糸球体濾過量(GFR)<60mL/分/1.73m2
3 1,2のいずれかまたは両方が3ヶ月以上持続する。
である。
a 推定糸球体濾過量のことであり、年齢、血清クレアチニン値、性別の3つのパラメーターから算出する。慢性腎臓病(CKD)の重症度分類の縦軸を規定する。
b 年齢が慢性腎臓病の重症度を規定するわけではない。上記のように推定糸球体濾過量(eGFR)の算出には用いられる。教科書などで一度算出式を見ておこう。
c 慢性腎臓病(CKD)の診断においても蛋白尿の存在は特に重要となる。糸球体におけるチャージバリアやサイズバリアの機能低下が考えられる。慢性腎臓病(CKD)の重症度分類において、蛋白尿を3つに区分し、横軸とする。よってcが正解となる。
d BMIのことであるが、直接的にCKDの重症度分類の指標としては用いられない。 ただし、肥満は慢性腎臓病(CKD)の危険因子(リスクファクター)である。
e 高血圧は慢性腎臓病(CKD)の危険因子(リスクファクター)の一つであり、かつCKDの進行にも関わるが、重症度分類の指標としては用いられていない。しかし、高血圧が脳心血管病(特に脳卒中)の主要な危険因子であるため、脳心血管病のリスクの層別化においては、高血圧を伴う慢性腎臓病は特にリスクが高いと評価される。