国試対策

2021-03-15

血液疾患 vW病

まずは医師免許取得!症例や問題を取り上げ、傾向と対策を分かりやすく説明しています。

みなさんこんにちは。国家試験の勉強は進んでいるでしょうか。今回はCaやビタミンKを切り口に凝固系を復習し、それを元にビタミンK不足により引き起こされる疾患を考えてみましょう。
凝固系は暗記するには複雑であきらめてしまった人も少なくないと思いますが、このコラムをきっかけに少しでも理解していただけたら幸いです。それではいきましょう。
まず外因系からみていきます。凝固系は血小板の粘着・凝集による一次止血に続き、フィブリンを生成することで血球を取り囲み完全な止血を行うものです。(二次止血)
Ca以外はタンパク質からなる凝固因子が関与します。外因系は組織因子と第Ⅶ因子が反応することで第Ⅹ因子が活性化し、
プロトロンビンがトロンビンに、トロンビンがフィブリノゲンをフィブリンにします。手書きで図を書いてみてください。
まず外因系から押さえていきましょう。(下図)

血液問題

次に内因系です。内因系は覚えることが多いので血友病と関連付けて理解するとよいかと思います。
第Ⅸ因子はCa2+によって活性化された第Ⅺ因子とCa2+によって活性化されて、第Ⅷ因子とCa2+によって第Ⅹ因子を活性化します。以降は外因系と共通です。
これも手書きでよいので自分で図を書いてみてください。
さいごにビタミンKは、Ⅱ、Ⅸ、Ⅶ、Ⅹの凝固因子のグルタミン酸をγ-カルボキシル化し、Ca2+と反応しやすくします。
このGlaドメインの生成反応を阻害するのがワーファリンの機序です。つまりCaと結合しにくい凝固因子が生成されるのです。
ビタミンKは腸内細菌からも合成されるため、基本的に欠乏することはまれですが、抗菌薬の使用や食事摂取の低下、閉塞性黄疸などでビタミンK欠乏は起こりえます。
また胎児はいくつかの理由でビタミンKが不足するため頭蓋内出血には注意が必要です。今日のコラムはここまでとなります。読んでいただき有難うございました。

時間のある方は

血液凝固機序
をご覧ください。

著者プロフィール

ペンネーム:まる
プロフィール:近畿一円をまたにかけ、
ある時はクリニックで総合内科診療を、ある時は上場企業で産業医を、また様々な会社の健康診断の診察医も務めている。
日々の診療を行いながら、CES医師国家試験予備校で、「気づきのあるインプットと自力のアウトプットがある授業」
をモットーとして学生の指導に当たっている。僕のコラムが何らかの形で皆様の力になれば幸いです。一緒に頑張りましょう!

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