国試対策

2021-03-15

眼科問題

まずは医師免許取得!症例や問題を取り上げ、傾向と対策を分かりやすく説明しています。

今日は眼科でもっともメジャーな疾患といってもいい緑内障について、CBTの4連問を模したオリジナル問題と国試過去問を題材に勉強していきましょう。
マイナー科の疾患についても診断をし、状況によって治療を判断する問題が増えています。
自覚症状の程度、検査所見などから緊急性、重症度を判断し、正解の対応、治療にたどり着けるように病院実習、日々の勉強を頑張りましょう。それでは行きましょう。

4連問 (1/4)

57歳の女性。激しい頭痛を主訴に来院した。左眼の眼痛も訴えている。
問診としてもっとも当てはまらないのはどれか。

a 吐き気はありますか
b 頭痛はどのような痛みですか
c 眼は見にくくはないですか
d 視野の異常はないですか
e とくにまぶしさを感じますか

a~eどれも緑内障で現れる症状ですが、激しい頭痛より閉塞隅角緑内障の急性緑内障発作を疑うので、その診断のための問診だと、dが一番重要性は低いかなと思います。
視野異常があっても初期は自覚しないことも多いので。よって答えはdとなります。では次に行きましょう。

4連問 (2/4)

57歳の女性。激しい頭痛を主訴に来院した。左眼の眼痛も訴えている。
吐き気があり、左目の痛みは耐え難いほどであり、電球などにとくにまぶしさを感じるという。左眼もぼんやりして見にくいという。みられる身体所見として誤っているのはどれか。

a 結膜毛様充血
b 角膜浮腫
c 散瞳
d 斜視
e 固い眼球

これはわかりますね。各自テキストなどの写真をチェックしておいてください。
答えはdの斜視が誤りです。ここまでの問診や身体所見でしっかりと急性緑内障発作を疑いましょう。では3問目です。

4連問 (3/4)

57歳の女性。激しい頭痛を主訴に来院した。左眼の眼痛も訴えている。
吐き気があり、左目の痛みは耐え難いほどであり、電球などにとくにまぶしさを感じるという。左眼もぼんやりして見にくいという。結膜毛様充血、角膜浮腫、散瞳がみられた。
次に行う検査であてはまらないものはどれか

a 眼圧検査
b 細隙灯顕微鏡検査
c 視野検査
d ペンライトによる浅前房、狭隅角の判定
e 隅角検査

どれも正しいそうですが、急性緑内障発作では早急な治療を行わないと不可逆的な視力障害をきたすので、浅前房のチェックと眼圧の測定、隅角の観察に力点を置きます。
よってこの中ではcの視野検査があてはまりません。では4問目に行きましょう。病態とそれをふまえた治療になります。

4連問 (4/4)

57歳の女性。激しい頭痛を主訴に来院した。左眼の眼痛も訴えている。
吐き気があり、左目の痛みは耐え難いほどであり、電球などにとくにまぶしさを感じるという。左眼もぼんやりして見にくいという。
結膜毛様充血、角膜浮腫、散瞳がみられた。眼圧は右21mmHg、左45mmHg、細隙灯顕微鏡検査で浅前房、隅角検査で隅角が閉塞していた。
今すべき治療として正しいのはどれか。

a ループ利尿薬投与
b 散瞳薬点眼
c プロスタグランジン製剤
d レーザー虹彩切開術
e レーザー線維柱帯形成術

急性緑内障発作には、マンニトール(浸透圧利尿薬)やピロカルピン(縮瞳薬)などを用いて、眼圧を下げたうえでレーザー虹彩切開術を行います。
よってa,bは誤り。cとeは開放隅角緑内障の治療です。よってdのレーザー虹彩切開術が正解となります。さて最後に国家試験の問題を考えてみましょう。

113F55

68歳の女性。5か月前からしばしば眼痛、虹視および軽度の頭痛を自覚しており、精査を希望して来院した。
視力は右0.3(1.0×+2.5D)、左0.2(1.0×+3.0D)。眼圧は右19mmHg、左24mmHg。左眼の細隙灯顕微鏡写真を別に示す。
適切な対応はどれか。

眼科問題

a アトロピン点眼
b 副腎皮質ステロイド点眼
c 高浸透圧利尿薬点滴
d レーザー虹彩切開術
e 硝子体手術

まず開放隅角緑内障なのか閉塞隅角緑内障なのかで治療方針が変わってきます。
また閉塞隅角緑内障でも急性緑内障発作か慢性かで対応が異なります。そのような点を意識して病院実習で眼科を回る、国家試験の勉強をすると上記の問題にも対応できる力がつくと考えられます。
今日はここまでとします。読んでいただき有難うございました。

時間のある方は

最近の緑内障治療
を参考資料として読んでください。

著者プロフィール

ペンネーム:まる
プロフィール:近畿一円をまたにかけ、
ある時はクリニックで総合内科診療を、ある時は上場企業で産業医を、また様々な会社の健康診断の診察医も務めている。
日々の診療を行いながら、CES医師国家試験予備校で、「気づきのあるインプットと自力のアウトプットがある授業」
をモットーとして学生の指導に当たっている。僕のコラムが何らかの形で皆様の力になれば幸いです。一緒に頑張りましょう!

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