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国試過去問解説 2025-05-01

国試過去問解説 ネフローゼ症候群 国試(112D61)

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112D61
48歳の女性。尿の泡立ちを主訴に来院した。半年前にネフローゼ症候群を発症し、腎生検で微小変化群と診断された。副腎皮質ステロイドの処方後2週間で完全寛解し、4か月前からは投与量を漸減していた。2週間前の外来で、体重52kgで浮腫を認めず、尿蛋白(―)、尿潜血(―)、血清アルブミン4.4g/dL、総コレステロール210mg/dLだったため、副腎皮質ステロイドを10mg/日から10mg/隔日に減量したが、4日前から尿の泡立ちが強くなってきたため受診した。体重54kg。脈拍76/分、整。血圧120/60mmHg。両下腿から足背に軽度の圧痕性浮腫を認める。尿所見:蛋白3+、潜血(―)、沈渣に卵円形脂肪体を認める。血液生化学所見:アルブミン3.5g/dL、尿素窒素15mg/dL、クレアチニン0.6mg/dL、総コレステロール290mg/dL。
対応として適切なのはどれか。

A:五肢択一問題 ↑ここまで
答え
不正解

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下腿から足背の浮腫、尿蛋白3+、尿沈渣に卵円形脂肪体、血中アルブミン4.4→3.5g/dL、血中総コレステロール290mg/dLよりステロイド減量による微小変化型ネフローゼ症候群の再発が考えられる。

a 副腎皮質ステロイド減量後の経過や、身体所見、尿所見、血液所見からは微小変化型ネフローゼ症候群の再発が最も考えられる。腎生検は、患者の負担が大きい検査であり、現地点で施行することは適切とはいえない。よってaは×。

b 副腎皮質ステロイドの減量と同じタイミングで微小変化型ネフローゼ症候群の再発が起こっており、このようなケースでは再び副腎皮質ステロイドを増量することで治療を行っていく必要がある。よってbは×。

c リツキシマブについては、難治性のネフローゼ症候群に対して適応があるが、本症例については微小変化型ネフローゼ症候群の初めての再発と考えられるため、まずはステロイドの再増量により対応していくのが適切と考えられる。よってcは×である。

d 基本的にネフローゼ症候群の治療において、アルブミン製剤の適応はないと考えてよい。使用されるのはとくに難治性の肺水腫、胸水、腹水がみられる場合である。よって本症例とは合致しない。よってdは×である。

e ステロイド減量によって再発した微小変化型ネフローゼ症候群に対する治療としてはステロイドの増量が適切であると考えられる。また再発例におけるステロイドの減量は慎重に行う必要がある。よってeが〇である。

時間のある方は参考資料としてこちらをご覧ください。

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